ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
声援ではない、それは信仰。絶対的な強さに対する信仰。強さという極地に達する人を超えた存在、【滅堂の牙】加納アギト。
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙っ……」」」
万来のコールが不意に止まった。
鞘香「……(え?「牙」コールが止んだ?)」
絶対的な武の化身のコールが止んだその理由は……対戦相手が登場したことだった。
並の相手では牙コールが止むことはない、ないのだが……登場してきた男。闘いの神とかいて【闘神】右京山寅から放たれる闘気…。
殺意とも言い換えてよいほどの漆黒の闘気を纏いゆっくりとしかし一切、対戦相手である加納アギトから目を反らさずに近づいていく。
アギト「……鞘香、下がりなさい。「俺」はもう待ちたくない。」
鞘香「!!!(「俺」!?アギトさんもうスイッチが入ってる!!!)」
アギト「楽しもう。右京山寅。」
寅「愉悦に興じるつもりはねぇ。俺は俺の望みの為に、テメェを倒すだけだ。」
一度顔を突き合わすと互いに背を向け仕合開始位置に移動する。
加納アギトの主であり闘技会会長の片原滅堂と右京山寅の真の雇い主にしてタイ政財界の黒幕ラルマー13世が大きな和室作りの部屋で茶をすすっている。
滅堂「プハーッしゃあて!いよいよ始まりますのう♪どっちが勝っても恨みっこなしですぞい!」
ラルマー「承知しておる。」
滅堂「……時にラルマー殿。この勝負、「個人的な賭け」をしてみんかの?「額」は、お主が決めてくださればよいので。」
ラルマー「……これは驚いた。「麒麟も老いては駑馬に劣る」。【極東の風雲児】と呼ばれた片原滅堂も、寄る年波には勝てぬか。」
ラルマーの言葉に、部屋の中にいる護衛者の黒服たちがギロッと睨みつけるが滅堂はひらひらと手を振った。
滅堂「そうなんじゃよ!最近は腰痛がひどくての~♪……じゃが、「洟垂れ」の遊び相手くらいはまだまだやれるぞい?」
ラルマー「……喰えぬジジイよ。だが悪くない。勝負に乗るとしよう。」
滅堂「わおっ!さっすがラルマー殿じゃ!」
ラルマー「では早速額面を決めよう。そこの護衛者。余の口座に繋げよ。」
「ハッ。」
護衛者のひとりが指示されたとおりにオンラインバンクにつなげたノートパソコンを二人の間に差し出した。
ラルマー「…………ふむ。こんなものでどうかな?」
滅堂「OH!べりぃぐっど!!」
「!!!」
軽くキーボードを操作して決定された額に護衛者は思わず息を飲んだ。
コイツ、なんて額を賭けるんだ!?頭がおかしいのか!!?相手は【滅堂の牙】なんだぞ!?なぜそこまで強気に出られる!!?コイツにとっては、この程度はした金ってことか?
…………あるいは…絶対に勝つという…確信があるのか?
声援ではない、それは信仰。絶対的な強さに対する信仰。強さという極地に達する人を超えた存在、【滅堂の牙】加納アギト。
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!牙(きーば)!」」」
「「「牙っ……」」」
万来のコールが不意に止まった。
鞘香「……(え?「牙」コールが止んだ?)」
絶対的な武の化身のコールが止んだその理由は……対戦相手が登場したことだった。
並の相手では牙コールが止むことはない、ないのだが……登場してきた男。闘いの神とかいて【闘神】右京山寅から放たれる闘気…。
殺意とも言い換えてよいほどの漆黒の闘気を纏いゆっくりとしかし一切、対戦相手である加納アギトから目を反らさずに近づいていく。
アギト「……鞘香、下がりなさい。「俺」はもう待ちたくない。」
鞘香「!!!(「俺」!?アギトさんもうスイッチが入ってる!!!)」
アギト「楽しもう。右京山寅。」
寅「愉悦に興じるつもりはねぇ。俺は俺の望みの為に、テメェを倒すだけだ。」
一度顔を突き合わすと互いに背を向け仕合開始位置に移動する。
加納アギトの主であり闘技会会長の片原滅堂と右京山寅の真の雇い主にしてタイ政財界の黒幕ラルマー13世が大きな和室作りの部屋で茶をすすっている。
滅堂「プハーッしゃあて!いよいよ始まりますのう♪どっちが勝っても恨みっこなしですぞい!」
ラルマー「承知しておる。」
滅堂「……時にラルマー殿。この勝負、「個人的な賭け」をしてみんかの?「額」は、お主が決めてくださればよいので。」
ラルマー「……これは驚いた。「麒麟も老いては駑馬に劣る」。【極東の風雲児】と呼ばれた片原滅堂も、寄る年波には勝てぬか。」
ラルマーの言葉に、部屋の中にいる護衛者の黒服たちがギロッと睨みつけるが滅堂はひらひらと手を振った。
滅堂「そうなんじゃよ!最近は腰痛がひどくての~♪……じゃが、「洟垂れ」の遊び相手くらいはまだまだやれるぞい?」
ラルマー「……喰えぬジジイよ。だが悪くない。勝負に乗るとしよう。」
滅堂「わおっ!さっすがラルマー殿じゃ!」
ラルマー「では早速額面を決めよう。そこの護衛者。余の口座に繋げよ。」
「ハッ。」
護衛者のひとりが指示されたとおりにオンラインバンクにつなげたノートパソコンを二人の間に差し出した。
ラルマー「…………ふむ。こんなものでどうかな?」
滅堂「OH!べりぃぐっど!!」
「!!!」
軽くキーボードを操作して決定された額に護衛者は思わず息を飲んだ。
コイツ、なんて額を賭けるんだ!?頭がおかしいのか!!?相手は【滅堂の牙】なんだぞ!?なぜそこまで強気に出られる!!?コイツにとっては、この程度はした金ってことか?
…………あるいは…絶対に勝つという…確信があるのか?