ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:非常用階段ー
時間は少し戻り、ガーディアン達の襲撃が開始された頃、桜花鈴猫は徳河吉音ら一行と観客席の最前列で催しを観覧していた。だが、少し引っかかることがあった。共同代表者である西品治警備保障の社長、西品治明が護衛者の方に連れていかれたのだが何故か自分は外された。
もちろん、不服とか扱いの何やらが気になっているのではない。この広い闘技場の観客席、VIPや各社の代表者は最前列のより良い席に案内されているのだが……見えないのだ。各社のトップは奇抜なファッションや目立った容姿の人間が多い。特に義武不動産の義武社長など紫でラメ入りのスーツを着ているので一度見たら忘れようがない。
なにか引っかかりを感じていると、トントンと肩を叩かれた。驚いて振り返ると其処には【絶対王者(キング)】虎狗琥崇が立っていた。
鈴猫「崇?」
崇「……すこし話がある。ちょっと付き合え」
吉音「あれ、崇さんだ。どうしたの?」
鈴猫の隣で座っていた吉音が反応して声をかけると崇は笑って答えた。
崇「ちょっと用事があってな、コイツを借りてくぞ。」
鈴猫「えっ、ちょっ……ちょっと行ってくるね」
さっさと歩いていってしまう崇の後を慌てて追った。席から離れ、大扉を開けて廊下の角を曲がったあたりで立ち止まった。
崇「……」
背を壁に預けこちらに振り返るが何故か何も言わない。
鈴猫「崇?」
崇「……何か用か?」
視線を今曲がってきた廊下の角へと向けるとそこからひょこっと姿を現したのは水都光姫だ。
光姫「やはり気付かれたか。」
崇「何が起こってるのかわかってるみたいだな」
光姫「うむ、ある筋から情報が届いてな。」
鈴猫「光姫さん、え、なに?どういうこと?」
崇と光姫は鈴猫の方を見た。そして二人の口からとんでもない話を聞かされる。今現在、この闘技ドームをガーディアンという集団に取り囲まれ制圧されかかっていて、それは速水勝正によるクーデターだということ。
鈴猫「そんな……じゃあ、摩耶君とアダムさんが危ない!!」
この状況で一番危険なのは重体の摩耶。そして重体ではないもののケガを負っていて摩耶と一緒に行動しているアダムだ。
崇「そいつらは闘技者だ。問題ないだろう、むしろ心配すべきは……」
光姫「姿を消していた各社の代表たちであるな。で、どうするつもりだ?」
崇「座りっぱなしというのも飽きてきたからな。少しばかり身体を動かしに行こうと思っていたところだ。鈴猫、お前はどうする?」
鈴猫「……私も行くわ。」
光姫「ふむ……正直、止めるべきなんじゃが……。」
崇「アンタはあれだろう。吉音がこのことに気がついて乗りださないように見張っているんだろ。」
光姫「バレておったか。そうなんじゃ、アレはアレで血の気が多いからのぉ。」
すると、音もなく光姫の忍びである銀次が姿を現した。
銀次「お嬢、どうやらエレベーターは押さえられちまったみたいだぜ。」
光姫「そうか。ということらしいが?」
崇「なら、階段でいくか。」
フッと指を下に向けると非常用のプレートが点灯しいる。
時間は少し戻り、ガーディアン達の襲撃が開始された頃、桜花鈴猫は徳河吉音ら一行と観客席の最前列で催しを観覧していた。だが、少し引っかかることがあった。共同代表者である西品治警備保障の社長、西品治明が護衛者の方に連れていかれたのだが何故か自分は外された。
もちろん、不服とか扱いの何やらが気になっているのではない。この広い闘技場の観客席、VIPや各社の代表者は最前列のより良い席に案内されているのだが……見えないのだ。各社のトップは奇抜なファッションや目立った容姿の人間が多い。特に義武不動産の義武社長など紫でラメ入りのスーツを着ているので一度見たら忘れようがない。
なにか引っかかりを感じていると、トントンと肩を叩かれた。驚いて振り返ると其処には【絶対王者(キング)】虎狗琥崇が立っていた。
鈴猫「崇?」
崇「……すこし話がある。ちょっと付き合え」
吉音「あれ、崇さんだ。どうしたの?」
鈴猫の隣で座っていた吉音が反応して声をかけると崇は笑って答えた。
崇「ちょっと用事があってな、コイツを借りてくぞ。」
鈴猫「えっ、ちょっ……ちょっと行ってくるね」
さっさと歩いていってしまう崇の後を慌てて追った。席から離れ、大扉を開けて廊下の角を曲がったあたりで立ち止まった。
崇「……」
背を壁に預けこちらに振り返るが何故か何も言わない。
鈴猫「崇?」
崇「……何か用か?」
視線を今曲がってきた廊下の角へと向けるとそこからひょこっと姿を現したのは水都光姫だ。
光姫「やはり気付かれたか。」
崇「何が起こってるのかわかってるみたいだな」
光姫「うむ、ある筋から情報が届いてな。」
鈴猫「光姫さん、え、なに?どういうこと?」
崇と光姫は鈴猫の方を見た。そして二人の口からとんでもない話を聞かされる。今現在、この闘技ドームをガーディアンという集団に取り囲まれ制圧されかかっていて、それは速水勝正によるクーデターだということ。
鈴猫「そんな……じゃあ、摩耶君とアダムさんが危ない!!」
この状況で一番危険なのは重体の摩耶。そして重体ではないもののケガを負っていて摩耶と一緒に行動しているアダムだ。
崇「そいつらは闘技者だ。問題ないだろう、むしろ心配すべきは……」
光姫「姿を消していた各社の代表たちであるな。で、どうするつもりだ?」
崇「座りっぱなしというのも飽きてきたからな。少しばかり身体を動かしに行こうと思っていたところだ。鈴猫、お前はどうする?」
鈴猫「……私も行くわ。」
光姫「ふむ……正直、止めるべきなんじゃが……。」
崇「アンタはあれだろう。吉音がこのことに気がついて乗りださないように見張っているんだろ。」
光姫「バレておったか。そうなんじゃ、アレはアレで血の気が多いからのぉ。」
すると、音もなく光姫の忍びである銀次が姿を現した。
銀次「お嬢、どうやらエレベーターは押さえられちまったみたいだぜ。」
光姫「そうか。ということらしいが?」
崇「なら、階段でいくか。」
フッと指を下に向けると非常用のプレートが点灯しいる。