ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【5】
ー東京池袋:ファミレスー
池袋西口の№1ハッカーである禅はいつものようにファミレス最奥の指定席でパソコンやらスマホなどの電子機器を並べて仕事をしていた。しかし、その日はいつもと様子が違っていた。
店内ではなく店外が騒がしい。窓の外では人だかりができている。
禅「……なん……だ…ろ…うか」
この騒ぎは一体?
すると騒ぎを鎮めに来たのか誰かが通報したのか数人の警察官がやってきた。そしてその内のひとりがスピーカーに向かって叫んだ。
警察官「押さないで!!指示に従って避難してください!!」
禅「(避難…?)」
店長「ぜ、禅さん、禅さん。大変ですよ!この辺り爆弾を仕掛けたと予告があったそうです!!急いで離れましょう!!」
そう伝えに来た店長、店内の他の客も従業員が同じことを伝えて慌てて外へと出ていっている。
禅「……」
昨夜起こった国会や各省庁への爆破予告か。国会正門で爆弾が見つかったと騒ぎになっていた。
……妙だ。ニュース速報、SNS、匿名掲示板…今日の爆破予告に関する情報がひとつもない。
一体どういうことか……?
脳をフル回転させ思案する中、窓の外から視線を感じた。目を向けると警官とバチッと目が合った。その眼は黒目と白目が逆転したような眼色…。
瞬間、ボンッという音とともに光が爆ぜた。
店長「う、うわぁぁっ!」
店長は慌てて外へ飛び出していき、周りに集まっていた人間も蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「ば、爆発した!」
「爆弾だぁー!」
「はっ、早く逃げろーーー!!」
その様子を監視組である魏一族の【狩鬼】魏変造と【魔弾の射手】魏風水がスコープで捉えている。
変造「よーしよし。パニックになってるな。この隙にターゲットを確保しちまえ。」
風水「けが人は出てないよ~。火薬量を少なくして正解だったね。……あれ?」
だが、風水の笑顔が止まった。ターゲットの居るただのファミレスがシャッターを降ろしだしたのだ。しかも、どう見ても普通のものでもなければ窓や出入り口だけでなくファミレス全面を覆うように降りてきたのだ。
変造「なッ…なんだありゃ!?」
人の居なくなったファミレス内では一人残った禅がスマホを操作して伏せていた。
禅「裏切……まし……たか…魏……一族!」
生憎でしたね。俺は、金で動く人間は信用しない主義なんです。……さあどうする?殺せるものなら殺してみろ。
ファミレスの変貌に驚く変造が風水に叫んだ。
変造「どうだ風水!?ぶち抜けるか!?」
スコープを覗く風水の右目の周りが魏一族の【外し】で赤褐色に変化した。
風水「……う~ん……変造ニイにもわかるように説明するとね~あの「シャッター」は、戦車の装甲みたいな物だね。対物ライフルじゃあお手上げだな~。」
変造「マジかよクソー!!!こんなことなら対戦車ミサイルも持ってくるんだったぜーー!!!」
風水「まあまあ、私たちは「監視組」だし、無理しなくていいでしょ。後は「地上組」に任せて、私たちは待機しとこ。」
ファミレスの周りには最初に集まっていた人だかりよりも大人数の人間が囲んでいた。男もいれば女も、私服からスーツ、果ては作業着姿の者……その全員の目は黒眼。
中年警官「全員集まったぞ」
若い警官「皆、今日の標的は手ごわいぞ。標的はこのファミレスの客を装い、徐々に「要塞」へと改造していったんだ。実質、この店は奴にとってのアジトにしていたんだ。」
初老の警官「にしたってよお。ガキ一人暗殺する為だけに囮の爆弾事件やら何やら面倒なことし過ぎじゃね?んなことしなくても風水のライフル一発で片付くのによぉ。」
中年警官「爺様の命令なんだよ。「魏一族を舐めたことを死ぬほど後悔させてから殺せ」ってな。」
若い警官「本物の警官隊が駆け付けるまでおよそ15分。時間は十分にある。待機組は周辺を包囲!」
作業服の男「お前んちの弟結婚するんだって?」
坊主の男「ああいい人を見つけてきたよ。」
若い警官「突入組は準備で来てるな?」
スーツの男「盆に実家帰る?」
エプロンの女「正月に帰ったし今年はパス」
包帯の男「仕掛けを見る限り、室内にもトラップが張られてる可能性があるぜ。」
白衣の男「骨が折れそうだなー。」
車いすの爺さん「標的はどこかのー」
若い警官「大丈夫だ。爺様の許可は取ってある。突入組……「外し」用意。対象を生け捕りにするぞ。」
老若男女、怪物一族の行動が開始される。
池袋西口の№1ハッカーである禅はいつものようにファミレス最奥の指定席でパソコンやらスマホなどの電子機器を並べて仕事をしていた。しかし、その日はいつもと様子が違っていた。
店内ではなく店外が騒がしい。窓の外では人だかりができている。
禅「……なん……だ…ろ…うか」
この騒ぎは一体?
すると騒ぎを鎮めに来たのか誰かが通報したのか数人の警察官がやってきた。そしてその内のひとりがスピーカーに向かって叫んだ。
警察官「押さないで!!指示に従って避難してください!!」
禅「(避難…?)」
店長「ぜ、禅さん、禅さん。大変ですよ!この辺り爆弾を仕掛けたと予告があったそうです!!急いで離れましょう!!」
そう伝えに来た店長、店内の他の客も従業員が同じことを伝えて慌てて外へと出ていっている。
禅「……」
昨夜起こった国会や各省庁への爆破予告か。国会正門で爆弾が見つかったと騒ぎになっていた。
……妙だ。ニュース速報、SNS、匿名掲示板…今日の爆破予告に関する情報がひとつもない。
一体どういうことか……?
脳をフル回転させ思案する中、窓の外から視線を感じた。目を向けると警官とバチッと目が合った。その眼は黒目と白目が逆転したような眼色…。
瞬間、ボンッという音とともに光が爆ぜた。
店長「う、うわぁぁっ!」
店長は慌てて外へ飛び出していき、周りに集まっていた人間も蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
「ば、爆発した!」
「爆弾だぁー!」
「はっ、早く逃げろーーー!!」
その様子を監視組である魏一族の【狩鬼】魏変造と【魔弾の射手】魏風水がスコープで捉えている。
変造「よーしよし。パニックになってるな。この隙にターゲットを確保しちまえ。」
風水「けが人は出てないよ~。火薬量を少なくして正解だったね。……あれ?」
だが、風水の笑顔が止まった。ターゲットの居るただのファミレスがシャッターを降ろしだしたのだ。しかも、どう見ても普通のものでもなければ窓や出入り口だけでなくファミレス全面を覆うように降りてきたのだ。
変造「なッ…なんだありゃ!?」
人の居なくなったファミレス内では一人残った禅がスマホを操作して伏せていた。
禅「裏切……まし……たか…魏……一族!」
生憎でしたね。俺は、金で動く人間は信用しない主義なんです。……さあどうする?殺せるものなら殺してみろ。
ファミレスの変貌に驚く変造が風水に叫んだ。
変造「どうだ風水!?ぶち抜けるか!?」
スコープを覗く風水の右目の周りが魏一族の【外し】で赤褐色に変化した。
風水「……う~ん……変造ニイにもわかるように説明するとね~あの「シャッター」は、戦車の装甲みたいな物だね。対物ライフルじゃあお手上げだな~。」
変造「マジかよクソー!!!こんなことなら対戦車ミサイルも持ってくるんだったぜーー!!!」
風水「まあまあ、私たちは「監視組」だし、無理しなくていいでしょ。後は「地上組」に任せて、私たちは待機しとこ。」
ファミレスの周りには最初に集まっていた人だかりよりも大人数の人間が囲んでいた。男もいれば女も、私服からスーツ、果ては作業着姿の者……その全員の目は黒眼。
中年警官「全員集まったぞ」
若い警官「皆、今日の標的は手ごわいぞ。標的はこのファミレスの客を装い、徐々に「要塞」へと改造していったんだ。実質、この店は奴にとってのアジトにしていたんだ。」
初老の警官「にしたってよお。ガキ一人暗殺する為だけに囮の爆弾事件やら何やら面倒なことし過ぎじゃね?んなことしなくても風水のライフル一発で片付くのによぉ。」
中年警官「爺様の命令なんだよ。「魏一族を舐めたことを死ぬほど後悔させてから殺せ」ってな。」
若い警官「本物の警官隊が駆け付けるまでおよそ15分。時間は十分にある。待機組は周辺を包囲!」
作業服の男「お前んちの弟結婚するんだって?」
坊主の男「ああいい人を見つけてきたよ。」
若い警官「突入組は準備で来てるな?」
スーツの男「盆に実家帰る?」
エプロンの女「正月に帰ったし今年はパス」
包帯の男「仕掛けを見る限り、室内にもトラップが張られてる可能性があるぜ。」
白衣の男「骨が折れそうだなー。」
車いすの爺さん「標的はどこかのー」
若い警官「大丈夫だ。爺様の許可は取ってある。突入組……「外し」用意。対象を生け捕りにするぞ。」
老若男女、怪物一族の行動が開始される。