ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー大江戸城麓・大広場ー
豪俊「くっ…」
閉ざされた城門に阻まれ、ついに豪俊とその仲間たちの足が止まる。
銀次「もう逃げられないようだぜ?ここらで観念したらどうだい?」
天狗党幹部C「だ、黙れ!お前のような得体の知れん奴にいわれたくない!」
銀次「得体の知れん奴は随分じゃないか?分からないなら知り合おうぜ!」
天狗党幹部C「だ、誰が…!」
豪俊「俺は、徳河の人間だぞ?どこの馬の骨とも分からん貴様らに剣を向けられるのか?」
やけくそともいえる理屈ですごんでくる豪俊。
悠「どうする、新?」
新「もちろん捕まえるよ。ミッキーと約束したからね」
悠「ぶっちゃけおれには徳河の重さとかはイマイチ分からんのだけどな」
新「ホントはね……あたしだってよく分からないんだ」
悠「あー?」
新は答えず、何かの覚悟を決めたような面持ちで顔を上げた。
豪俊「徳河の家紋を斬れるものがいるか?俺を斬れるものがいるか!?」
新「ここにいるよ!」
新はそう答えると豪俊たちに向かって踏み出した。
豪俊「おのれ、下賤め!後でどうなっても知らんぞ!」
新「……マゴベエ」
マゴベエ『ピューイッ』
新は傍らを飛ぶマゴベエに何かを促した。マゴベエもそれに頷いたように見えた。
新「悠……あたし悠にひとつ内緒にしてたことがあるんだ」
悠「あー?こんなときになんだ?」
新「この仕合が終わったらみんな話す。そしてみてて……あたし…」
マゴベエ『ピュイーーッ』
新の頭上でホバリングしていたマゴベエが一声高く鳴くと新の制服が急にまぶしく光放ち出した。
悠「な、なんだ?」
そしてマゴベエが羽ばたくたびに、燐光は散るように消えていく。しかしその下から現れた新の制服の色味は、まばゆい純白へ変化していた。
最初は目の錯覚だと思った。だが、そうではなかった。変わっていくのは色味だけではない。袖には次第に紋が浮かびあがってくる。
その紋には見覚えがあった。しかもついさっき見たあの紋だった。
悠「あれはまさか…」
銀次「そのまさかってやつだぜ。彼女はプリンセスなのさ」
光が全て飛ばされるとそこには純白の制服に黄金の紋を浮かべた新の姿があった。
天狗党幹部B「あ、あの家紋は…」
天狗党幹部C「あの、み、三つ葉は…」
天狗たちの方も気づいたようだ。
新「これであなたと同じだよ」
豪俊「ば、馬鹿な…徳河の名を騙る不届き者だろう」
新「はぁ…往生際が悪いなぁ。もっと近くにいくから、ちゃんと見てみて?」
新はゆっくりと豪俊たちの方へと歩いていく。
新「今年のお正月にも会ってると思うんだけどな~」
豪俊「し、知らん、お前の顔なんかしらん。」
新「徳河豪俊!目をそらさないであたしの顔を見なさい!」
豪俊「ぐっ…」
新「あたしの顔を見忘れたか!!」
豪俊「お、お前…まさか…吉音(よしね)……徳河吉音か!?」
吉音「大・正・解!」
豪俊「くっ…」
閉ざされた城門に阻まれ、ついに豪俊とその仲間たちの足が止まる。
銀次「もう逃げられないようだぜ?ここらで観念したらどうだい?」
天狗党幹部C「だ、黙れ!お前のような得体の知れん奴にいわれたくない!」
銀次「得体の知れん奴は随分じゃないか?分からないなら知り合おうぜ!」
天狗党幹部C「だ、誰が…!」
豪俊「俺は、徳河の人間だぞ?どこの馬の骨とも分からん貴様らに剣を向けられるのか?」
やけくそともいえる理屈ですごんでくる豪俊。
悠「どうする、新?」
新「もちろん捕まえるよ。ミッキーと約束したからね」
悠「ぶっちゃけおれには徳河の重さとかはイマイチ分からんのだけどな」
新「ホントはね……あたしだってよく分からないんだ」
悠「あー?」
新は答えず、何かの覚悟を決めたような面持ちで顔を上げた。
豪俊「徳河の家紋を斬れるものがいるか?俺を斬れるものがいるか!?」
新「ここにいるよ!」
新はそう答えると豪俊たちに向かって踏み出した。
豪俊「おのれ、下賤め!後でどうなっても知らんぞ!」
新「……マゴベエ」
マゴベエ『ピューイッ』
新は傍らを飛ぶマゴベエに何かを促した。マゴベエもそれに頷いたように見えた。
新「悠……あたし悠にひとつ内緒にしてたことがあるんだ」
悠「あー?こんなときになんだ?」
新「この仕合が終わったらみんな話す。そしてみてて……あたし…」
マゴベエ『ピュイーーッ』
新の頭上でホバリングしていたマゴベエが一声高く鳴くと新の制服が急にまぶしく光放ち出した。
悠「な、なんだ?」
そしてマゴベエが羽ばたくたびに、燐光は散るように消えていく。しかしその下から現れた新の制服の色味は、まばゆい純白へ変化していた。
最初は目の錯覚だと思った。だが、そうではなかった。変わっていくのは色味だけではない。袖には次第に紋が浮かびあがってくる。
その紋には見覚えがあった。しかもついさっき見たあの紋だった。
悠「あれはまさか…」
銀次「そのまさかってやつだぜ。彼女はプリンセスなのさ」
光が全て飛ばされるとそこには純白の制服に黄金の紋を浮かべた新の姿があった。
天狗党幹部B「あ、あの家紋は…」
天狗党幹部C「あの、み、三つ葉は…」
天狗たちの方も気づいたようだ。
新「これであなたと同じだよ」
豪俊「ば、馬鹿な…徳河の名を騙る不届き者だろう」
新「はぁ…往生際が悪いなぁ。もっと近くにいくから、ちゃんと見てみて?」
新はゆっくりと豪俊たちの方へと歩いていく。
新「今年のお正月にも会ってると思うんだけどな~」
豪俊「し、知らん、お前の顔なんかしらん。」
新「徳河豪俊!目をそらさないであたしの顔を見なさい!」
豪俊「ぐっ…」
新「あたしの顔を見忘れたか!!」
豪俊「お、お前…まさか…吉音(よしね)……徳河吉音か!?」
吉音「大・正・解!」