ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー大江戸城麓・大広場ー
悠「新、加勢いるか?」
吉音「え?悠?」
おれの声にくるりとこちらを振り返る新。
豪俊「どこを見ている!」
豪俊は大上段から渾身の一撃を振り下ろそうとした。しまった。助けようとして逆に決定的なピンチを作ってしまった。
豪俊「なっ?」
新の頭を砕いたかと思われた豪俊の一撃は後ろ手に掲げられた吉音の片手剣でいとも簡単に止められていた。
悠「新、苦戦してるんじゃなかったのか?」
吉音「え?そんな風に見えてた?」
悠「いや、お前防戦一方だったろ。」
吉音「んっとね…ちょっと考え事してたんだよ」
悠「考え…事?」
吉音「ずっと思い出そうとしてたけど、やっぱりあなたのこと覚えてないや。」
豪俊「なに…?」
吉音「ミッキーにあってるはずだっていわれたんだけど、全然思い出せなくて。さっき当てずっぽうで聞いてみたら、あたしのことは知ってるっていうし。悪いなぁ……と思ってずっと考えてたんだけどやっぱり無理でした」
悠「じゃ、最初から相手にしてなかったっていうのか」
吉音「えへへ♪」
豪俊「貴様、負け惜しみもいい加減に…」
吉音「パワーも~」
大上段からかけられている豪俊の剣のプレッシャーを片腕で押し返していく。
豪俊「な、なんだと…」
吉音「ス、ピ、ー、ド、もっ!」
パワーで豪俊の剣を跳ね上げた新は、くるりと振り返り、一瞬のうちに四点を打ち込んだ。
豪俊「ぐ……ぐあっ!?」
吉音「全然なってないよ、豪俊くん。」
四発の打撃を受けぐらつく豪俊。
豪俊「お、おのれ……」
吉音「それじゃ……すこーしだけ本気を出すよ♪」
豪俊「ひっ……」
吉音「やああぁぁぁっっ!」
目にも止まらぬ連撃というのはこういうことか。休む暇もなく、あらゆる角度から剣が突き出され、振り下ろされる。豪俊も受けようとはするものの、その反応スピードを、新の剣の手数が遥かに越えていた。最初は十発に一発だった命中が、五発に一発となり、今や三発に一発となっていた。自ずと新は前進し、豪俊は後退する。華奢な女の新が、がっしりとした男の豪俊を押し込んでいく様は、まるで機関車を押し返す超人の姿のように見えた。
そして……。
豪俊「はぁ……はぁ……はぁ…」
あっという間に豪俊の背は大江戸城の城門にまで追い詰められていた。
吉音「打たれ強いのはほめてあげる」
豪俊「な、何という強さだ……こんな化け物に勝てるわけがない」
吉音「化け物とはしつれいだなぁ……みんなよってたかってあたしのこと化け物だ、ゴリラだって。でもね……あたしなんかよりももっとずっと強い子がいるよ?」
豪俊「こ、これ以上の強さの者が居るというのか?」
吉音「その子の名前はね……あ!城門が!」
豪俊が背中を預けていた大江戸城の城門が突然に開きだした。
悠「新、加勢いるか?」
吉音「え?悠?」
おれの声にくるりとこちらを振り返る新。
豪俊「どこを見ている!」
豪俊は大上段から渾身の一撃を振り下ろそうとした。しまった。助けようとして逆に決定的なピンチを作ってしまった。
豪俊「なっ?」
新の頭を砕いたかと思われた豪俊の一撃は後ろ手に掲げられた吉音の片手剣でいとも簡単に止められていた。
悠「新、苦戦してるんじゃなかったのか?」
吉音「え?そんな風に見えてた?」
悠「いや、お前防戦一方だったろ。」
吉音「んっとね…ちょっと考え事してたんだよ」
悠「考え…事?」
吉音「ずっと思い出そうとしてたけど、やっぱりあなたのこと覚えてないや。」
豪俊「なに…?」
吉音「ミッキーにあってるはずだっていわれたんだけど、全然思い出せなくて。さっき当てずっぽうで聞いてみたら、あたしのことは知ってるっていうし。悪いなぁ……と思ってずっと考えてたんだけどやっぱり無理でした」
悠「じゃ、最初から相手にしてなかったっていうのか」
吉音「えへへ♪」
豪俊「貴様、負け惜しみもいい加減に…」
吉音「パワーも~」
大上段からかけられている豪俊の剣のプレッシャーを片腕で押し返していく。
豪俊「な、なんだと…」
吉音「ス、ピ、ー、ド、もっ!」
パワーで豪俊の剣を跳ね上げた新は、くるりと振り返り、一瞬のうちに四点を打ち込んだ。
豪俊「ぐ……ぐあっ!?」
吉音「全然なってないよ、豪俊くん。」
四発の打撃を受けぐらつく豪俊。
豪俊「お、おのれ……」
吉音「それじゃ……すこーしだけ本気を出すよ♪」
豪俊「ひっ……」
吉音「やああぁぁぁっっ!」
目にも止まらぬ連撃というのはこういうことか。休む暇もなく、あらゆる角度から剣が突き出され、振り下ろされる。豪俊も受けようとはするものの、その反応スピードを、新の剣の手数が遥かに越えていた。最初は十発に一発だった命中が、五発に一発となり、今や三発に一発となっていた。自ずと新は前進し、豪俊は後退する。華奢な女の新が、がっしりとした男の豪俊を押し込んでいく様は、まるで機関車を押し返す超人の姿のように見えた。
そして……。
豪俊「はぁ……はぁ……はぁ…」
あっという間に豪俊の背は大江戸城の城門にまで追い詰められていた。
吉音「打たれ強いのはほめてあげる」
豪俊「な、何という強さだ……こんな化け物に勝てるわけがない」
吉音「化け物とはしつれいだなぁ……みんなよってたかってあたしのこと化け物だ、ゴリラだって。でもね……あたしなんかよりももっとずっと強い子がいるよ?」
豪俊「こ、これ以上の強さの者が居るというのか?」
吉音「その子の名前はね……あ!城門が!」
豪俊が背中を預けていた大江戸城の城門が突然に開きだした。