ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
坂東が腕を振るい続けると、そのたびに闘技場の床の何処かが爆裂する。否、どこかではない、初見泉が「居た」場所だ。爆裂が起こる寸前に細かく素早く全力ノンストップで初見は動き逃げ回り続けている。
坂東「……うん。うん…。」
鞘香『謎の「爆発」は続く!!!』
控室で目元に巻いている包帯を新しいものに変えられながらモニターに映る仕合に【自在遊戯】の凍夜はぽつりと声を漏らした。
凍夜「初見は好機を逃したね。」
さっきの目突き。あの時、視力を奪っていれば……「あの腕」は、高度な精密動作を必要とするはず。片目を潰し距離感を奪えば、無効化することができた。
逃したチャンスはデカかったね。
全力で動き続ける初見は汗だくになっているが初撃に目つぶしを受けたとはいえ充血する程度のダメージしかなく、それ以外は腕しか振り回していない坂東はまだまだ余裕が見える。
坂東「……」
知っていたよ初見君。
仕合序盤の一件無駄な動き。あれは、私の腕の間合いを測っていたのだろう。
発汗、呼吸の乱れ。いくら動き回っているとはいえ、仕合序盤であそこまで体力を消費するのは不自然。精神性の疲労。……君は怯えていたんだな。
一つ間違えば確実に死が訪れる。文字通りの「死地」に君は飛びこんでいたんだ。
初見「フゥッ……フゥッ……!」
坂東「素晴らしい。恐怖を乗り越えてよく闘っている。初見君君は凄いな。」
相変わらず両腕以外は不動のまま坂東はそう初見に声をかけた。
初見「……」
腕のパターンはわずか4種類。上からか…横からか…左右か。「起こり」を見逃すな。
ビリビリとした死の旋風が目先で暴れまわっている。その時、技の起こり(殺意が)向いた。
左横薙ぎ!
っと、初見が反応した瞬間、頭上からの一撃が炸裂する。
兜馬「!!」
紫苑「泉ッッッ!?」
鞘香『!!!?どうした!?初見選手が前のめりに崩れる!!?』
頭を潰され上半身がへし折れた……と思いきや、そのまま一回転して猫足に立ち戻った。
初見「フーーッフーーーッ!!動きを見切ったのは自分だけと思ったかい?」
あぶッねえ……!直前に軌道を切り替えてきやがった!
直撃は逃れたものの額からたらりと赤い液体がつたい落ちる。
坂東「……無茶をする。攻撃を受ける瞬間、極限まで脱力し、ダメージを受け流したね。…危ないことを。少しでもタイミングがずれてたら死んでいたよ。まぁ……次で死んでもらうつもりだけど。」
初見「……スーー…バ~カ。タネの割れた技なんざ二流にしか通用しねえよ。悪いが、俺は超一流なもんでね。終わるのは坂東……お前さんだよ。」
坂東「え?「終わるのはお前」?……一応確認するけど、冗談ではないよね?」
初見「あいにく俺はいつも本気(マジ)でね。お前、最初から終わってんだよ。相手が俺に、なった時からな。」
そう言って、前へと踏みこんでいく初見にメヂメヂと歪な音を立てながら坂東の右腕が振り上がった。
坂東「…強気だね。」
振り降ろされる、と思った左ではなく左の横薙ぎが放たれた。
金剛「(左!?)」
関林「(右はフェイントかよ!!)」
レーザービームのような薙ぎ一閃を身を屈めて避け、立て直しながら立ちあがろうとするも、既に坂東は次の一手に出ていた。
坂東「まるで「断頭台」だね。」
右がフェイントと思わせ、左は囮で本命はやはり右、振り上げていた右腕が初見目掛け振り落とされた。
坂東が腕を振るい続けると、そのたびに闘技場の床の何処かが爆裂する。否、どこかではない、初見泉が「居た」場所だ。爆裂が起こる寸前に細かく素早く全力ノンストップで初見は動き逃げ回り続けている。
坂東「……うん。うん…。」
鞘香『謎の「爆発」は続く!!!』
控室で目元に巻いている包帯を新しいものに変えられながらモニターに映る仕合に【自在遊戯】の凍夜はぽつりと声を漏らした。
凍夜「初見は好機を逃したね。」
さっきの目突き。あの時、視力を奪っていれば……「あの腕」は、高度な精密動作を必要とするはず。片目を潰し距離感を奪えば、無効化することができた。
逃したチャンスはデカかったね。
全力で動き続ける初見は汗だくになっているが初撃に目つぶしを受けたとはいえ充血する程度のダメージしかなく、それ以外は腕しか振り回していない坂東はまだまだ余裕が見える。
坂東「……」
知っていたよ初見君。
仕合序盤の一件無駄な動き。あれは、私の腕の間合いを測っていたのだろう。
発汗、呼吸の乱れ。いくら動き回っているとはいえ、仕合序盤であそこまで体力を消費するのは不自然。精神性の疲労。……君は怯えていたんだな。
一つ間違えば確実に死が訪れる。文字通りの「死地」に君は飛びこんでいたんだ。
初見「フゥッ……フゥッ……!」
坂東「素晴らしい。恐怖を乗り越えてよく闘っている。初見君君は凄いな。」
相変わらず両腕以外は不動のまま坂東はそう初見に声をかけた。
初見「……」
腕のパターンはわずか4種類。上からか…横からか…左右か。「起こり」を見逃すな。
ビリビリとした死の旋風が目先で暴れまわっている。その時、技の起こり(殺意が)向いた。
左横薙ぎ!
っと、初見が反応した瞬間、頭上からの一撃が炸裂する。
兜馬「!!」
紫苑「泉ッッッ!?」
鞘香『!!!?どうした!?初見選手が前のめりに崩れる!!?』
頭を潰され上半身がへし折れた……と思いきや、そのまま一回転して猫足に立ち戻った。
初見「フーーッフーーーッ!!動きを見切ったのは自分だけと思ったかい?」
あぶッねえ……!直前に軌道を切り替えてきやがった!
直撃は逃れたものの額からたらりと赤い液体がつたい落ちる。
坂東「……無茶をする。攻撃を受ける瞬間、極限まで脱力し、ダメージを受け流したね。…危ないことを。少しでもタイミングがずれてたら死んでいたよ。まぁ……次で死んでもらうつもりだけど。」
初見「……スーー…バ~カ。タネの割れた技なんざ二流にしか通用しねえよ。悪いが、俺は超一流なもんでね。終わるのは坂東……お前さんだよ。」
坂東「え?「終わるのはお前」?……一応確認するけど、冗談ではないよね?」
初見「あいにく俺はいつも本気(マジ)でね。お前、最初から終わってんだよ。相手が俺に、なった時からな。」
そう言って、前へと踏みこんでいく初見にメヂメヂと歪な音を立てながら坂東の右腕が振り上がった。
坂東「…強気だね。」
振り降ろされる、と思った左ではなく左の横薙ぎが放たれた。
金剛「(左!?)」
関林「(右はフェイントかよ!!)」
レーザービームのような薙ぎ一閃を身を屈めて避け、立て直しながら立ちあがろうとするも、既に坂東は次の一手に出ていた。
坂東「まるで「断頭台」だね。」
右がフェイントと思わせ、左は囮で本命はやはり右、振り上げていた右腕が初見目掛け振り落とされた。