ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
登場した坂東がパキパキと手を曲げて鳴らした。常人なら確実にへし折れている角度だが超軟体質の坂東の手は元の通りに戻る。
坂東「やれやれ。どうも仕合というものは慣れないな。」
初見「同感だね。お互い面倒なことになったもんだな。」
……話が違うぜ。坂東は死んだはずだろ?色々と予想した中でもかなり面倒な方の事態だぜ。坂東は、俺にとって「最悪の相手」だ。
レフリーのチーター服部が二人の間に立って叫びをあげる。
チーター服部「準備はいいかッ!!?」
廊下ではモニターに映る坂東をひと睨みし青筋を浮かべた太宰由紀夫が今にも切りかからん勢いで叫ぶ。
太宰「……貴様が坂東の治療に手を貸したことは知っている。答えろ柏。なぜ、坂東を治療した?返答次第ではただでは済まさぬぞ!」
柏「俺は製薬会社の人間だ。助けを求める者は誰であろうと救う。それだけだ。」
太宰「安いヒユマニズムを語るなッ!!そんなもので貴様が動くわけがなかろう!!奴を生かしたことでより多くの犠牲者が生まれるかもしれんのだ。」
柏「それは無いだろう。坂東が島で殺人行為を行ったら、雇用主である十王通信の沽券に関わる。あの高田社長がなんの対策も考えていないなんてありえない。」
太宰「……闘技者はどうなる?坂東は格闘家ではない。殺すことでしか勝てぬ男だ。」
柏「その点も心配無用だ。相手はあの初見泉だ。」
医務室では特大のベッドの角度を上げて横になっている【獄天使】の関林ジュンに弟子の【破壊者】河野春男が心配そうに声をかけた。
春男「もう!仕合が終わったら休んでくださいよ?」
関林「休むだァ?馬鹿野郎。せっかく鼓膜が治ったんだ。大人しく寝てられるかよ!」
【解剖魔】の英はじめがいった。
英「ふふふ。心配いらないよ。彼は頑丈だから。」
関林「おうよッッ!!レスラーは頑丈なんでえッ!!!」
春男「師匠は頑丈すぎますよ…」
英「さて、関林君。君の友人は、少々不利な立場にあるようだ。格闘経験こそないものの、持ち前の怪力によるゴリ押しと超軟体体質によるダメージ拡散。身体能力では大きく水をあけられているねえ。」
関林「……一度だけ、初見とガチで闘り合ったことがある。随分前の話だ。」
英「ふむ?」
関林「喧嘩だよ喧嘩。原因も覚えてねえくらいしょーもない喧嘩だ。」
喧嘩が始まって2分か……3分くらいか。初見の奴が体勢一瞬を崩した。俺はここぞとばかりに追撃した。
はずだったが、俺はその場で一回転してた。
……初めてだったぜ。自分より小さい奴にあそこまで綺麗に転がされたのも。俺が「演技」を見破れなかったのも。
「「……」」
関林「腕力だの軟体体質だのは問題じゃねえ。合気道なんてのは、初見の本の一面でしかねえ。」
ノリにノッてる時のアイツは、何をしでかすか予想もできねえよ。
登場した坂東がパキパキと手を曲げて鳴らした。常人なら確実にへし折れている角度だが超軟体質の坂東の手は元の通りに戻る。
坂東「やれやれ。どうも仕合というものは慣れないな。」
初見「同感だね。お互い面倒なことになったもんだな。」
……話が違うぜ。坂東は死んだはずだろ?色々と予想した中でもかなり面倒な方の事態だぜ。坂東は、俺にとって「最悪の相手」だ。
レフリーのチーター服部が二人の間に立って叫びをあげる。
チーター服部「準備はいいかッ!!?」
廊下ではモニターに映る坂東をひと睨みし青筋を浮かべた太宰由紀夫が今にも切りかからん勢いで叫ぶ。
太宰「……貴様が坂東の治療に手を貸したことは知っている。答えろ柏。なぜ、坂東を治療した?返答次第ではただでは済まさぬぞ!」
柏「俺は製薬会社の人間だ。助けを求める者は誰であろうと救う。それだけだ。」
太宰「安いヒユマニズムを語るなッ!!そんなもので貴様が動くわけがなかろう!!奴を生かしたことでより多くの犠牲者が生まれるかもしれんのだ。」
柏「それは無いだろう。坂東が島で殺人行為を行ったら、雇用主である十王通信の沽券に関わる。あの高田社長がなんの対策も考えていないなんてありえない。」
太宰「……闘技者はどうなる?坂東は格闘家ではない。殺すことでしか勝てぬ男だ。」
柏「その点も心配無用だ。相手はあの初見泉だ。」
医務室では特大のベッドの角度を上げて横になっている【獄天使】の関林ジュンに弟子の【破壊者】河野春男が心配そうに声をかけた。
春男「もう!仕合が終わったら休んでくださいよ?」
関林「休むだァ?馬鹿野郎。せっかく鼓膜が治ったんだ。大人しく寝てられるかよ!」
【解剖魔】の英はじめがいった。
英「ふふふ。心配いらないよ。彼は頑丈だから。」
関林「おうよッッ!!レスラーは頑丈なんでえッ!!!」
春男「師匠は頑丈すぎますよ…」
英「さて、関林君。君の友人は、少々不利な立場にあるようだ。格闘経験こそないものの、持ち前の怪力によるゴリ押しと超軟体体質によるダメージ拡散。身体能力では大きく水をあけられているねえ。」
関林「……一度だけ、初見とガチで闘り合ったことがある。随分前の話だ。」
英「ふむ?」
関林「喧嘩だよ喧嘩。原因も覚えてねえくらいしょーもない喧嘩だ。」
喧嘩が始まって2分か……3分くらいか。初見の奴が体勢一瞬を崩した。俺はここぞとばかりに追撃した。
はずだったが、俺はその場で一回転してた。
……初めてだったぜ。自分より小さい奴にあそこまで綺麗に転がされたのも。俺が「演技」を見破れなかったのも。
「「……」」
関林「腕力だの軟体体質だのは問題じゃねえ。合気道なんてのは、初見の本の一面でしかねえ。」
ノリにノッてる時のアイツは、何をしでかすか予想もできねえよ。