ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー闘技会:小鳥遊製薬簡易控室ー
仕合の治療を完全に終え顔の半分を包帯で覆っている金剛の前に小鳥遊グループの闘技者【浮雲】の初見泉が背を向けて立っている。
初見「昔……ある武術の大先生が言ったんだとさ。」
【真の護身とは、殺しに来た相手と友になることである。】
金剛「……」
初見「「争いを発生させない」それが「武の境地」なんだとさ。俺、全ッッッ然納得できねぇんだわ。」
金剛「あくまで心構えのことだろう?」
柏「そういった境地を目指して鍛錬に励めってこった。」
初見「おいおい金剛~柏~、優等生みたいなこと言うなよ~。だいたい、達人なんて呼ばれる連中はよ。を吸い時にさんざん無茶苦茶してきた連中ばっかりじゃねぇか。そんな連中がジジイになった途端、、揃いも揃って聖人君子みてえなことを言いだすんだぜ。たまんねえよ。勝ちたいから闘うんだろ?俺もお前らもよ。んじゃ行くわー」
言いたいことを言うと気楽な感じに出ていく初見を見送ると柏が静かに口を開いた。
柏「初見泉…アイツほどムラのある闘技者を俺は知らん。実力は闘技者の中でも抜きん出ているが、好不調の波があまりに極端。コンディションの悪いときは、格下相手に苦戦することも珍しくねぇ。だが……」
絶好調のアイツは、かつて俺を寄せ付けなかった。
金剛「…マジか。」
柏「俺に土をつけた数少ない男、それが【浮雲】の初見泉だ。」
初見は、短いスパンで仕合を繰り返し、調子を上げていく傾向がある。一回戦では今ひとつ動きに精彩をかけていたが……二回戦目。どこまで上がっているか……試させてもらうぜ。
池袋にある禅が拠点としているファミレスは魏一族の襲撃により半壊していた。当然、そのままというわけにもいかず禅は修繕……立て直し工事の依頼や当面の間ファミレスの店長やバイト達への指示を伝え終えると自分を護衛してくれた弩躬たちの元へと移動した。
禅「おま……たせ……し……ました。」
弩躬「いいさ、こっちも仕事だ。」
灯「ええ、それにしてもスゴイですね。即日工事が開始されるなんて。」
銀次「それより、俺はこれから島に戻るが、アンタらはどうするんだ?」
禅「……」
【もちろん、俺も島にいきますよ。皆さんも行きましょう。もうすぐ……ほら、きましたよ。】
喋るのがつかれたのかパソコンの人工音声がそう伝えるとドドドドッという音が上空から聞こえてきた。見上げると双プロペラの航空機が近づいてきている。
銀次「八ッハッハー!コイツはいい!船を準備する手間が省けたぜ!」
弩躬「マジかよ。ヘリまでチャーターできるのかアンタ。」
灯「このタイプの物に乗るのは初めてです。」
禅「……」
【さぁ、行きましょう。これで飛ばせば第二戦八仕合には間に合うと思いますよ。】
仕合の治療を完全に終え顔の半分を包帯で覆っている金剛の前に小鳥遊グループの闘技者【浮雲】の初見泉が背を向けて立っている。
初見「昔……ある武術の大先生が言ったんだとさ。」
【真の護身とは、殺しに来た相手と友になることである。】
金剛「……」
初見「「争いを発生させない」それが「武の境地」なんだとさ。俺、全ッッッ然納得できねぇんだわ。」
金剛「あくまで心構えのことだろう?」
柏「そういった境地を目指して鍛錬に励めってこった。」
初見「おいおい金剛~柏~、優等生みたいなこと言うなよ~。だいたい、達人なんて呼ばれる連中はよ。を吸い時にさんざん無茶苦茶してきた連中ばっかりじゃねぇか。そんな連中がジジイになった途端、、揃いも揃って聖人君子みてえなことを言いだすんだぜ。たまんねえよ。勝ちたいから闘うんだろ?俺もお前らもよ。んじゃ行くわー」
言いたいことを言うと気楽な感じに出ていく初見を見送ると柏が静かに口を開いた。
柏「初見泉…アイツほどムラのある闘技者を俺は知らん。実力は闘技者の中でも抜きん出ているが、好不調の波があまりに極端。コンディションの悪いときは、格下相手に苦戦することも珍しくねぇ。だが……」
絶好調のアイツは、かつて俺を寄せ付けなかった。
金剛「…マジか。」
柏「俺に土をつけた数少ない男、それが【浮雲】の初見泉だ。」
初見は、短いスパンで仕合を繰り返し、調子を上げていく傾向がある。一回戦では今ひとつ動きに精彩をかけていたが……二回戦目。どこまで上がっているか……試させてもらうぜ。
池袋にある禅が拠点としているファミレスは魏一族の襲撃により半壊していた。当然、そのままというわけにもいかず禅は修繕……立て直し工事の依頼や当面の間ファミレスの店長やバイト達への指示を伝え終えると自分を護衛してくれた弩躬たちの元へと移動した。
禅「おま……たせ……し……ました。」
弩躬「いいさ、こっちも仕事だ。」
灯「ええ、それにしてもスゴイですね。即日工事が開始されるなんて。」
銀次「それより、俺はこれから島に戻るが、アンタらはどうするんだ?」
禅「……」
【もちろん、俺も島にいきますよ。皆さんも行きましょう。もうすぐ……ほら、きましたよ。】
喋るのがつかれたのかパソコンの人工音声がそう伝えるとドドドドッという音が上空から聞こえてきた。見上げると双プロペラの航空機が近づいてきている。
銀次「八ッハッハー!コイツはいい!船を準備する手間が省けたぜ!」
弩躬「マジかよ。ヘリまでチャーターできるのかアンタ。」
灯「このタイプの物に乗るのは初めてです。」
禅「……」
【さぁ、行きましょう。これで飛ばせば第二戦八仕合には間に合うと思いますよ。】