ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

往水「さてさて、それじゃあ私もそろそろ…」

悠「仕事に戻るのか」

往水「なにいってるんです。帰るに決まってるじゃないですか。」

悠「あー…作用でございますか」

往水「あっはっは。そんな目で見ないでくださいよ。ちゃあんと帰る間も見回りのお仕事はしますよ。」

悠「そうしてくださいよ。はい、これどうぞ」

往水「おや、これは?」

悠「お土産。」

往水「袖の下ですかい?」

悠「要らないならいいんですけど?」

往水「小鳥遊さんはいじわるですねぇ。いただくに決まってるじゃないですかっと」

悠「アンタが妙なことをいうからだ。」

往水「いやぁ、小鳥遊さんもそういった技を覚えておいた方がいいですよ。」

悠「奉行の人間が何をぬかしとるんだ…」

往水「おやおや、真面目な方ですね。そんな綺麗な生きたかだといつか足元すくわれちゃいますよ。悪い人間はゴロゴロしてるんですからねぇ。」

悠「はは…。(残念ながら、ピエロは板についてるよ…。)っか、そもそも俺は健康憂慮なただの学生だぜ。危ない橋は渡らない小庶民だよ。」

往水「だといいんですが。ま、私の仕事は増やさないでくださいね。」

悠「はいはい。」

往水「それじゃ、お土産もらっていきます。」

悠「ああ、これからもご贔屓に」

往水「はいは~い」

悠「ふぅむ…中村さんは狸な臭いがするなぁ。さて、中村さんも帰ったし、おーい新、洗い物もういいぞ。」

新「……」

悠「なにしてる?」

新「!?」

悠「洗い物終わったか?」

新「終った…かな。」

悠「なんだその微妙な返答は」

新「あはは…ごめん、お皿割った」

悠「……何枚?」

新「……三枚」

悠「何でだろうな。この結末を読めていた俺がいるのは…うーむ。テンプレというか…たぶん、新にフライパン使わしたらフライパンが燃えるんだろうな」

新「申し訳ないです…」

悠「反論もねぇのかよ!はぁ、いいよいいよ。あとの片付けはやっとくから。」

新「シュン…」

悠「怒ってないから。っか、あれだそこにある菓子いるなら好きなだけ持って帰っていいぞ」

新「いいの!!」

悠「(立ち直り早っ…。)あぁ、生菓子だから日持ちしないし、団子は今日置いたら明日には出せないからな。」

新「じゃあ全部もらってくね」

悠「そうしてくれ」

新「悠はまだ帰らないの?」

悠「いや、もう鍵閉めたら帰るよ。」

新「じゃあ、途中まで送っていくよ。夜道の一人歩きは危ないしね」

悠「それ、新が俺にいう台詞じゃなく、俺が新にいう台詞じゃね?」

新「?」

悠「いんや、なんでもない。じゃエスコートお願いしますわ。」

新「まっかせなさい。じゃ、銀シャリ号を…」

悠「まてまて、まだ鍵閉めてないから…少しはまわりを見てくれ。」

新「えへへ」
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