ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー絶命闘技会ドーム:選手登場口付近ー
沢田慶三郎は呼吸を整えユリウスを捉える。
好都合!ハゲのお陰でタイマンに持ちこめたわ。これなら勝てる!
ユリウス「どうした?かかってこんのか?」
慶三郎「フンッ!せっかちねぇ。それじゃモテないわよ?さっきも言ったでしょ?アンタ達に理科の授業をしてあげるって。生徒は四の五の言わないでかかってきなさいっ!!ただし、授業料は高くつくわよ♪」
ユリウス「…わかった。行くぞ!」
全身でぶちかますようにアメフト選手のタックルのような構えで前進するのに対して、沢田は身体を捩じり、その場で回り始める。速度は増していき高速で回転し始めた姿は竜巻。
この男、回転を利用して、威力を上げるつもりか。笑止!貴様の狙いは……【中段後ろ回し蹴り】。
威力を増した蹴りで、アバラをへし折るつもりか!馬鹿がっ!!もろとも吹き飛ばしてくれるわ!!
ユリウス・ラインホルトの肩から上腕二頭筋にかけての筋肉がボゴォッと膨れ上がる。
そこを狙うように回転からの蹴りが炸裂……せずに空を切る。つまりは……空振りである。これにはユリウスも驚きを隠せなかった。
しかして沢田にとっては狙い通りだった。
アンタみたいなブ男には読めないわよ女心はね♪喰らいなさいッ!渾身のG(加速度)を乗せた致命の一撃を!!!
圧倒的強者ゆえの慢心。沢田の「刃」は、ユリウスの「首(弱点)」へと到達した…………かに思えた。
蹴りを受けて曲がったユリウスの首が戻っていく。
慶三郎「ッ(僧帽筋で受け止めた!?)」
平然とした様子で自身の首にめり込んでいる足を掴み、そのまま上へと持ち上げていった。
ユリウス「……頸椎を狙った蹴り…これが貴様の「技」か?くだらんな。」
ゴキンッ!!と固い物が砕ける音…。文字通り掴んでいる足の骨を握りつぶしたのだ。
慶三郎「ギッ……ァァァアァァァァァッァアア!!」
その激痛に沢田慶三郎は悲鳴を上げた。
ユリウス「技だ理合だ極意だと貴様らはいつも騒ぎ立てる。そんなものは所詮、弱者の戯言。」
砕いた足を掴んだままユリウスは後ろに向いて歩きだした。
慶三郎「テメェエエエエッ!フーッ!よくもっよくもオオオオオオッッッ!!俺の足を……」
ユリウス「真の強者に……技など不要!」
巨人は壁に向かってゴミでも捨てるように放り投げた。その衝撃たるや、コンクリが砕け叩きつけられた沢田は血反吐を吐いて崩れ落ちる。
戸川「沢田アッ!!」
好子が叫ぶも慶三郎は虫の息だ。
ユリウス「…………ふむ……念のためだ。左足も折っておこう。」
崩れ落ちている沢田の左足に向かって腕を伸ばそうとするユリウスだったが突然、頭に軽い何かが当たった。床に落ちてカランッと音を立てて転がるそれは……空き缶。
蓮「???」
戸川「???」
ユリウス「……何…?」
二階堂蓮も戸川好子もユリウス・ラインホルトすらも何が起こったのかわからなかった。
そして、振りかぶり終わった体勢で声漏らす少女がひとり……。
城「あ…」
ユリウス「………新手か。」
沢田慶三郎は呼吸を整えユリウスを捉える。
好都合!ハゲのお陰でタイマンに持ちこめたわ。これなら勝てる!
ユリウス「どうした?かかってこんのか?」
慶三郎「フンッ!せっかちねぇ。それじゃモテないわよ?さっきも言ったでしょ?アンタ達に理科の授業をしてあげるって。生徒は四の五の言わないでかかってきなさいっ!!ただし、授業料は高くつくわよ♪」
ユリウス「…わかった。行くぞ!」
全身でぶちかますようにアメフト選手のタックルのような構えで前進するのに対して、沢田は身体を捩じり、その場で回り始める。速度は増していき高速で回転し始めた姿は竜巻。
この男、回転を利用して、威力を上げるつもりか。笑止!貴様の狙いは……【中段後ろ回し蹴り】。
威力を増した蹴りで、アバラをへし折るつもりか!馬鹿がっ!!もろとも吹き飛ばしてくれるわ!!
ユリウス・ラインホルトの肩から上腕二頭筋にかけての筋肉がボゴォッと膨れ上がる。
そこを狙うように回転からの蹴りが炸裂……せずに空を切る。つまりは……空振りである。これにはユリウスも驚きを隠せなかった。
しかして沢田にとっては狙い通りだった。
アンタみたいなブ男には読めないわよ女心はね♪喰らいなさいッ!渾身のG(加速度)を乗せた致命の一撃を!!!
圧倒的強者ゆえの慢心。沢田の「刃」は、ユリウスの「首(弱点)」へと到達した…………かに思えた。
蹴りを受けて曲がったユリウスの首が戻っていく。
慶三郎「ッ(僧帽筋で受け止めた!?)」
平然とした様子で自身の首にめり込んでいる足を掴み、そのまま上へと持ち上げていった。
ユリウス「……頸椎を狙った蹴り…これが貴様の「技」か?くだらんな。」
ゴキンッ!!と固い物が砕ける音…。文字通り掴んでいる足の骨を握りつぶしたのだ。
慶三郎「ギッ……ァァァアァァァァァッァアア!!」
その激痛に沢田慶三郎は悲鳴を上げた。
ユリウス「技だ理合だ極意だと貴様らはいつも騒ぎ立てる。そんなものは所詮、弱者の戯言。」
砕いた足を掴んだままユリウスは後ろに向いて歩きだした。
慶三郎「テメェエエエエッ!フーッ!よくもっよくもオオオオオオッッッ!!俺の足を……」
ユリウス「真の強者に……技など不要!」
巨人は壁に向かってゴミでも捨てるように放り投げた。その衝撃たるや、コンクリが砕け叩きつけられた沢田は血反吐を吐いて崩れ落ちる。
戸川「沢田アッ!!」
好子が叫ぶも慶三郎は虫の息だ。
ユリウス「…………ふむ……念のためだ。左足も折っておこう。」
崩れ落ちている沢田の左足に向かって腕を伸ばそうとするユリウスだったが突然、頭に軽い何かが当たった。床に落ちてカランッと音を立てて転がるそれは……空き缶。
蓮「???」
戸川「???」
ユリウス「……何…?」
二階堂蓮も戸川好子もユリウス・ラインホルトすらも何が起こったのかわからなかった。
そして、振りかぶり終わった体勢で声漏らす少女がひとり……。
城「あ…」
ユリウス「………新手か。」