ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
雲山「ハァァァッ……スウゥゥゥ……はアアアアッ……」
独特の呼吸を吸う度繰り返し雲山は【鬼状態】を発動しつつ右腕を真っすぐ伸ばした。
鞘香『おおっ?百目鬼選手が構えを変えた!!』
雲山「……愛する女に「不殺」を誓っている。死んでくれるなよ?」
1588年刀狩令布告。
刀を持てるのは、侍だけになった。暗殺生業の人間は、その多くが武士ではなかった。
新たな暗殺手段が必要だった。
主な手段は二つ。
ひとつは、一見して凶器とわからぬ物を使った暗殺。いわゆる暗器術だ。
そしてもう一つは、既による暗殺。
【雷閃】はいわば百目鬼流の伝統的(クラッシック)な型。
対するこちらは、時代と共に形を変える「常時最新の型」。
ヂリヂリとした殺気がサーパインに突き刺さる。しかし、引かない。大きく息を吸いこむと地面を蹴り飛ばし前へと進み出た。
サーパイン「いくぜっ!」
勢いをつけて飛びこんでいくサーパインだったが雲山の間合いに入った瞬間、顔面に衝撃が破裂した。
人中への一撃、ボクサーでいうフックのような打撃が炸裂したのだ。さらに攻撃は続く、下関、承漿、晴明、四白、神庭、迎香……部位に応じて打つ形を変え、より深くダメージを浸透させる。
【百目鬼流:鬼撃(陽)】
顔中に点在する弱点たる弱点へ目掛けての超速連打……っが、サーパインは拳を打ち返してきた。
紙一重で右腕を曲げ上げガードに成功したが、その一撃は容易に骨へと響く。サーパインは追撃にハイキックを仕掛けたがスウェイで雲山は避けた。
サーパイン「シャアアアッ」
蹴りだした足を地面に踏み下ろし踏みこみながら殴りかかっていく。
雲山「ふんっ。」
一段階鬼状態のギアを上げ、さらに速度と手数が増し、サーパインの頭部を打撃の雨が蹂躙する。顎を、蟀谷を、側頭を、直接的にダメージを与える打撃と経絡へダメージを与える打撃。
【百目鬼流:鬼撃(陰)】
表と裏、陰陽の連打を受けながらサーパインは地面を踏みこみ無理やり打撃を割り込みミドルキックを放った。
サーパイン「シャアアアアッ!!」
今度こそ直撃……と、思ったがまたも腕でガードされている。しかし、無茶苦茶で力任せではあるが雲山の攻撃は完全に停止し、後ろへと飛び下がる。
顔面の至る所から血を流しながらも逃がすまいとサーパインは追う。
鞘香『距離を取りたいか雲山選手。だが、サーパイン選手も追いかける!』
雲山「……」
下がりつつ腫れあがった右腕に一度視線を落とした。
堪らんぜ。たった二発でヒビか。親父並みじゃねぇか……おい。
理乃「……」
雲山の攻撃が思った以上に効かない。原因は、体重差かしら?
寅「……」
いや、体重差だけじゃねぇ。最大の要因は「相性」だ。
百目鬼雲山の一連の攻撃は見事だった。急所ごとに攻撃の形を使い分け、正確に打ち抜く技術は驚嘆に値する。
「不運」だな。よりによってサーパインが相手とは。
奴の頭蓋骨は、あの馬鹿(悠)にも匹敵する人類最硬。あらゆる攻撃を跳ねのける強度だ。
英「ふむっ!」
坂東君の超軟体体質とは真逆。骨格、関節の硬さが筋肉を一層引き締め、急所の攻撃を無効化している。ノーダメージとはいかないまでも効果は半減だろう。
雲山「ハァァァッ……スウゥゥゥ……はアアアアッ……」
独特の呼吸を吸う度繰り返し雲山は【鬼状態】を発動しつつ右腕を真っすぐ伸ばした。
鞘香『おおっ?百目鬼選手が構えを変えた!!』
雲山「……愛する女に「不殺」を誓っている。死んでくれるなよ?」
1588年刀狩令布告。
刀を持てるのは、侍だけになった。暗殺生業の人間は、その多くが武士ではなかった。
新たな暗殺手段が必要だった。
主な手段は二つ。
ひとつは、一見して凶器とわからぬ物を使った暗殺。いわゆる暗器術だ。
そしてもう一つは、既による暗殺。
【雷閃】はいわば百目鬼流の伝統的(クラッシック)な型。
対するこちらは、時代と共に形を変える「常時最新の型」。
ヂリヂリとした殺気がサーパインに突き刺さる。しかし、引かない。大きく息を吸いこむと地面を蹴り飛ばし前へと進み出た。
サーパイン「いくぜっ!」
勢いをつけて飛びこんでいくサーパインだったが雲山の間合いに入った瞬間、顔面に衝撃が破裂した。
人中への一撃、ボクサーでいうフックのような打撃が炸裂したのだ。さらに攻撃は続く、下関、承漿、晴明、四白、神庭、迎香……部位に応じて打つ形を変え、より深くダメージを浸透させる。
【百目鬼流:鬼撃(陽)】
顔中に点在する弱点たる弱点へ目掛けての超速連打……っが、サーパインは拳を打ち返してきた。
紙一重で右腕を曲げ上げガードに成功したが、その一撃は容易に骨へと響く。サーパインは追撃にハイキックを仕掛けたがスウェイで雲山は避けた。
サーパイン「シャアアアッ」
蹴りだした足を地面に踏み下ろし踏みこみながら殴りかかっていく。
雲山「ふんっ。」
一段階鬼状態のギアを上げ、さらに速度と手数が増し、サーパインの頭部を打撃の雨が蹂躙する。顎を、蟀谷を、側頭を、直接的にダメージを与える打撃と経絡へダメージを与える打撃。
【百目鬼流:鬼撃(陰)】
表と裏、陰陽の連打を受けながらサーパインは地面を踏みこみ無理やり打撃を割り込みミドルキックを放った。
サーパイン「シャアアアアッ!!」
今度こそ直撃……と、思ったがまたも腕でガードされている。しかし、無茶苦茶で力任せではあるが雲山の攻撃は完全に停止し、後ろへと飛び下がる。
顔面の至る所から血を流しながらも逃がすまいとサーパインは追う。
鞘香『距離を取りたいか雲山選手。だが、サーパイン選手も追いかける!』
雲山「……」
下がりつつ腫れあがった右腕に一度視線を落とした。
堪らんぜ。たった二発でヒビか。親父並みじゃねぇか……おい。
理乃「……」
雲山の攻撃が思った以上に効かない。原因は、体重差かしら?
寅「……」
いや、体重差だけじゃねぇ。最大の要因は「相性」だ。
百目鬼雲山の一連の攻撃は見事だった。急所ごとに攻撃の形を使い分け、正確に打ち抜く技術は驚嘆に値する。
「不運」だな。よりによってサーパインが相手とは。
奴の頭蓋骨は、あの馬鹿(悠)にも匹敵する人類最硬。あらゆる攻撃を跳ねのける強度だ。
英「ふむっ!」
坂東君の超軟体体質とは真逆。骨格、関節の硬さが筋肉を一層引き締め、急所の攻撃を無効化している。ノーダメージとはいかないまでも効果は半減だろう。