ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
開始の合図と同時に二人の男は前へと駆けだした。ロケットのような勢いで二つの黒い塊が距離を詰めていく。
悠は拳の届く間合いに達すると腕を振るおうとしたが因幡の身体がガクッと落ちた地面すれすれまで上半身を下げるとかなり低い位置か抉り込むような鋭い手刀を打ちだした。
悠は握っていた拳を解くと腕を振って手の甲で因幡の手刀を薙いだ。するとあらぬ方向に曲がって伸びた。
因幡「!!」
妙な力の流れが働いて腕と一緒に上半身も起き上がっていく。
悠「オラァッ!」
持ち上がった上半身に四連攻撃を仕掛けた。直撃……とはならず腕や膝を上げた腿でガードされてしまう。
因幡「~~!」
悠のスピードは因幡の想定をはるかに上回っていた。それでも冷静に自分のベストなポジションを陣取ろうと再び体躯を低く下げ、悠の足を取ろうとする。しかし、取ろうとした足は大きく振り上がっていた。そのまま斜めに振り降ろし因幡の頭部を地面へと蹴り飛ばした。
悠「!?」
渾身の一撃が入ったと思いきやキッチリと腕でガードされ、横倒れの奇妙な体勢から蹴り返してきた。上半身を反らして回避すると因幡はびょんっと跳ねた、そして少し離れた位置でカエルの様な体勢で着地する。
二人は再び互いに間合いを詰める。下から上へと打撃を放つ因幡と上から下へと攻める悠。
鞘香『こ、これは凄い撃ちあい!!実況を挟む余裕がありません!!』
ジェリー『立ち上がりはホボ互角デース!!』
城「……(いや!違う!)」
明らかに悠さんの方が上手だ!
撃ちあっていった刹那、悠が両手を大きく開くと因幡の両手も開かされた。がら空きになった腹にミドルキックが炸裂する。
因幡「ガボッ~ッ!!」
蹴りを受けて体重の軽い因幡は後ろに吹き飛ばされた。なんとか立っては居るもののヨロッと揺れている。
好機とばかりに悠は追撃の手を止めない。拳を顔面に叩きこもうとしたがするりと流れるように避けられてしまった。
悠「!!」
因幡がよろよろと動きだす。それは弱っているからではない。そういう歩法なのだと気がついた。ぬるりとした独特の動きで悠を中心に円にに動き始める。揺れる黒髪の隙間かギョロっと見つめてくる目玉は悠を捉え続けている。
因幡「フシュー」
悠「このっ!」
拳を放つも捉えたのは残像、因幡は側面へと移っている。舌打ちをしつつ腕を払って頭を打とうとするとも、やはりヌルゥッと不気味な動きで避けて死角へ回り込んでくる。
それはまさに黒呪の亡霊だ。
城「な、なんですかあれ……。」
久秀「明らかに因幡の動きが変わったわね…。」
常に死角へと回りこみ悠の攻撃の手が止まるとその隙をついて掌底を浴びせてくる。1発1発の威力はさほどでもないのだが、芯、骨に響く打撃を連射してくる。
悠「チッ、チッ……」
撃てば避けられ、止まれば死角からの連射、そんな風に翻弄されていくうちに因幡は右の掌を鋭い手刀に切り替え下段から悠の顔を貫こうと仕掛ける。
掌打と見誤り、ガードをすり抜けくる手刀とっさに頭を振るが凶刃が頬を切り裂いた。
開始の合図と同時に二人の男は前へと駆けだした。ロケットのような勢いで二つの黒い塊が距離を詰めていく。
悠は拳の届く間合いに達すると腕を振るおうとしたが因幡の身体がガクッと落ちた地面すれすれまで上半身を下げるとかなり低い位置か抉り込むような鋭い手刀を打ちだした。
悠は握っていた拳を解くと腕を振って手の甲で因幡の手刀を薙いだ。するとあらぬ方向に曲がって伸びた。
因幡「!!」
妙な力の流れが働いて腕と一緒に上半身も起き上がっていく。
悠「オラァッ!」
持ち上がった上半身に四連攻撃を仕掛けた。直撃……とはならず腕や膝を上げた腿でガードされてしまう。
因幡「~~!」
悠のスピードは因幡の想定をはるかに上回っていた。それでも冷静に自分のベストなポジションを陣取ろうと再び体躯を低く下げ、悠の足を取ろうとする。しかし、取ろうとした足は大きく振り上がっていた。そのまま斜めに振り降ろし因幡の頭部を地面へと蹴り飛ばした。
悠「!?」
渾身の一撃が入ったと思いきやキッチリと腕でガードされ、横倒れの奇妙な体勢から蹴り返してきた。上半身を反らして回避すると因幡はびょんっと跳ねた、そして少し離れた位置でカエルの様な体勢で着地する。
二人は再び互いに間合いを詰める。下から上へと打撃を放つ因幡と上から下へと攻める悠。
鞘香『こ、これは凄い撃ちあい!!実況を挟む余裕がありません!!』
ジェリー『立ち上がりはホボ互角デース!!』
城「……(いや!違う!)」
明らかに悠さんの方が上手だ!
撃ちあっていった刹那、悠が両手を大きく開くと因幡の両手も開かされた。がら空きになった腹にミドルキックが炸裂する。
因幡「ガボッ~ッ!!」
蹴りを受けて体重の軽い因幡は後ろに吹き飛ばされた。なんとか立っては居るもののヨロッと揺れている。
好機とばかりに悠は追撃の手を止めない。拳を顔面に叩きこもうとしたがするりと流れるように避けられてしまった。
悠「!!」
因幡がよろよろと動きだす。それは弱っているからではない。そういう歩法なのだと気がついた。ぬるりとした独特の動きで悠を中心に円にに動き始める。揺れる黒髪の隙間かギョロっと見つめてくる目玉は悠を捉え続けている。
因幡「フシュー」
悠「このっ!」
拳を放つも捉えたのは残像、因幡は側面へと移っている。舌打ちをしつつ腕を払って頭を打とうとするとも、やはりヌルゥッと不気味な動きで避けて死角へ回り込んでくる。
それはまさに黒呪の亡霊だ。
城「な、なんですかあれ……。」
久秀「明らかに因幡の動きが変わったわね…。」
常に死角へと回りこみ悠の攻撃の手が止まるとその隙をついて掌底を浴びせてくる。1発1発の威力はさほどでもないのだが、芯、骨に響く打撃を連射してくる。
悠「チッ、チッ……」
撃てば避けられ、止まれば死角からの連射、そんな風に翻弄されていくうちに因幡は右の掌を鋭い手刀に切り替え下段から悠の顔を貫こうと仕掛ける。
掌打と見誤り、ガードをすり抜けくる手刀とっさに頭を振るが凶刃が頬を切り裂いた。