ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】

ー絶命闘技会ドーム:第二VIPルームー

確信があった。確実な優位性を持ち制圧するはずだった。なのに……怨敵である片原滅堂を今だ制せずにいる。

なぜ護衛者が揃っている!?囮の侵入者達はまだ残っているはず!??

滅堂「ほっほっほ、ようやく表情が変わったの♪」

速水「…!黙れ。護衛者が揃ったところで、せいぜい500名余り。倍の戦力差はうめられぬわ。」

有利性は変わらないと叫ぶ速水だが最悪の知らせが守護者のひとりから届けられた。

「か、会長!!!正体不明の集団が護衛者と共闘!!!こちらの形勢不利です!!」

速水「……貴様……!」

滅堂「驚くことはあるまい。主と同じ手を使ったまでよ。ワシを支持する会員達の「関係者」として、「荒事が得意な連中」を招いておいたのよ。」

エレベーターホール前、護衛者の一団が雪崩れ込むと同時に仮面をかぶった者や顔に独特の文様の刺青を入れた者たちもガーディアンをなぎ倒していく。それはグルカの一族だ。

若き青年、春男の親友であるヤクが叫び声を上げた。

ヤク「我がグルカ兵!!ネパールより馳せ参じた!!義により、闘技会に加勢するッッッ!!」

怜一「グルカ兵だと?片原会長も人が悪い。俺達以外にも助っ人を呼んだのか。」

ホリス「いいじゃないか。仕事が早く片付く。」

堀尾「グルカだけでは無いようだぞ。」

【金剛鬼】【鬼哭童子】【鬼牛】絵利央に選りすぐられた面子組が軽くガーディアンの一団を再起不能にしていく中、他にも戦闘に参加して居る面々に視線を向けた先には……

ふじしま運送の原田徳次郎

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堀尾「本戦に出場しない闘技者たちも続々と集結している。おそらく、他の場所でも……」

有るフロアの廊下では真っ黒い糸の束と真っ白い糸の束が意思を持ったかのようにガーディアンに絡みつき締め上げていく。

「なっ!!何だコイツら!!」

四つん這いの若者と老人から伸びているのは長い髪の毛だ。その人智を超えた異能ともいえる技は【黒呪の亡霊】のソレ……。

因幡良の祖父、因幡丈左衛門が縛り上げたガーデンを二人纏めて床へと叩きつけていった。

丈左衛門「神妙にせんかいド素人共。」

また、別のフロアの廊下には白い電流が舞った一瞬に四人の白いスーツの男たちが弾け飛んだ。

百目鬼雲山の祖父【魎皇鬼】改め【鬼電】の百目鬼雲仙。

雲仙「孫の……ん゛ん゛っ弟子の晴れ舞台だ邪魔してくれるな。」

雲水「孫に甘いジジイだぜ…。」

【鬼神】百目鬼雲水が手のひらでガーディアンを壁に押しつけ、そのままめり込ませながら呟いた。


春男が何とか意識不明者2人とほぼ一般人の城を逃がすことに成功したが医務室の負傷組の面々は出入り口とは逆の壁際へと追い込まれていた。

ドアが開く音がして増援の白いスーツの男たちが入ってきたのだが、同時に白目をむいて床へと倒れ落ちた。それを跨ぎながら顔に包帯を巻いた男が笑いながら入ってくる。

関林「お前」

凍夜「そういえば、「プロレスの授業料」を払っていなかったですよね。あいにく持ち合わせがなくてね。働いて返すよ。」

トントンっと革靴のつま先を床にぶつけネクタイを解きながら【自在遊戯】結城・クリストファー・凍夜が進撃する。

関林「……しゃあねえなそれで手を打つか!でも殺すなよ?」

因幡「なんだイイ奴じゃん。」
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