ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】

ー絶命闘技会ドーム:第二VIPルームー

闘技ドームの作りは地下三階からなり中央に闘技場を配した全十三もの階層で創られた超巨大ドームである。最上階の「滅」であるVIPルームは【滅堂の牙】アギトの控室として使われており、対面側である対面側の第二VIPルームには各グループの代表が集まっていた。

エレベーター自動ドアが開くとまたひとり、義武不動産社長の義武啓朗が中へと入ってきた集まっている顔ぶれを見ると軽口を叩く。。

義武「あらあら。負け犬が大集合ね。」

皇桜学園グループ理事長の奏流院紫苑が返し刀でいった。

紫苑「テメーもだろオカマ野郎。」

義武「うるさいわねオカマは関係ないでしょ!」

オカマであること自体には否定が無いらしい。紫苑は煙草に火をつけながら言った。

紫苑「それで?何が始まるってんだ?」

ユナイテッドクロージング社長の柳真と禍谷円社長の禍谷重蔵が口を開く。

真「僕は何も聞いてないよ。」

重蔵「敗社復活戦の説明会か?」

その発言に異を唱えたのはムジテレビの会長の熱海久だ。

熱海「いや。それなら三回戦に進んだ西品治君は呼ばれないでしょう。」

セントリー会長の橋田敬が西品治警備保障の西品治明に聞いた。

橋田「西品治さんアンタ、何が始まるか聞いてますか?」

西品治「いえ…僕は片原会長の使者に呼び出されただけで…」

その返答に八頭貿易社長の飯田正と義伊書店会長の大屋健が同調した。

飯田「私もそうだ。」

大屋「ウチも。」

その声にガンダイ会長の鹿野玄が言った。

鹿野「なるほど、誰も状況を把握していないわけか。」

UM社、社長(影武者)の太田正彦が見まわしていった。

太田「これで全員……じゃないですよね?」

夜明けの村、村長の鎧塚実光がいった。

実光「敗社のうち、来ておらんのは八社か。」

ここに集まっている残りの各社はボスバーガー(ロナルド原口)、NEXTENDO(河野秋男)、帝都大学(太宰由紀夫)、マーダーミュージック(戸川好子)、ペナソニック(瓜田数寄造)である。

そうしているとエレベーターの扉が開き会長の片原滅堂そしてラルマー13世と魏絵利央を三人に護衛者である黒服たちを引き連れて現れた。

義武「ちょっと!遅かったじゃないの会長。あらッ!?イイ男♪」

滅堂「んー?なんじゃい義武ちゃん?どうしたんじゃ皆の衆?なんぞ催しでも始まるんかの?」

義武「え?」

真「え?どういうこと?」

橋田「我々は片原会長の使いに呼ばれて…」

好子「でも会長、知らないって……」

何かしら、決定的な歪が生じたことをいち早く察した禍谷と太宰が叫んだ。

太宰「嵌められたッ!!!!」

禍谷「すぐにここを離れるぞ!!」

義武「な、何!!?どうしたのよアンタ達!?」

二人がエレベーターに走り向かうがポンッと到着音が同時に鳴り四つ角扉全てが開いた。すると中から武装した白スーツの集団が次々と雪崩れ込み各代表者たちを取り囲んだ。

そして、最後に一人の男が登場した。

義武「は……は……速水ッッッ!!!」

顔の半分が痛々しい火傷痕で覆われた初老の男、東洋電力の会長である速水勝正だ。
55/100ページ
スキ