ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

光姫「ふむ、茶の渋さがまたこの茶菓子によく合うのう。これは確か……」

由佳里「日本橋を渡った向こうの和菓子店の物ですね。ミトラン最新版の39ページ掲載です!」

光姫「ほうほう、そうじゃったのう」

悠「さすがに手作りばかりじゃ足りませんでね。店で試食させてもらったときに、結構甘味が残るので、お茶のほうは渋めにしてみたんですけど」

光姫「うむ、とてもいい塩梅じゃ。ここでしか飲めない茶じゃのう」

悠「そんな、特別な茶葉は使ってませんよ」

光姫「客への心遣いが茶の味を引き立てている。だから悠の茶は美味いんじゃよ。茶はもてなしの心だからの、それが自然とできておる。いろんな店をまわったが、ここまでの茶はそうそうない」

悠「お褒めにあずかり光栄です……」

光姫「かっかっか、そう硬くなるな。ひとりの客として、相手してくれればよい」

由佳里「もぎゅもぎゅ♪」

由佳里も満面の笑みでみたらしとお茶を交互に味わっている。

悠「……(吉音もだが、ゆかりんもいったい食った分は何処に詰まってるんだろやっぱり胸か?)」

由佳里「いやぁ、悠さんの淹れるお茶はどんなお茶請けも1ランク上の味わいにしちゃう、魔法のお茶ですよ~」

悠「……(確かにそういってもらえるのは嬉しいんだけどな。ただ由佳里って何を食っても美味しいっていいそうなイメージがあるんだよな。)」

由佳里「さてさて、最後の一本を……あああっ、ないいっ!?団子消失ミステリー!?」

悠「いや、あれあれ」

おれは団子の串を掴んで軒を駆け上がっているトビザルを指差す。

トビザル『キッキー♪』

由佳里「あああっ、トビザル!わたしの団子返しなさーい!」

由佳里は縁台の上に飛び乗って、軒のトビザルに向かって手を振り回している。トビザルと由佳里の茶菓子の取り合いはある意味、小鳥遊堂の名物になりつつある。あんまり歓迎したい名物じゃないが。

トビザル『キャッ、キャッ』

なんか、危なっかしいぞ?

由佳里「えっ……と、おっ、あわわ!?」

ぐらぐらと縁台の上でバランスを崩す由佳里。そして、前のめりにこけてしまった由佳里。

悠「おいおい、大丈夫……」

声をかけようとして近寄ったところで息が止まる。前のめりに突っ伏した由佳里のスカートはまくれ上がっていた。そこまではまだいい。問題は……。

由佳里「あ、あれれ……何だかお尻がすーすーするようなぁ」

悠「えーと、由佳里さん?なんでパンツはいていなんですか?」

縁台の上にはうつ伏せになった由佳里の白くて丸いお尻が丸出しになっていた。

由佳里「えっ?えっ?えーーーっ!!」

悠「まさか、そういう趣味が?」

由佳里「あわっ、あわわっ!う、うっかり、パンツ履くの忘れてました~~!」

トビザル『ウキキ♪』
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