ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
縦横無尽、意思を持つ鞭のような動きで螺旋の殺傷力を浴びせかけてくる桐生刹那。
強いッッ!だが……もはや「人」ではない。
異常な曲がり方をする羅刹掌を抜拳の連射で弾き反らし続ける氷室だが何十発に一度捌ききれないものが出てきた。受け切れないものは皮膚一枚で何とか避けるも確実に螺旋の衝撃が体内を傷つけてくる。
氷室は後ろに跳ね飛んだ。止まらずにそのままバックステップで距離を開ける。
桐生刹那は深追いせずだらんっと両手を垂れ下げ長い髪を振り乱して猫背気味に揺らめいている。
氷室「…………哀れですね。貴方の因果、この私が断ってあげましょう。」
友の仇討に燃える氷室。
更なる兇悪な変貌を遂げた刹那。
かたや【魔槍】
かたや【羅刹掌】
貫くか、捻じ切るか。
最終局面への火ぶたが…………切って落とされる。
先に動いたのは桐生刹那。猫背気味の体勢から一気に身体を振り上げるとその場で回転したかと思うと【羅刹掌(足)】を利用した高速移動で氷室薫へと迫った。
刹那自身、この仕合で初めて試みた技術。その動きは徐々に洗練されていく。
しかし……先手を取ったのは、氷室だった。向かい来る刹那の脇腹の一部を【魔槍】で貫きながら走りぬけた。
刹那の白い肌から鮮血が散る。しかし、そんなこともお構いなく振り返り敵を見遣る。氷室も即座に刹那に向き直ると同時に真っ正面から羅刹掌と魔槍がぶつかった。
槍が、螺旋を貫いた。
刹那の掌に人差し指から薬指までの三指が深々と突き刺さっている。
今まで仮面を貼りつけたような不気味な笑みを浮かべていた刹那の表情が素の顔に戻った。
刹那「(掌を捩じる前に貫かれた!!……すごいね。)」
すぐにまた不気味な笑みを浮かべると自身の掌を貫いている氷室の指ごと曲げ上げながら無理やりに引き抜いた。同時にベキッという異音が鳴る。
氷室「(折れたか。)」
瞬間、氷室の顔に何かが飛び散ってきた。目の前が赤く染まる。血、血液だ。刹那は掌に空いた穴から噴き出る血で目つぶしを仕掛けてきたのだ。
一瞬とはいえ完全に視界が赤く染まっている。氷室は……何の躊躇もなく飛び跳ねた。次の瞬間、足があった場所に【羅刹掌(足)】が放たれた。
刹那は地面に【羅刹掌】を打ちこみながら走りぬけた。
すると、氷室が着地すると同時に地盤が砕け足が滑り片膝を着くような形に大きくバランスを崩してしまう。
そこへ壊れていない左手の羅刹掌が打ち放たれた。顔面へと迫りくる【必(ず)殺(す)技】。
万事休すかと思われたが、氷室薫はそれでもなお冷静だった。片膝を着いていた足を振り上げながら背中から後ろへと倒れ飛んだのだ。あらゆる武術、格闘技に置いて基本にして必修の動きである【受け身】で崩れた体勢を0へと戻しつつ向かい来る羅刹掌を蹴り払ったのだ。
想定外のカウンターに今度は刹那の体勢が大きく崩れた。対して、氷室はお手本のように綺麗な受け身で一度地面に倒した身体を一息で起こし上げ踏みこみと同時に刹那の懐へと潜りこんだ。
【抜拳・魔槍】
指の折れていない左手の魔槍が段中。直後に鳩尾に炸裂した。
縦横無尽、意思を持つ鞭のような動きで螺旋の殺傷力を浴びせかけてくる桐生刹那。
強いッッ!だが……もはや「人」ではない。
異常な曲がり方をする羅刹掌を抜拳の連射で弾き反らし続ける氷室だが何十発に一度捌ききれないものが出てきた。受け切れないものは皮膚一枚で何とか避けるも確実に螺旋の衝撃が体内を傷つけてくる。
氷室は後ろに跳ね飛んだ。止まらずにそのままバックステップで距離を開ける。
桐生刹那は深追いせずだらんっと両手を垂れ下げ長い髪を振り乱して猫背気味に揺らめいている。
氷室「…………哀れですね。貴方の因果、この私が断ってあげましょう。」
友の仇討に燃える氷室。
更なる兇悪な変貌を遂げた刹那。
かたや【魔槍】
かたや【羅刹掌】
貫くか、捻じ切るか。
最終局面への火ぶたが…………切って落とされる。
先に動いたのは桐生刹那。猫背気味の体勢から一気に身体を振り上げるとその場で回転したかと思うと【羅刹掌(足)】を利用した高速移動で氷室薫へと迫った。
刹那自身、この仕合で初めて試みた技術。その動きは徐々に洗練されていく。
しかし……先手を取ったのは、氷室だった。向かい来る刹那の脇腹の一部を【魔槍】で貫きながら走りぬけた。
刹那の白い肌から鮮血が散る。しかし、そんなこともお構いなく振り返り敵を見遣る。氷室も即座に刹那に向き直ると同時に真っ正面から羅刹掌と魔槍がぶつかった。
槍が、螺旋を貫いた。
刹那の掌に人差し指から薬指までの三指が深々と突き刺さっている。
今まで仮面を貼りつけたような不気味な笑みを浮かべていた刹那の表情が素の顔に戻った。
刹那「(掌を捩じる前に貫かれた!!……すごいね。)」
すぐにまた不気味な笑みを浮かべると自身の掌を貫いている氷室の指ごと曲げ上げながら無理やりに引き抜いた。同時にベキッという異音が鳴る。
氷室「(折れたか。)」
瞬間、氷室の顔に何かが飛び散ってきた。目の前が赤く染まる。血、血液だ。刹那は掌に空いた穴から噴き出る血で目つぶしを仕掛けてきたのだ。
一瞬とはいえ完全に視界が赤く染まっている。氷室は……何の躊躇もなく飛び跳ねた。次の瞬間、足があった場所に【羅刹掌(足)】が放たれた。
刹那は地面に【羅刹掌】を打ちこみながら走りぬけた。
すると、氷室が着地すると同時に地盤が砕け足が滑り片膝を着くような形に大きくバランスを崩してしまう。
そこへ壊れていない左手の羅刹掌が打ち放たれた。顔面へと迫りくる【必(ず)殺(す)技】。
万事休すかと思われたが、氷室薫はそれでもなお冷静だった。片膝を着いていた足を振り上げながら背中から後ろへと倒れ飛んだのだ。あらゆる武術、格闘技に置いて基本にして必修の動きである【受け身】で崩れた体勢を0へと戻しつつ向かい来る羅刹掌を蹴り払ったのだ。
想定外のカウンターに今度は刹那の体勢が大きく崩れた。対して、氷室はお手本のように綺麗な受け身で一度地面に倒した身体を一息で起こし上げ踏みこみと同時に刹那の懐へと潜りこんだ。
【抜拳・魔槍】
指の折れていない左手の魔槍が段中。直後に鳩尾に炸裂した。