ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【6】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
ビンタによる鼓膜破壊。これは意外と簡単にできる。耳の穴を押さえ塞ぐように叩くことで空気が狭い耳内に押し込まれると圧により薄い鼓膜は破れるのだ。
さらに、セキはビンタを当てながら親指を耳に刺し込んだ。これにより凍夜の耳は破壊され、情報を捉えていた音を失ったのだ。
凍夜「ッ!!……!!?」
棒立ちになる凍夜の顔面に強い衝撃が走る。セキの拳が容易に突き刺さったのだ。大きく後ろに吹き飛ぶ男を逃がすまいとセキは腕を掴み、引っ張りこむと大振りの渾身のラリアットをぶちかました。
空中で一回転して地面に落ちる。起き上がろうとしたがフライングエルボーを凍夜の背中に落として追撃した。
「「「……!!」」」
『……!!』
「……!!」
『……!!』
「「「……!!」」」
音にならない音だけが凍夜の耳に入ってくるがもはや雑音どころの騒ぎではない。
地面に打ち据えられた凍夜の両脇に腕を回して無理やり起き上がらせる。そして一気にバックドロップで落したのだ。
地面が砕け凹むほどの一撃に血を吹きだして仰向けに倒れた。トドメになっただろうとセキはブリッジから身体を振り起こし立った……。
が、背後ではまだ動く気配を感じ振り返るとヨロヨロ凍夜も立ちあがっていた。しかし、その顔はもはや闘えるような表情ではなかった。
あらぬ方向へ向いて拳を放ち、セキではなくレフリーの方へ近づいていったり、文字通り暗闇をさまよっているのだ。
セキはそんな凍夜を見て拳を固めた。倒し切る。せめてもの手向けだと踏みこみながら巨拳を振り降ろした。
瞬間、正確に上半身を振るうと拳を避けた。そしてセキの両耳に両手の親指を突き刺したのだ。ほぼ根元までツッコまれた親指が引っこ抜かれるとドボッと血が零れ落ちた。
凍夜「……聞こえてないことを前提に話す。俺の「演技」もなかなかでしょう?」
両耳を破壊し返されセキの目に映るのは、笑顔でそう口を動かす凍夜。そして、次の攻撃に移っていた。右の腕を顔面へ向けて突きだした。その手は拳ではなく指二本を立てた……目突きの構え。それでも超一流のレスラーのセキは咄嗟に受けの体勢に入った。当たる位置をずらすはずだった……。
しかし、受けの体勢に入ったセキの目玉スレスレで凍夜の左腕は停止して、何故か一瞬大きく上半身を反らし蹴りを胸に放つと、そのまま後ろに飛んだのだ。
傭兵と武道家には一つの共通点がある。最小の労力で敵を制圧すること。すなわち、「一撃必殺」を理想の極致とすることである。
一拍おいて……立ち構えていた席が口から大量の血を吹きだして倒れ落ちた。
鞘香『ッッ!!???な…なな……………!!?なんということだあああああ!!?闘技者の中でトップクラスの打たれ強さを誇る関林選手が、蹴り一発で、沈んでしまったアアアアアアッッ!!!!!』
ビンタによる鼓膜破壊。これは意外と簡単にできる。耳の穴を押さえ塞ぐように叩くことで空気が狭い耳内に押し込まれると圧により薄い鼓膜は破れるのだ。
さらに、セキはビンタを当てながら親指を耳に刺し込んだ。これにより凍夜の耳は破壊され、情報を捉えていた音を失ったのだ。
凍夜「ッ!!……!!?」
棒立ちになる凍夜の顔面に強い衝撃が走る。セキの拳が容易に突き刺さったのだ。大きく後ろに吹き飛ぶ男を逃がすまいとセキは腕を掴み、引っ張りこむと大振りの渾身のラリアットをぶちかました。
空中で一回転して地面に落ちる。起き上がろうとしたがフライングエルボーを凍夜の背中に落として追撃した。
「「「……!!」」」
『……!!』
「……!!」
『……!!』
「「「……!!」」」
音にならない音だけが凍夜の耳に入ってくるがもはや雑音どころの騒ぎではない。
地面に打ち据えられた凍夜の両脇に腕を回して無理やり起き上がらせる。そして一気にバックドロップで落したのだ。
地面が砕け凹むほどの一撃に血を吹きだして仰向けに倒れた。トドメになっただろうとセキはブリッジから身体を振り起こし立った……。
が、背後ではまだ動く気配を感じ振り返るとヨロヨロ凍夜も立ちあがっていた。しかし、その顔はもはや闘えるような表情ではなかった。
あらぬ方向へ向いて拳を放ち、セキではなくレフリーの方へ近づいていったり、文字通り暗闇をさまよっているのだ。
セキはそんな凍夜を見て拳を固めた。倒し切る。せめてもの手向けだと踏みこみながら巨拳を振り降ろした。
瞬間、正確に上半身を振るうと拳を避けた。そしてセキの両耳に両手の親指を突き刺したのだ。ほぼ根元までツッコまれた親指が引っこ抜かれるとドボッと血が零れ落ちた。
凍夜「……聞こえてないことを前提に話す。俺の「演技」もなかなかでしょう?」
両耳を破壊し返されセキの目に映るのは、笑顔でそう口を動かす凍夜。そして、次の攻撃に移っていた。右の腕を顔面へ向けて突きだした。その手は拳ではなく指二本を立てた……目突きの構え。それでも超一流のレスラーのセキは咄嗟に受けの体勢に入った。当たる位置をずらすはずだった……。
しかし、受けの体勢に入ったセキの目玉スレスレで凍夜の左腕は停止して、何故か一瞬大きく上半身を反らし蹴りを胸に放つと、そのまま後ろに飛んだのだ。
傭兵と武道家には一つの共通点がある。最小の労力で敵を制圧すること。すなわち、「一撃必殺」を理想の極致とすることである。
一拍おいて……立ち構えていた席が口から大量の血を吹きだして倒れ落ちた。
鞘香『ッッ!!???な…なな……………!!?なんということだあああああ!!?闘技者の中でトップクラスの打たれ強さを誇る関林選手が、蹴り一発で、沈んでしまったアアアアアアッッ!!!!!』