ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【5】
ー二回戦壮行会会場:珍風閣ー
夕刻、大きな洋風のつくりをした館のなかでは明日に備えて英気を養う闘技者や客たちが宴を楽しんでいた。
その中で【黒天白夜】の摩耶がひとりの女性と楽しげに話している。
摩耶「いやー、驚いたなー。闘技仕合で本山さんと再開するなんて。」
金髪で左右をミニロールにしたやや小柄な女性はアンダーマウント社秘書の本山ほたる。彼女は手に持ったグラスを摩耶のグラスに軽く当てて返事をした。
ほたる「それはこっちのセリフだよー。高校の同級生が闘技者になってるなんて。しかも、同じクラスだった摩耶君なんだもん!」
摩耶「今は秘書をやってるんだっけ?本山さん、頭よかったのに進学しなかったんだ?」
ほたる「あー。大学も考えたんだけどね。高校卒業前にハルバード大学に論文を送ったら、なぜか学位を授与されてさ。大学資格とっちゃったしもういいやって思って就職することにしたんだー。」
摩耶「え……?ハルバードって世界一頭の良い大学じゃ……。本山さん、うちの高校通ってたの?もっと良いところいけたよね?」
本山「え?家が近かったからだけど?」
摩耶「……そっか。それで入社した会社が闘技会に入ってたわけかー。」
ほたる「そうそう、ウチ、お兄ちゃんが格闘技やってたから抵抗はなかったけどね。さてと、じゃあ私、あいさつ回りがあるから。明日は頑張って!」
摩耶「ありがとっ!三回戦で当たったらよろしくね!」
懐かしの同級生と別れてグラスに残ったウーロン茶を飲み干すと、摩耶は後ろのひと達をどうするかと考えた。
超日本プロレスと書かれたシャツ姿の【獄天使】関林ジュンと半目を閉じたような顔の女性城蘭がニヤニヤと笑いながら話しかけてくる。
関林「摩耶~~♪お前も隅に置けねえなぁ!!」
蘭「やめなさいよジュンちゃん。摩耶ちゃんが照れちゃうわ♪」
金剛「なんだ?随分と盛り上がってるな」
蘭「あら、金剛。実はね……」
摩耶「(……さて、この人達の誤解を解かないと)」
誤解が勝手に広がっていこうとするのを阻止にかかる摩耶達から少しはなれたところで松永久秀と串田凛が軽食を取りながら話していた。
久秀「悠も城もどこへ行ったのかしら。」
串田「悠さんを探しに行くっていってから帰ってきませんね。」
英「ふむ、城君はいないのか。」
久秀「あら、英先生。なにか城に御用かしら?」
英「昼間の彼女、取り繕ってはいたが、緊張状態が身体に現れていた。重圧に押しつぶされていなければいいんだがね。言ってくれたら薬を処方したのに…」
珍風館の裏て屋外に設置されたベンチで城は薄明りに照らされながら夜空を見上げていた。
城「はぁ……」
明日からまたトーナメントが始まる…けど私は、何もできない……。
「よぉ、ここにいたのか。」
闇の中からヌゥッと現れたのは小鳥遊悠だった。一日姿を見せていなかったが何故か生傷だらけになっている。
城「ゆ、悠さん。その傷どうしたんですか?」
悠「大した事じゃねぇよ。それよりさっき中で久秀が探してたぞ。明日も早いしそろそろ引き上げたいんだと。」
城「あ……そうですね。そろそろ帰りましょうか。…………はは、情けないですよ……実際に闘うのは悠さんなのに、私がプレッシャーに押し潰れそう、自分の小ささが嫌になりますよ……。」
悠「……フッ……城厘。お前はおれの「妹弟子」なんだろ。だったらおれの闘い方を見て自分の成長につなげろ。おれは絶対に勝つし、心配なんかいらん。ただ、お前に何かを教えるつもりはないんだから自分で学べ。」
城「ゆ……悠さん、今「妹弟子」って……!!」
悠「まぁ、おれがそういったところで夜見のじじいがどう思うかは知らんけどな。」
城「えー!?そこは最後まで言い切ってくださいよ……。」
そんな話している二人の背後から魏一族の長、魏絵利央がゆっくりと近づいていた。
夕刻、大きな洋風のつくりをした館のなかでは明日に備えて英気を養う闘技者や客たちが宴を楽しんでいた。
その中で【黒天白夜】の摩耶がひとりの女性と楽しげに話している。
摩耶「いやー、驚いたなー。闘技仕合で本山さんと再開するなんて。」
金髪で左右をミニロールにしたやや小柄な女性はアンダーマウント社秘書の本山ほたる。彼女は手に持ったグラスを摩耶のグラスに軽く当てて返事をした。
ほたる「それはこっちのセリフだよー。高校の同級生が闘技者になってるなんて。しかも、同じクラスだった摩耶君なんだもん!」
摩耶「今は秘書をやってるんだっけ?本山さん、頭よかったのに進学しなかったんだ?」
ほたる「あー。大学も考えたんだけどね。高校卒業前にハルバード大学に論文を送ったら、なぜか学位を授与されてさ。大学資格とっちゃったしもういいやって思って就職することにしたんだー。」
摩耶「え……?ハルバードって世界一頭の良い大学じゃ……。本山さん、うちの高校通ってたの?もっと良いところいけたよね?」
本山「え?家が近かったからだけど?」
摩耶「……そっか。それで入社した会社が闘技会に入ってたわけかー。」
ほたる「そうそう、ウチ、お兄ちゃんが格闘技やってたから抵抗はなかったけどね。さてと、じゃあ私、あいさつ回りがあるから。明日は頑張って!」
摩耶「ありがとっ!三回戦で当たったらよろしくね!」
懐かしの同級生と別れてグラスに残ったウーロン茶を飲み干すと、摩耶は後ろのひと達をどうするかと考えた。
超日本プロレスと書かれたシャツ姿の【獄天使】関林ジュンと半目を閉じたような顔の女性城蘭がニヤニヤと笑いながら話しかけてくる。
関林「摩耶~~♪お前も隅に置けねえなぁ!!」
蘭「やめなさいよジュンちゃん。摩耶ちゃんが照れちゃうわ♪」
金剛「なんだ?随分と盛り上がってるな」
蘭「あら、金剛。実はね……」
摩耶「(……さて、この人達の誤解を解かないと)」
誤解が勝手に広がっていこうとするのを阻止にかかる摩耶達から少しはなれたところで松永久秀と串田凛が軽食を取りながら話していた。
久秀「悠も城もどこへ行ったのかしら。」
串田「悠さんを探しに行くっていってから帰ってきませんね。」
英「ふむ、城君はいないのか。」
久秀「あら、英先生。なにか城に御用かしら?」
英「昼間の彼女、取り繕ってはいたが、緊張状態が身体に現れていた。重圧に押しつぶされていなければいいんだがね。言ってくれたら薬を処方したのに…」
珍風館の裏て屋外に設置されたベンチで城は薄明りに照らされながら夜空を見上げていた。
城「はぁ……」
明日からまたトーナメントが始まる…けど私は、何もできない……。
「よぉ、ここにいたのか。」
闇の中からヌゥッと現れたのは小鳥遊悠だった。一日姿を見せていなかったが何故か生傷だらけになっている。
城「ゆ、悠さん。その傷どうしたんですか?」
悠「大した事じゃねぇよ。それよりさっき中で久秀が探してたぞ。明日も早いしそろそろ引き上げたいんだと。」
城「あ……そうですね。そろそろ帰りましょうか。…………はは、情けないですよ……実際に闘うのは悠さんなのに、私がプレッシャーに押し潰れそう、自分の小ささが嫌になりますよ……。」
悠「……フッ……城厘。お前はおれの「妹弟子」なんだろ。だったらおれの闘い方を見て自分の成長につなげろ。おれは絶対に勝つし、心配なんかいらん。ただ、お前に何かを教えるつもりはないんだから自分で学べ。」
城「ゆ……悠さん、今「妹弟子」って……!!」
悠「まぁ、おれがそういったところで夜見のじじいがどう思うかは知らんけどな。」
城「えー!?そこは最後まで言い切ってくださいよ……。」
そんな話している二人の背後から魏一族の長、魏絵利央がゆっくりと近づいていた。