ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー絶命闘技会ドーム:廊下ー
仕合を終えて悠は久秀たちと合流してた、軽く手を上げて軽い調子で挨拶を交わした。
悠「よっす。」
久秀「まずは一回戦お疲れ様。」
凛「お疲れさまッス!」
城「さすがです悠さん!あの、夜見さんの消える手を完全にものにしていたんですね!でも、なんで消える手からどうして打撃が出せたんですか!あとあと……」
興味津々でじゃれついてくる仔犬のように怒涛の質問攻めに悠は一度微笑むとおでこデコピンを放った。
悠「うるせぇ」
城「ぎゃん!」
久秀「この調子で二回戦も頑張ってちょうだいね。」
悠「おう」
和気あいあい(?)に話していると背後から若い男の声が聞こえた。
「一回戦突破、おめでとうございます…」
振り返ってみると品のいい銀縁眼鏡をかけたスーツのペナソニック社長、瓜田数寄造が真顔で立っていた。
久秀「あら、瓜田社長」
瓜田「予想だにしませんでしたよ。ウチが一回戦で消えることになるとはね……」
悠「誰だ?」
凛「因幡選手の雇用主の瓜田社長ッスよ。」
瓜田数寄造の視線が悠に向いた。上から下まで吟味するように見定めると久秀の方へと向き直り口を開く。
瓜田「小鳥遊悠。君の力を見誤ったことが我々の敗因だ。結果は絶対です。早速、約束の物をお渡ししますよ。」
少し大きめの茶封筒を取りだすと中から何か質の良さそうな紙を取りだす。それはペナソニック株の10%。
久秀は今まで見せたこともないような微笑みを向ける。
久秀「あらあら、なんだか申し訳ないわねぇ♪それじやあ遠慮なく」
悠「いらねぇよ。」
「「えっ?」」
久秀「は?」
瓜田と久秀の間に割り込むように悠が入ってNOを突き付けた。
悠「何をくれるのか知らないが、そんなもんどうでもいい。」
瓜田「な、何を……」
悠「おれも因幡良もそんなもんの為に闘ったわけじゃない。どっちが強いのか比べてみたかっただけだ。「おれ達の闘い」に、余計なもんを持ちこむんじゃねぇよ。」
久秀「ちょっと」
悠「おれだけじゃない。きっとこいつもそう思ってるぜ、なあ、久秀?」
久秀「あのねぇ…」
瓜田「ま、松永社長…貴女という人は…いえ……そういう訳にはいきません。闘技会の賭けの結果は絶対。何卒、受け取っていただきたい!さあ、松永社長!」
差し出される書類を久秀は一瞥すると大きくため息をついた。
久秀「……さあ、何のことかしら?アナタと賭けなんてした覚えはありませんけど?」
瓜田「松永社長!」
久秀「「賭けは最初からなかった」それでいいじゃありませんか…血を流して闘った闘技者(かれら)の意思は尊重しないとね。じゃあ…私たちはこれで。」
そういうと久秀は書類を受け取らず瓜田に背を向けて歩き出した。悠もそれに続く。
瓜田「あ!ちょっと!……完敗だな…」
松永久秀…なんて大きな女性だ。
しばらく歩いた後、悠は久秀に礼を言った。
悠「久秀、ありがとよ。」
久秀「いいわよ。これでペナソニックに大きな貸しができたし名も売れたわ。場合によったらのちのち株よりも便利なカードになるかもしれないしね。」
転んでもただでは起きない、それが松永久秀である。
凛「あ、そろそろお昼ッスね」
悠「動いたから腹減った。何ガッツリと肉食いたいな肉。」
なんて話しているとダダッ、ダダダッ、ダダダダッと鋭い足音が背後から近づいてきた。何だと振り返るよりも一拍早く何かが悠の背中に飛びついた。
迦楼羅「悠ッ!」
悠「ぐっっえ!」
全身で抱きつくと言えばいいのだろうか両足で胴体、右手は頭左手は首に回してギュっと締め上げている。
仕合を終えて悠は久秀たちと合流してた、軽く手を上げて軽い調子で挨拶を交わした。
悠「よっす。」
久秀「まずは一回戦お疲れ様。」
凛「お疲れさまッス!」
城「さすがです悠さん!あの、夜見さんの消える手を完全にものにしていたんですね!でも、なんで消える手からどうして打撃が出せたんですか!あとあと……」
興味津々でじゃれついてくる仔犬のように怒涛の質問攻めに悠は一度微笑むとおでこデコピンを放った。
悠「うるせぇ」
城「ぎゃん!」
久秀「この調子で二回戦も頑張ってちょうだいね。」
悠「おう」
和気あいあい(?)に話していると背後から若い男の声が聞こえた。
「一回戦突破、おめでとうございます…」
振り返ってみると品のいい銀縁眼鏡をかけたスーツのペナソニック社長、瓜田数寄造が真顔で立っていた。
久秀「あら、瓜田社長」
瓜田「予想だにしませんでしたよ。ウチが一回戦で消えることになるとはね……」
悠「誰だ?」
凛「因幡選手の雇用主の瓜田社長ッスよ。」
瓜田数寄造の視線が悠に向いた。上から下まで吟味するように見定めると久秀の方へと向き直り口を開く。
瓜田「小鳥遊悠。君の力を見誤ったことが我々の敗因だ。結果は絶対です。早速、約束の物をお渡ししますよ。」
少し大きめの茶封筒を取りだすと中から何か質の良さそうな紙を取りだす。それはペナソニック株の10%。
久秀は今まで見せたこともないような微笑みを向ける。
久秀「あらあら、なんだか申し訳ないわねぇ♪それじやあ遠慮なく」
悠「いらねぇよ。」
「「えっ?」」
久秀「は?」
瓜田と久秀の間に割り込むように悠が入ってNOを突き付けた。
悠「何をくれるのか知らないが、そんなもんどうでもいい。」
瓜田「な、何を……」
悠「おれも因幡良もそんなもんの為に闘ったわけじゃない。どっちが強いのか比べてみたかっただけだ。「おれ達の闘い」に、余計なもんを持ちこむんじゃねぇよ。」
久秀「ちょっと」
悠「おれだけじゃない。きっとこいつもそう思ってるぜ、なあ、久秀?」
久秀「あのねぇ…」
瓜田「ま、松永社長…貴女という人は…いえ……そういう訳にはいきません。闘技会の賭けの結果は絶対。何卒、受け取っていただきたい!さあ、松永社長!」
差し出される書類を久秀は一瞥すると大きくため息をついた。
久秀「……さあ、何のことかしら?アナタと賭けなんてした覚えはありませんけど?」
瓜田「松永社長!」
久秀「「賭けは最初からなかった」それでいいじゃありませんか…血を流して闘った闘技者(かれら)の意思は尊重しないとね。じゃあ…私たちはこれで。」
そういうと久秀は書類を受け取らず瓜田に背を向けて歩き出した。悠もそれに続く。
瓜田「あ!ちょっと!……完敗だな…」
松永久秀…なんて大きな女性だ。
しばらく歩いた後、悠は久秀に礼を言った。
悠「久秀、ありがとよ。」
久秀「いいわよ。これでペナソニックに大きな貸しができたし名も売れたわ。場合によったらのちのち株よりも便利なカードになるかもしれないしね。」
転んでもただでは起きない、それが松永久秀である。
凛「あ、そろそろお昼ッスね」
悠「動いたから腹減った。何ガッツリと肉食いたいな肉。」
なんて話しているとダダッ、ダダダッ、ダダダダッと鋭い足音が背後から近づいてきた。何だと振り返るよりも一拍早く何かが悠の背中に飛びついた。
迦楼羅「悠ッ!」
悠「ぐっっえ!」
全身で抱きつくと言えばいいのだろうか両足で胴体、右手は頭左手は首に回してギュっと締め上げている。