ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【5】

ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー

吹き飛ばされたが即座に立ちあがった。その間も魏雷庵は何もせずにこちらの体勢が整うを待っていた。

構えを取り直し終わると雷庵はペッと血を吐き捨てて口や鼻の周りの血を拭って笑った。

雷庵「クカカカッ!ガッカリしたかオイ?テメェの技なんざ糞みてぇなもんだぜ。金玉はちょっと効いたけどな。もう付け焼刃の技はもういい。俺が見てえのは、、因幡流に勝った「あの姿」だ。さっさと変身しねえと、さくっと殺しちまうぞ♪」

悠「ほんっと……口の減らねぇ奴だな。」

踏みだしながら上半身を前へと振り落とす、地面ギリギリからのブーストダッシュ。

【小鳥遊流:金夏ノ型・瞬鉄爆】

超高速で突撃しながら肘を胸に叩きこむ。直撃するも雷庵は踏みとどまった。

雷庵「おいおい。俺の話、聞いてたか?」

平然と話す雷庵。だが、そんなことは関係ないさらに攻撃を仕掛けた。詰まった間合いから顎を打ち上げた。

【小鳥遊流:金夏ノ型・瞬鉄砕】

そして頭が振り上がったことにより丸出しになった喉へ手刀を刺しこんだ。

【小鳥遊流:金夏ノ型・瞬鉄穿】

爆・砕・穿の瞬鉄三コンボが直撃したにもかかわらず倒れもせずに雷庵は悠の手首を掴み抑えた。

雷庵「だから効かねえって。お前、気付いてねえだろ?技が身についてねえんだよ。だから精度が低いんだ。」

腕を取られいてる手が振り払えない……技とかではない力だけで押し込んできている。次の瞬間、背負い投げで地面に叩きつけられた。

間一髪、【不壊】でダメージを減らすも地面が砕けるほどの叩きつけに完全には相殺しきれない。

悠「ガフッ」

視界が暗転しかける中、眼前に落ちてくる足が見えた。咄嗟に地面を叩いてエビが跳ねるような体勢で飛びずさった。しかし、即座に雷庵の腕が伸びてきて頭を引っ掴んできた。

そして、そのまま吊り上げられる。

雷庵「フウゥゥゥゥッ…」

悠「ッ……!!」

雷庵「逃げんじゃねぇ。」

万力に絞められている……とも錯覚しそうになる力で掴まれ振り払うこともできない。そして、その力が真下に向かって落ちた。地面に頭を叩きつけられる。

悠「ぐっ!!」

頭を掴んでいる腕を極めようと両手で掴み返そしたが、それよりも一手早く左アッパーがさく裂し顎を穿たれた。

一瞬、掴まれていた頭が解放されたが雷庵は即座に髪を掴み引っ張りこみ膝を打ちこまれた。さらに後頭部に肘を落としてきた。執拗なまでの頭部への連続攻撃に崩れ落ちていくが、後頭部を掴んで加速をつけて叩きつけた。そこからは何度も何度も何度も何度もハンマーでも振るうように地面にぶつけ続ける。

攻勢から逆転というか一方的な蹂躙。

アギト「……認めよう。」

小鳥遊悠。お前は、確かに強くなった。だが、気付いているか?

魏雷庵は、魏の技を一度たりとも使っていない。身体能力によるゴリ押しですら、お前を優に圧倒している。

今のお前では、奴の本気を引きだすことすら敵わんぞ?

適当にぶつけるのに満足したのか飽きたのか、頭から手を離すと顔面を蹴り飛ばした。吹き飛んで地面に転がり落ちるが次の瞬間、後頭部を踏みつけられた。

雷庵「力の差はわかっただろ?さっさと「変身」しねえとマジで殺すぞ?」

後頭部にミヂミヂと圧がかかる。その足を掴んで技をかけようとするものの髪を掴まれ無理やり身体を起こされた。

悠「ッ!?」

雷庵「無駄だってんだろバーカ♪」

パッと髪から手を離し大振りのパンチで顔面を殴られ吹き飛ばされる。
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