ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【5】

ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー

「「「牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!」」」

鞘香『ついにッついにッッついにッッッ!!!二大王者が対峙ッッッ!!!本日結びの一番メインイベントの始まりだアアアアアアッッッッッ!!!!』

闘技会会長こと片原滅堂がVIPルームで陽気に笑って手を叩く。

滅堂「ほっほっほっ!これよこれ!この仕合を待っとったんじゃ!楽しみじゃのう熱海君。」

片目にモノクルをつけたムジテレビ会長の熱海久が静かに返事をした。

熱海「……全くですな。」

滅堂「ひょー!待ちきれんぞい!」

背後に控えている片原会長直属護衛の鉄マスクを着けた片原ミノルが険しい視線で闘技場に立つアギトを射抜いていた。

かつて【滅堂の牙】の選抜仕合でミノルとアギトは闘ったことがあった。その際、右頬が大きく抉られるほどの怪我を負い鷹山ミノルは敗れた。

鷹山「ッ……!!」

滅堂「(ほほほ……幾度敗れてもなお【牙】の座を求めるか。だからワシはお主が好きなんじゃよ。)」

「「「牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!」」」
「「「牙(きーば)!」」」

大久保「なんやなんや、えらいコールやな。少しは俺も応援せえっちゅうねん。それにしてもすや~~すごいな自分。めちゃめちゃ強いって見ただけで分かるわ~」

アギト「……」

大久保「……こらもう人間やめとるな。せやなあ…………怪獣でいうと「ゼットン」てとこやな。祝のウルトラマンも倒してしまう、どえらい奴やねん。…………けどなゼットンは最後に「人間」に倒されるんやで。んでもって俺は……「最強の人間」や。「怪獣退治」張り切っていくで~!覚悟はええか~「ゼットン」。「人間」ナオヤ・オオクボが、いてこましてやるで~。」

アギト「…………ゼットン……?…………一つ問う。」

大久保「なんや」

アギト「その「ゼットン」とやらは、強いのか?」

大久保「…………はあ?いやいやいやいや……そんなボケいらんねん。TV見てないアピールとかいらんわぁ。俺らの年頃やと「ラスボスと聞いて思いつくキャラベスト10」には入っとるやろ?」

アギト「……?「ラスボス」……?……その「ラスボス」とやらはどんな武術の使い手だ?」

大久保「お前天然かいッッ!めっちゃ絡みづらいわ!!」

ったく……浮世離れにも程があるで………どうも「ラスボス」のイメージと違うの~普通もっと威厳とかあるやん?…………でもまぁーーこのアホみたいなプレッシャーは、間違いなく「ラスボス」級やな。……上等やん。

大久保はオーソドックスな総合スタイルの構え。対するアギトはガードを下げた攻撃特化の構え。両者、戦闘準備が完了した。

レフリーチーター服部。強者を見抜く眼力はレフリー1を自負している。そのレフリーが固唾を飲んだ。

…わからん。一体、どっちが強いんだ!?!

表格闘技界最強候補の一角、大久保直也

裏武術界最強の男、加納アギト

まさに「龍虎」表と裏の全面戦争だ!!見届けたい!!!一刻でも早くッッ!!!

チーター服部「始めッッ!!」

【一回戦最終仕合開始】
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