ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】

ー絶命闘技会ドーム:第二VIPルームー

魏一族&護衛者連合と守護者たちが真っ向からぶつかり合う。

速水「……」

老いたな、片原。忘れたか?ドームに残された護衛者はおよそ250名。対する私の守護者は1000名。闘技者の助力を得たところで、番かい不可能な戦力差。護衛者を分断された時点で、勝負は決まっていたのだ!!

魏一族の増援はあったがここでも数では守護者たちが勝っており前線が崩れ始めた。

「負傷者は交代!陣形を崩すな!」

「コイツら強いぞ油断するな。」

「「外し」がキツイ奴は一旦解除!体力を温存しろ!」

滅堂「あれま!ちと分が悪いかの~」

絵利央「……」

「爆破装置は速水が持っているはず、奴を捕えるぞ!」

「「「応ッッ!!」」」

闘技ドーム周辺では魔人が守護者たちを文字通り蹂躙していた。

「アァアァァッ!!」

悲鳴を上げながら雷庵に投げられたガーディアンの頭が叩きつけられたトマトのように破裂した。既に周りには何人もの人間だったものが転がり落ちている。

雷庵「クカカ!技なんか覚えたっきり使ってなかったからよォ、すっかりなまってやがる。」

「か、囲め!」
「一気にやるぞ!」
「うおぉぉっ!」

武器を持っていても一対一ではどうにもならないとガーディアン達は一斉に跳びかかる。

雷庵「それとテメェ等!!邪魔したら殺すッッッ!!」

襲いかかってきた男たちを左右の腕で一人ずつ、そして足で二人ほど殴り、蹴り飛ばし雷庵はあらぬ方向に叫んだ。

ドームより離れ森の中に潜む二つの影。烏哭禅の暗殺指令を受けていた【魔弾の射手】魏風水と【狩鬼】魏変造だ。

風水「……だってさ。兄貴ならホントに全員倒しちゃうかもね~」

変造「ってか、なんでこの距離で気付くんだよ…」

その刹那、風を切る音とともに雷庵の肩に何かが突き立ち、即座に刺さったものが肉を裂いて引き上げていく。

風水「!!」
変造「!!」

雷庵「あァん?」

出血してるにもかかわらず魔人は蟀谷に青筋を浮かべて振り返った。そこには血の滴る鎖鎌を持った男と薙刀を持った男が他のガーディアンよりも前へと踏み出ていた。

「…あれ?堅えなコイツ刃が食い込まねえ。」

「怪我人相手に何してんだお前ら?」

「うん…遠心力が足りねぇか?遠心力……」

【守護者ランキング3位】師岡

「俺達が始末する。お前らは囲んでろ。」

【守護者ランキング5位】茂呂

変造「出てきたな。「ランカー」だ。守護者同士を競い合わせ、ランキング上位の者を手厚く優遇する。短期間で護衛者に拮抗する集団を作り上げるにはもってこいのアメだぜ。」

鎖鎌使いらしき師岡はブツブツと言いながら鎌と分銅を高速で振り回し始める。

師岡「遠心力…遠心力…次こそ真っ二つだぜ魏一族。」

雷庵「殺す。」

魔人は笑い、【外し】を使う……。
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