ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】

ー絶命闘技会ドーム:医務室ー

【解剖魔】の英はじめが両掌の中から骨刀を伸ばし襲撃者を切り裂いた。

英「まったく……面倒なことになったよ。片原会長に頼んで、医務室を増設してもらわないとね。」

ベッドや機材はひっくり返ったり壁側に転がされたりと辺りに散らし、少しでも闘いやすくスペースを作ったものの自分たちの数十倍はいる守護者たちに取り囲まれている。

【測定不能】室淵剛三、【獄天使】関林ジュン、【暗黒鳥】沢田慶三郎の三人が準に口を開く。

室淵「無礼な連中だよ……こっちは怪我人だというの、」

関林「まったくだぜ。」

慶三郎「アンタ達、軽口は後になさい!英先生が倒したやつでようやく三人目。こいつら油断できないわよ!」

その三人の背後をカバーするように陣取る【黒呪の亡霊】因幡良と【破壊者】河野春男がいった。

因幡「数は断然あっちが多い、おまけにこっちは意識不明が二人。ちょっとハンディがキツ過ぎだでよ~」

春男「何人いるんだコイツら……!」

そう、円陣でガーディアンを対処している闘技者たちの中心には未だ目覚めない【滅殺する牧師】茂吉・ロビンソンと【阿修羅】小鳥遊悠が横たわっている。

室淵「吉沢君たちが席を外していたのは不幸中の幸いだったね。」

因幡「先生よ~どうにかならない?」

英「「上」から禁止されているウィルスを使えば。島内の人間は全員死ぬけど。」

春男「つまり、絶体絶命ってことですね…それは絶対使わないでくださいよ!なんとか城ちゃんだけでも逃がせたら……!」

意識はあるがこの中ではほぼほぼ一般人レベルの城厘は春男が片腕に抱えて守っている。

城「あ、お気遣いなく…」

じょ……状況が全くわからない…なんなのこれは……。

守護者のひとりがトランシーバーのようなものに呟いた。

「チッ。こちらG班。増援を頼む。」

城「……(ジイハン…?)」

「G班」っていったの?こ…こいつら……どれだけいるの…!?

立見席で駄弁っていた氷川&大久保の前にも、紅&氷室の前にも、鬼王山の前にも、桐生の前にも至る所でガーディアン達の襲撃が本格的に開始される中、第二VIPルームでは……。

速水「認めろ片原。貴様の時代は終わった。」

その会話を割るように夜明けの村の鎧塚実光が叫んだ。

実光「かッッッ勝ちゃん!!!もうやめるんじゃ勝ちゃん!!!思いだせ!!あの頃の自分を!!同市として理想を追い求めた日々をッ!!のう!?勝ちゃんよォッッ!!」

闘技会の最古参は滅堂、絵利央、速水、実光の四人である。切磋琢磨し灼熱の時代を過ごした来た者たち……。

速水は軽く首を振っていった。

速水「阿呆か貴様。生涯、温い思い出と戯れておれ。」

実光「~~ッ……!!勝ちゃん…!」

泣きそうな震え声を漏らす実光。

絵利央「…おい滅堂、わかっておろうな?」

滅堂「……口調が昔に戻っとるぞい。」

絵利央「他ならぬお前がこの事態を招いたんじゃ。あの時、止めを刺しておれば……」

速水勝正が初めて反旗を翻した……あの時に……
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