ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー夢:無意識空間ー
絡みつく足が首を絞めていき空気の供給を止めにかかってくる。一見すれば振りほどけそうな絡み技だがビクともせずにジワジワと体力と意識を奪っていく。
弥一『さぁ、どうする?もう終わ…』
悠『ざっ……けんじゃねぇぇェッ!!』
刹那、悠は全身の力を抜いた。より絡みついてくる足が絞り込む一瞬に生まれるわずかな隙にアレを発動して、腕力だけで弥一を投げ飛ばした。
投げだされる巨体、しかし木の葉が空を舞って静かに落ちるように弥一は自然体で着地する。
弥一『おおう。出た出た。追い詰められるとすぐソレだ。芸のない奴だぜ。まあいい。この世界なら制限はないからな。思う存分「鬼状態」になりな。』
大型の獣を思わせる常人のソレとは比べられないほどの鼓動速度と心音。血液が全身を駆け巡り身体能力を超強化させる百目鬼家の技術。
【鬼状態】
悠『ペラペラと喋りやがって……さっさと消えちまえ!!』
【鬼状態】併せ【火走り】併せ【破砕】
鬼状態で放つ超高速移動からの渾身の一撃が弥一を打った……はずだった。しかし、打たれたのは悠の方だった。弥一の拳が悠の横面にめり込んでいる。
悠『!?』
弥一『不思議か?遥かにスピードアップしたってのに、あっさりカウンターを取られたもんな。お前は【鬼状態】を過信しすぎだ。』
更に膝蹴りを打たれ血を吹きながら頭が後ろに落ちる。そのまま倒れそうになるが弥一の手が喉を掴みそれを静止する。
悠『ぐぇっ…!』
片腕一本で悠の身体が持ち上げられていく。
弥一『お前の【鬼状態】は身体能力を上昇させる代わりに動きの精細を失う。つまり、四季どころか残りの十神の一部の技が使えなくなる。身体能力でお前に劣る因幡良のようなタイプには極めて有効だが、寅や道玄のように、お前以上の身体能力を持つ相手には本来使うべきじゃねぇ。事実、お前はどっちの闘いでも大きなダメージを負っている。それだけじゃねぇ…お前の【鬼状態】の使い方は、いつか必ずお前を殺す。』
悠『ッ~~!!』
弥一『……信じろ。十神の力を。俺の教えを。それと、テメェの持ち味を……な。』
悠『な……にを……!』
意識が遠のいていく……。
闘技ドームの人通りの少ない廊下の隅、地べたに座って腕を組んだ状態で眠っている小鳥遊悠。それを見降ろしている松永工業社長の松永久秀と小間使いの城厘だ。
城「……熟睡ですね。」
久秀「はぁ…こんなところで寝るなんて。」
城「……あ、でもチャンスですよ松永さん!」
久秀「チャンス?」
城「たまには悠さんを驚かしてやりましょうよ!」
久秀「……あんた、ときどきぶっとんだ思考するわよね。」
止める間もなく(そんな気もさらさらないが)城はそーっと悠に近づいていき、揺らして驚かそうとした瞬間……。
悠「テメエェェッ!!」
カッと目を見開き大声を上げて起きた。
その異様な目覚め方にさすがの久秀もいぶかしげに声をかけた。
久秀「……悠?大丈夫なの……?」
悠「ハァハァ……ハァハァ……久秀?……城?………I珍妙な体勢で何してんだ、城?」
城「あ……別に…………ナンデモナイデス、よ?」
全身で守りの体勢に入って震える城はこれ以降、悠にイタズラを仕掛けないと誓った瞬間だった。
絡みつく足が首を絞めていき空気の供給を止めにかかってくる。一見すれば振りほどけそうな絡み技だがビクともせずにジワジワと体力と意識を奪っていく。
弥一『さぁ、どうする?もう終わ…』
悠『ざっ……けんじゃねぇぇェッ!!』
刹那、悠は全身の力を抜いた。より絡みついてくる足が絞り込む一瞬に生まれるわずかな隙にアレを発動して、腕力だけで弥一を投げ飛ばした。
投げだされる巨体、しかし木の葉が空を舞って静かに落ちるように弥一は自然体で着地する。
弥一『おおう。出た出た。追い詰められるとすぐソレだ。芸のない奴だぜ。まあいい。この世界なら制限はないからな。思う存分「鬼状態」になりな。』
大型の獣を思わせる常人のソレとは比べられないほどの鼓動速度と心音。血液が全身を駆け巡り身体能力を超強化させる百目鬼家の技術。
【鬼状態】
悠『ペラペラと喋りやがって……さっさと消えちまえ!!』
【鬼状態】併せ【火走り】併せ【破砕】
鬼状態で放つ超高速移動からの渾身の一撃が弥一を打った……はずだった。しかし、打たれたのは悠の方だった。弥一の拳が悠の横面にめり込んでいる。
悠『!?』
弥一『不思議か?遥かにスピードアップしたってのに、あっさりカウンターを取られたもんな。お前は【鬼状態】を過信しすぎだ。』
更に膝蹴りを打たれ血を吹きながら頭が後ろに落ちる。そのまま倒れそうになるが弥一の手が喉を掴みそれを静止する。
悠『ぐぇっ…!』
片腕一本で悠の身体が持ち上げられていく。
弥一『お前の【鬼状態】は身体能力を上昇させる代わりに動きの精細を失う。つまり、四季どころか残りの十神の一部の技が使えなくなる。身体能力でお前に劣る因幡良のようなタイプには極めて有効だが、寅や道玄のように、お前以上の身体能力を持つ相手には本来使うべきじゃねぇ。事実、お前はどっちの闘いでも大きなダメージを負っている。それだけじゃねぇ…お前の【鬼状態】の使い方は、いつか必ずお前を殺す。』
悠『ッ~~!!』
弥一『……信じろ。十神の力を。俺の教えを。それと、テメェの持ち味を……な。』
悠『な……にを……!』
意識が遠のいていく……。
闘技ドームの人通りの少ない廊下の隅、地べたに座って腕を組んだ状態で眠っている小鳥遊悠。それを見降ろしている松永工業社長の松永久秀と小間使いの城厘だ。
城「……熟睡ですね。」
久秀「はぁ…こんなところで寝るなんて。」
城「……あ、でもチャンスですよ松永さん!」
久秀「チャンス?」
城「たまには悠さんを驚かしてやりましょうよ!」
久秀「……あんた、ときどきぶっとんだ思考するわよね。」
止める間もなく(そんな気もさらさらないが)城はそーっと悠に近づいていき、揺らして驚かそうとした瞬間……。
悠「テメエェェッ!!」
カッと目を見開き大声を上げて起きた。
その異様な目覚め方にさすがの久秀もいぶかしげに声をかけた。
久秀「……悠?大丈夫なの……?」
悠「ハァハァ……ハァハァ……久秀?……城?………I珍妙な体勢で何してんだ、城?」
城「あ……別に…………ナンデモナイデス、よ?」
全身で守りの体勢に入って震える城はこれ以降、悠にイタズラを仕掛けないと誓った瞬間だった。