ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】

ー絶命闘技会ドーム:第二VIPルームー

守護者の集団に取り囲まれるが、滅堂が連れていた護衛者たちも円陣を作り各要人の前に立つ。その中で刹那に襲撃され腕や首に包帯を巻いている淀江が前に出た。

淀江「これはなんの真似ですか?速水会長。返答には気をつけた方がいいかと。」

速水「……」

返答はない。淀江は腕を振ると包帯を巻いている右腕かギャンと刃物が飛び出した。それに続いて別の護衛者二人も武器をとりだし淀江の後に続く。

淀江「……この程度の人数、我等三人で十分。他の者は、御前とゲストの皆さま警護を……あ゛れ?」

突如、淀江の顔面が歪む一拍おいて旋風が駆け抜け淀江に続いた護衛者の顔面が腫れあがり三人とも倒れ落ちた。

義武「あ、アンタ……」

旋風が止まる。そこには闘技会開催直前に淀江により船から蹴り落とされた【アラブの旋風】ハサドが居た。

ハサド「借りは返したぞ。」

大屋「【アラブの旋風】ハサド!奴も東洋電力についたか!」

禍谷「もう一人、厄介そうな奴がおる。」

つねに速水の側近としてたっていたスカーフェイスでグラサンを掛けた男。鬼頭軍司が日本刀を携えて陣取っている。

速水はニヤリと笑って右手を上げると、守護者のひとりがノートパソコンを開けて滅堂たちへと向けた。

モニターがパッとつくと其処には網代水産社長の網代光臨丸、栃木ディスティニーランド社長
の夢野国博、海一証券の社長の野村公平、白夜新聞社長の赤野鉄砂希が縄で縛られ正座させられており、その背後にはズタ袋を頭にかぶったでっぷりとした男がナイフを突きつけている。

速水「裏切り者も無能も、私は許さない。」

滅堂「……ほほう。そこの二人、もうすこしポイントを稼がにゃ、主らもああなるぞい?」

滅堂の視線は集まってから終始無言だったボスバーガー社長のロナルド原口とNEXTENDO社長の河野秋男に向けられている。

橋田「こ、河野さんアンタまさか…!」

速水「フフフ…そうだ。その二人に内部の様子を報告させていたのだ。さて。諸君はどちらかな?」

「「「!?」」」

速水「この四人と同じく処分を待つ身となるか。私の軍門に下り、「新たな闘技会」を創り上げるか。」

義武「!!(ちょっちょっと待ってよ!もしかしなくてもこれ……クーデターじゃない!!?)」

速水「滅堂、貴様に要求する。即刻、中止を宣言し、会長職を辞任するのだ。」

滅堂「……嫌じゃといったら?」

速水がパソコンを持つガーディアンに視線を向けるとモニターに別の物が映し出された。それは闘技ドームの見取り図だが、部分部分に赤い光が点滅している。

速水「その時は、闘技ドームを爆破する。闘技会員、各国の要人諸共な。」

つまり、赤く点滅して居る部分には爆弾が仕掛けられているということとなる。
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