ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー張孔堂ー

翌日、由比さんのお言葉に甘え、おれと吉音は張孔堂にやってきた。

悠「失礼します」

吉音「おじゃましまーす!」

当たり前の話だけど、部屋の中にいたのは乙級の生徒ばかり。

吉音「うわ~!みんなちっちゃい~!可愛い~!」

悠「こらこら、何しにここに来たか忘れんなよ」

今にも乙級の生徒に抱きつき、頬擦りしそうな勢いの吉音を宥めつつ座れそうな席を探す。そういえばコイツ暇があれば、はなちゃん抱き締めてたっけ。

吉音「ダイジョブダイジョブ!分かってるって」

悠「ならいいんだけど…」

吉音「雪那さんに呼ばれて遊びに来たんだよね。」

悠「勉強しに来たんだよ!(う……周りの生徒たちが微妙に引いているような…。そりゃ、上級生がひとりと不審な男が突然教室に入ってきて騒いでたらそうなるか)」

「あの~ちょっと、いいですか~」

悠「あー?」

そんな中、物怖じせずに三人の生徒が近づいてきた。
「やっぱり!あのときの人だ……でござる」

「この間はありがとうございました、だぜ」

「すっごく助かりました~」

三人それぞれが独特な雰囲気を持ったしゃべり方。
間違いない、いつかの放課後「ねずみや」への道を聞いてきた三人組だ

悠「いやいや、おれは別になにもしていないよ。結局、店まで案内したのは由真だしな」

吉音「なになに悠。この可愛い子たちとお知り合い?」

悠「一回道を聞かれた事がある程度の知り合いだ。っか、自己紹介もしてないな。おれは小鳥遊悠。君らがこないだ行った「ねずみや」の隣で茶屋をやってる。よろしく」

吉音「あたしは徳田新!好きなことはおいしいものを食べること!よっろしくー」

平和「私……あっ!せ、拙者は八坂平和(やさかのどか)でござる。クラスはあ組。よろしくお願いしますでござる」

信乃「玖慈信乃(くじしの)といいます。クラスは姫様と一緒であ組です。よろしくお願いしますだぜです」

つばめ「甚内(じんない)つばめです~。わたくしも姫様と天国と同じクラスですわ。よろしくおねがいします~」

ほんとに個性的な子達だなぁ。自己紹介のはずなのに、この子達のことがもっとわからなくなったんだけど…。

悠「えっと、八坂さん?」

平和「平和で結構でござる。小鳥遊さんのほうが年上なのでござるから」

つばめ「わたくしもつばめで構いませんわ~」

信乃「私も信乃でいいです」

悠「わかった。平和、つばめ、信乃。そのかわりにおれも悠でいいから」

吉音「悠ばっかりずるい!あたしも新でいいからね!」

悠「ずるいって何がだよ…」
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