ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー大江戸城麓・大広場ー
悠「徳河……吉音?」
銀次「現徳河家宗主第一後継者、徳河吉音。それが姫君の本当の名前さ」
悠「……なにか隠してるとは思ってたけど…なるほどな。」
吉音「さぁ、これでいつでもキミを斬れるんだよ、豪俊くん。観念して罪を償いなさい。」
豪俊「くっくっく!面白いことをいうじゃないか吉音。いつでも斬れるだと?」
そういって豪俊は刀を鞘からゆっくりと抜いた。
吉音「やれやれ……ほんっとにあきらめが悪いなぁ。」
豪俊「俺はもう一度再起をかける。そのためにはお前らを倒してこの場を切り抜けねばならんのだ」
吉音「……分かった。こっちでしか話を聞いてくれないみたいだね。徳河豪俊……これからキミのした悪事を教えてあげる。ひとつ。徳河家の者でありながら、天狗党なんか作って学校にいっぱい迷惑をかけた。ふたつ。言うことを聞かないと、お店を燃やすとおどしてお金をもってこさせた。みっつ。永太くんをだまして働かせ、勝手に裏切り者にしてケガをさせた。そしてそのことで、英恵ちゃんを悲しませた。よっつ。大事な全校集会で大暴れしてみんなをびっくりさせた。いつつ。一番最悪なこと……悠を襲ってケガをさせた。いつつの悪事により、徳河豪俊とその仲間たち、この徳河吉音が、天に変わって、成敗します。いっくぞーっ!」
豪俊「かかれ!かかれ!」
天狗党幹部B「ははっ!」
天狗党幹部C「はっ!」
豪俊の命令で、最後まで残っていた天狗党が襲いかかってくる。しかし新に動じた様子はない。むしろ堂々と、正面からそれを迎え撃つ。
天狗党員A「ちぇーっ!」
吉音「そりゃああぁぁぁ!!」
相変わらずの鮮やかな剣さばき。新に斬りかかった天狗党は、瞬く間に返り討ちとなり折り重なって倒れ伏した。
強い……新の実力はいったいどこまでの…
黒天狗「……」
悠「お…」
新の太もも…もとい、剣技に見とれていたら、ジャージの天狗がこっちにゆっくりと近づいてきた。辺りの騒ぎがまるで別の空間のことで、自分は別世界でいるかのように威風堂々としていた。おれの前、互いの拳が届くか届かないかの絶妙な距離を測って歩みを止める。天狗面から鋭い視線をぶつけてきた。
威圧感のあるキツイ眼だ。この眼に睨まれるのは初めてじゃない。
悠「似合うじゃないか。え?黒天狗さん」
黒天狗は面の鼻を掴むと乱暴に投げ捨てた。仮面のしたからは見知った顔が現れる。
やつは、しっかりとテーピングを施した拳を握りしめて構えをとる。
右京山「準備は……いいか?」
準備もなにもなかったが…。おれは前髪をかきあげてゴムでしっかりと結わえた。
悠「ああ、いつでもいいぞ。」
悠「徳河……吉音?」
銀次「現徳河家宗主第一後継者、徳河吉音。それが姫君の本当の名前さ」
悠「……なにか隠してるとは思ってたけど…なるほどな。」
吉音「さぁ、これでいつでもキミを斬れるんだよ、豪俊くん。観念して罪を償いなさい。」
豪俊「くっくっく!面白いことをいうじゃないか吉音。いつでも斬れるだと?」
そういって豪俊は刀を鞘からゆっくりと抜いた。
吉音「やれやれ……ほんっとにあきらめが悪いなぁ。」
豪俊「俺はもう一度再起をかける。そのためにはお前らを倒してこの場を切り抜けねばならんのだ」
吉音「……分かった。こっちでしか話を聞いてくれないみたいだね。徳河豪俊……これからキミのした悪事を教えてあげる。ひとつ。徳河家の者でありながら、天狗党なんか作って学校にいっぱい迷惑をかけた。ふたつ。言うことを聞かないと、お店を燃やすとおどしてお金をもってこさせた。みっつ。永太くんをだまして働かせ、勝手に裏切り者にしてケガをさせた。そしてそのことで、英恵ちゃんを悲しませた。よっつ。大事な全校集会で大暴れしてみんなをびっくりさせた。いつつ。一番最悪なこと……悠を襲ってケガをさせた。いつつの悪事により、徳河豪俊とその仲間たち、この徳河吉音が、天に変わって、成敗します。いっくぞーっ!」
豪俊「かかれ!かかれ!」
天狗党幹部B「ははっ!」
天狗党幹部C「はっ!」
豪俊の命令で、最後まで残っていた天狗党が襲いかかってくる。しかし新に動じた様子はない。むしろ堂々と、正面からそれを迎え撃つ。
天狗党員A「ちぇーっ!」
吉音「そりゃああぁぁぁ!!」
相変わらずの鮮やかな剣さばき。新に斬りかかった天狗党は、瞬く間に返り討ちとなり折り重なって倒れ伏した。
強い……新の実力はいったいどこまでの…
黒天狗「……」
悠「お…」
新の太もも…もとい、剣技に見とれていたら、ジャージの天狗がこっちにゆっくりと近づいてきた。辺りの騒ぎがまるで別の空間のことで、自分は別世界でいるかのように威風堂々としていた。おれの前、互いの拳が届くか届かないかの絶妙な距離を測って歩みを止める。天狗面から鋭い視線をぶつけてきた。
威圧感のあるキツイ眼だ。この眼に睨まれるのは初めてじゃない。
悠「似合うじゃないか。え?黒天狗さん」
黒天狗は面の鼻を掴むと乱暴に投げ捨てた。仮面のしたからは見知った顔が現れる。
やつは、しっかりとテーピングを施した拳を握りしめて構えをとる。
右京山「準備は……いいか?」
準備もなにもなかったが…。おれは前髪をかきあげてゴムでしっかりと結わえた。
悠「ああ、いつでもいいぞ。」