ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:東洋電力控室ー
百目鬼雲山VSサーパインの仕合が終わったが東洋電力会長の速水勝正は一人掛けソファーの上から動かない。
その背後に立つ守護者(ガーディアン)のひとり鬼頭軍司が隣に立つ龍旼(ロンミン)に手で外に出るように合図を送った。
速水を残し部屋からでると少し離れた場所まで移動して軍司がいった。
鬼頭「……潮時じゃねえか?速水会長が闘技会を牛耳る企みは、殆ど頓挫したようなもんだぜ。」
ユリウスは倒され、二階堂たちは一昨日から連絡なし。すでに消されたか或いは逃げたか……。
頼みの綱だった鎧塚サーパインも、百目鬼雲山に敗北。
現状こちらが動かせる戦力は蕪木浩二。そして……タンカーで島内に侵入した連中。速水会長が雇った裏社会の連中。殺し屋やら始末屋やら……総勢388名。
だが……連中は、恐らく全滅だ。
昨日から護衛者の半数に当たる250名余りが島狩りを行っている。正直、見誤っていた。護衛者の真の恐ろしさは、各個の戦力じゃない。一糸乱れぬ統率力。
多少、数が多かろうが、個々に使える奴がいようが、こっちは玉石混淆の寄せ集め。おまけに地の利も向こうさんにある。
全滅は時間の問題。
龍旼「……」
鬼頭「護衛者の分断には成功したようだが、こっちにはもう駒がねぇ。負け戦はゴメンだぜ。骨折り損覚悟で島を脱出するか。情報をエサに片原滅堂に取り入るか……二択だぜ、龍。」
龍旼「…やめとけよ。後で泣きを見るぜ?」
鬼頭「……あァ?……そりゃあ脅しのつもりか?」
龍旼「結論を急ぐなって言ってんだ。なんの問題もねえよ。どう転んでも勝つのは俺達だ。」
鬼頭「あん!?」
部屋に残っている速水勝正は……笑っていた。歯をむき出しにして残っている片目を大きく見開き笑っていた。
ちょうどその頃、闘技場では二回戦第六仕合が始まろうとしていた。
鞘香『さあッ!!!続きましては二回戦第六仕合!!【抜拳者】氷室薫VS【美獣】桐生刹那。一回戦で圧倒的な力量を見せつけた両雄が激突するッッッ!!!』
観客席で桐生刹那の雇い主である皇桜学園理事長の奏流院紫苑が隣の秘書松田智子に声をかけた。
紫苑「……松田。随分と場に馴染んできたじゃねぇか。野球観戦みてぇになってるぞ。」
松田は闘技会公式キャップをかぶり、右手にイカ焼き左手にビール(3杯目)をもって仕合待ちしている。
智子「え?そうですか?あ、理事長もビールのみますか?」
紫苑「……」
……大丈夫かアイツ?小鳥遊悠の仕合の後から様子がおかしいが……。
桐生刹那は第一仕合のとき同様に黒いファイターズボンに上半身裸の姿。対して氷室薫はワイシャツと黒のズボンというどちらかと場違い気味な格好だ。
氷室「桐生……さんでしたよね。【瞬】に【羅刹掌】……貴方の流儀は「孤影流」ですよね?見間違うはずがない。私の知人、平良厳山(たいらげんざん)の技に相違がない。厳山さんは弟子の裏切りに遭い殺されたと聞きました。貴方の仕業……ですか?」
桐生「は?誰だよお前。僕は今、機嫌が悪いんだ。」
氷室「……平良厳山さんは歳は離れていても私の友人でした。仇、討たせてもらいますよ。」
桐生「は?だから誰だよお前。」
百目鬼雲山VSサーパインの仕合が終わったが東洋電力会長の速水勝正は一人掛けソファーの上から動かない。
その背後に立つ守護者(ガーディアン)のひとり鬼頭軍司が隣に立つ龍旼(ロンミン)に手で外に出るように合図を送った。
速水を残し部屋からでると少し離れた場所まで移動して軍司がいった。
鬼頭「……潮時じゃねえか?速水会長が闘技会を牛耳る企みは、殆ど頓挫したようなもんだぜ。」
ユリウスは倒され、二階堂たちは一昨日から連絡なし。すでに消されたか或いは逃げたか……。
頼みの綱だった鎧塚サーパインも、百目鬼雲山に敗北。
現状こちらが動かせる戦力は蕪木浩二。そして……タンカーで島内に侵入した連中。速水会長が雇った裏社会の連中。殺し屋やら始末屋やら……総勢388名。
だが……連中は、恐らく全滅だ。
昨日から護衛者の半数に当たる250名余りが島狩りを行っている。正直、見誤っていた。護衛者の真の恐ろしさは、各個の戦力じゃない。一糸乱れぬ統率力。
多少、数が多かろうが、個々に使える奴がいようが、こっちは玉石混淆の寄せ集め。おまけに地の利も向こうさんにある。
全滅は時間の問題。
龍旼「……」
鬼頭「護衛者の分断には成功したようだが、こっちにはもう駒がねぇ。負け戦はゴメンだぜ。骨折り損覚悟で島を脱出するか。情報をエサに片原滅堂に取り入るか……二択だぜ、龍。」
龍旼「…やめとけよ。後で泣きを見るぜ?」
鬼頭「……あァ?……そりゃあ脅しのつもりか?」
龍旼「結論を急ぐなって言ってんだ。なんの問題もねえよ。どう転んでも勝つのは俺達だ。」
鬼頭「あん!?」
部屋に残っている速水勝正は……笑っていた。歯をむき出しにして残っている片目を大きく見開き笑っていた。
ちょうどその頃、闘技場では二回戦第六仕合が始まろうとしていた。
鞘香『さあッ!!!続きましては二回戦第六仕合!!【抜拳者】氷室薫VS【美獣】桐生刹那。一回戦で圧倒的な力量を見せつけた両雄が激突するッッッ!!!』
観客席で桐生刹那の雇い主である皇桜学園理事長の奏流院紫苑が隣の秘書松田智子に声をかけた。
紫苑「……松田。随分と場に馴染んできたじゃねぇか。野球観戦みてぇになってるぞ。」
松田は闘技会公式キャップをかぶり、右手にイカ焼き左手にビール(3杯目)をもって仕合待ちしている。
智子「え?そうですか?あ、理事長もビールのみますか?」
紫苑「……」
……大丈夫かアイツ?小鳥遊悠の仕合の後から様子がおかしいが……。
桐生刹那は第一仕合のとき同様に黒いファイターズボンに上半身裸の姿。対して氷室薫はワイシャツと黒のズボンというどちらかと場違い気味な格好だ。
氷室「桐生……さんでしたよね。【瞬】に【羅刹掌】……貴方の流儀は「孤影流」ですよね?見間違うはずがない。私の知人、平良厳山(たいらげんざん)の技に相違がない。厳山さんは弟子の裏切りに遭い殺されたと聞きました。貴方の仕業……ですか?」
桐生「は?誰だよお前。僕は今、機嫌が悪いんだ。」
氷室「……平良厳山さんは歳は離れていても私の友人でした。仇、討たせてもらいますよ。」
桐生「は?だから誰だよお前。」