ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【5】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
闘技場では試合の準備が整い司会の鞘香が中央に立ってマイクに語りだす。
鞘香『第14仕合!!選手入場!誰が呼んだか「殺人医師」!!誰が呼んだか「ドクター・DEATH」!!死を纏う医師がトーナメントに緊急参戦!哀れなクランケを地獄へといざなう!!地獄の門が今開いたアアアアアアッッ!!身長174センチ!体重62キロ!!闘技仕合初参戦!!!帝都大学代表闘技者、英はじめエエエエエッ!!』
紹介とともに現れた男は黒いズボン、青いワイシャツ、そして白衣という文字通り医者の普段格好であった。
英「……ああ、闘技場(ここ)はいい。死の匂いが充満しているねぇ。」
【解剖魔】英はじめ
鞘香「白衣のままで闘うんですか?」
英「ああ、それよりも、さやか君。喉を酷使しいているね。あとでこの薬を飲むといい。」
鞘香「わー!ありがとうございます。」
英はじめが登場した側の廊下では帝都大学総長、太宰由紀夫が話したことに帝都大学秘書兼看護師の吉沢心美が驚いていた。
太宰「英はじめは、日本政府から派遣された始末屋(エージェント)だ。」
心美「に……日本政府から!?英先生が!!??つまり国家公務員!!?」
太宰「左様。国家に仇名す存在を秘密裏に始末する。それが英はじめだ。」
心美「(なんか007みたい……)で、でもなんで政府の人がうちの闘技者に?」
太宰「…………政府の目的は、死刑囚坂東洋平を抹殺すること。政府は、坂東を秘密裏に消すためにトーナメントの出場を許可したのだ。」
『死刑囚』の『抹殺』と聞いて心美はクエスチョンマークを飛ばした。そして至極まっとうな意見を口にする。
心美「ええ……???死刑囚なら、普通に死刑にすればいいんじゃないですか?」
太宰「……そう単純な話ではないんだ。」
25年前19XX年――坂東洋平に最初の死刑が執行された。
だが……90分にも及ぶ死刑執行を、坂東は生き延びた!
心美「~~っ!!??そ…そんなこと。」
太宰「ああ。あり得ない。だが事実だ。以来、法相が変わる度、新たに死刑執行命令が下された。この25年の間で法相に就任したのは45名。延べ45回の死刑が執行され、奴はことごとく生き延びた。坂東は25年間、【死刑執行中】の身なのだ。」
心美「死刑……執行中……」
現在我が国で認められている死刑方法は、絞首刑のみ。
絞首刑で殺せない死刑囚の存在。
それは即ち……「法の敗北」を意味する!
このことが明るみに出れば、どうなるか想像に難しくない。過激派の連中はこぞって坂東を祭り上げるだろう。「反体制」の象徴としてね。
「強力なカリスマ」を得た連中が、一気に勢力を盛り返す可能性もある。
太宰「たった一人の死刑囚が、国家を揺るがす火種となるやもしれん。政府としては、一刻も早く坂東に死んでもらう必要があるのだよ。」
心美「な……なんだか私たち、大変なことに巻き込まれてたんですね……やりましょう学長!私たちが悪の野望を食い止めるんです!」
両手で手を取って力強くそう答えた心美。
太宰「……君は相変わらず適応が早いね。ちよっと勘違いしているようだが…」
心美「先生ー!頑張ってくださーい!お国のためでーす!!」
太宰「……」
『太宰。人体はすごいよ。特に脳はすごい。現代医学をもってしても解明できないことだらけなんだ。これは浪漫だよ。太宰。』
旧友(とも)よ……貴様は道を誤った!せめて私が引導を渡してやる。
闘技場では試合の準備が整い司会の鞘香が中央に立ってマイクに語りだす。
鞘香『第14仕合!!選手入場!誰が呼んだか「殺人医師」!!誰が呼んだか「ドクター・DEATH」!!死を纏う医師がトーナメントに緊急参戦!哀れなクランケを地獄へといざなう!!地獄の門が今開いたアアアアアアッッ!!身長174センチ!体重62キロ!!闘技仕合初参戦!!!帝都大学代表闘技者、英はじめエエエエエッ!!』
紹介とともに現れた男は黒いズボン、青いワイシャツ、そして白衣という文字通り医者の普段格好であった。
英「……ああ、闘技場(ここ)はいい。死の匂いが充満しているねぇ。」
【解剖魔】英はじめ
鞘香「白衣のままで闘うんですか?」
英「ああ、それよりも、さやか君。喉を酷使しいているね。あとでこの薬を飲むといい。」
鞘香「わー!ありがとうございます。」
英はじめが登場した側の廊下では帝都大学総長、太宰由紀夫が話したことに帝都大学秘書兼看護師の吉沢心美が驚いていた。
太宰「英はじめは、日本政府から派遣された始末屋(エージェント)だ。」
心美「に……日本政府から!?英先生が!!??つまり国家公務員!!?」
太宰「左様。国家に仇名す存在を秘密裏に始末する。それが英はじめだ。」
心美「(なんか007みたい……)で、でもなんで政府の人がうちの闘技者に?」
太宰「…………政府の目的は、死刑囚坂東洋平を抹殺すること。政府は、坂東を秘密裏に消すためにトーナメントの出場を許可したのだ。」
『死刑囚』の『抹殺』と聞いて心美はクエスチョンマークを飛ばした。そして至極まっとうな意見を口にする。
心美「ええ……???死刑囚なら、普通に死刑にすればいいんじゃないですか?」
太宰「……そう単純な話ではないんだ。」
25年前19XX年――坂東洋平に最初の死刑が執行された。
だが……90分にも及ぶ死刑執行を、坂東は生き延びた!
心美「~~っ!!??そ…そんなこと。」
太宰「ああ。あり得ない。だが事実だ。以来、法相が変わる度、新たに死刑執行命令が下された。この25年の間で法相に就任したのは45名。延べ45回の死刑が執行され、奴はことごとく生き延びた。坂東は25年間、【死刑執行中】の身なのだ。」
心美「死刑……執行中……」
現在我が国で認められている死刑方法は、絞首刑のみ。
絞首刑で殺せない死刑囚の存在。
それは即ち……「法の敗北」を意味する!
このことが明るみに出れば、どうなるか想像に難しくない。過激派の連中はこぞって坂東を祭り上げるだろう。「反体制」の象徴としてね。
「強力なカリスマ」を得た連中が、一気に勢力を盛り返す可能性もある。
太宰「たった一人の死刑囚が、国家を揺るがす火種となるやもしれん。政府としては、一刻も早く坂東に死んでもらう必要があるのだよ。」
心美「な……なんだか私たち、大変なことに巻き込まれてたんですね……やりましょう学長!私たちが悪の野望を食い止めるんです!」
両手で手を取って力強くそう答えた心美。
太宰「……君は相変わらず適応が早いね。ちよっと勘違いしているようだが…」
心美「先生ー!頑張ってくださーい!お国のためでーす!!」
太宰「……」
『太宰。人体はすごいよ。特に脳はすごい。現代医学をもってしても解明できないことだらけなんだ。これは浪漫だよ。太宰。』
旧友(とも)よ……貴様は道を誤った!せめて私が引導を渡してやる。