ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー絶命闘技会ドーム:闘技場ー
インドラと称えられた男は全身の肉をいっぱいいっぱいに包んでいたオーバーオールに隙間ができるほどの変化を遂げている。
春男「フーフー」
未だ意識ははっきりしておらず闘争心だけで動く巨人。そして、なんとか再度「間」を測り終えそうになって瞬花の声が阿古谷の耳に飛ぶ。
瞬花『お待たせ阿古谷。まもなく修正完了だよ。』
しかし、返答はたったの一言。
阿古谷「…必要ない。時間切れだ檜山。」
春男「うおぉぉっ!」
ガードの上からインドラの拳が阿古谷を叩き潰した。そのまま仰向けに倒れ、超巨拳の雨が降り注ぐ。
鞘香『あああーーー!!これは強烈!!プレス機ばりのマウントの雨あられだだァァァァ!!阿古谷選手もはや為す術なしか!?』
まだガードは崩してないもののもはやあまり意味はないだろう。止むことの無い拳の連打。瞬花はどこか力なく眺めながら伝令を続ける。
瞬花『……阿古谷……ねえ聞こえる?後15秒……いや、12秒で解析が終わるんだ。阿古谷……お願いだから……私の指示に従って……』
阿古谷「くどいぞ檜山。時間切れだといったはずだ。」
春男「ヴオオッ!」
インドラの化身は止まらない、何十発もの拳を振り降ろし続ける。しかし……阿古谷清秋の目は今だ死んでおらず冷徹に睨みを利かせていた。
阿古谷「河野春男は死ぬ。貴様の無能のせいでな。」
春男「ヌウウッ!」
トドメとばかりに右拳を振り上げた巨大な腕に筋肉がボコボコと流動し力が限界まで込めて振り降ろした。
阿古谷「河野春男。我が正義のために死ね。」
拳が振り降ろされる最中『ブチッ』とゴムが千切れるような音がした。同時に春男の身体が左に崩れ落ちる。
阿古谷「!?」
瞬花『!?』
レフリー山本「!?」
「「「「!?」」」」
阿古谷も檜山、レフリー山本、そして観客全員が息を飲んだ。
春男「イ゛ッ……イ゛ダア゛ア゛ア゛ア゛!!」
春男が左ひざを押さえて悶絶する。
限界だったのだ。超重量級の春男の膝には日ごろから尋常ならざる負担がかかっていたはず。それに加えて、阿古谷の強烈な下段回し蹴りを喰らい、膝の耐久力は限界に達していたのだ。
阿古谷は立ち上がると膝を抱えて叫んでいる春男の顔を前蹴りでかち上げた。
阿古谷「……命拾いしたな。」
口からいくつもの砕けた歯がこぼれ顔が潰れるほどの蹴りを受け、今度こそ本当に春男は意識を完全に手放した。
レフリー山本「わっ……しょっ、勝負あり!!勝者ッッ阿古谷清秋!!」
阿古谷「正義は不滅だ。」
レフリーの決着宣言に観客はうおぉっと叫びをあげた。春男の雇い主である河野秋男は泡を吹いて倒れている。
ヤク「ハル…ッ!」
長老「(ハル…このまま堕ちるか悔い改めるか道を選ぶのはお前次第じゃぞ。)」
小鳥遊グループの社長、小鳥遊兜馬が闘技者の初見泉に声をかけた。
兜馬「泉。どうだ?」
初見「ああ。相変わらずとんでもねえ。あの化け物の嵐みてえなパウンドを「全弾、芯をずらして」受けきりやがった。阿古谷清秋。鉄壁の守備力は闘技者随一。警視庁もとんだ怪物を飼ってやがるぜ。」
勝利宣言を受けた阿古谷は自分足で闘技者登場通路へと歩いていく。そこに小走りで檜山瞬花がやってきた。
瞬花「阿古谷!……ごめん。想定外の動きに動揺して、解析が遅れちゃった…」
言い終わる瞬間、パチンッと鋭い平手打ちが檜山の頬を打った。首は横へ向き唇から鮮血が零れ落ちる。
阿古谷「いいわけは必要ない。貴様は足手まといになった。それが事実だ。失望したぞ檜山。二回戦は俺だけで闘う。」
瞬花「そ……それはダメだよ阿古谷……そんなことをしたら君は……お願いだから考え直してよ…二度とミスはしないから……君が望むなら何でもするから……見捨てないで……阿古谷……」
阿古谷「…………フゥ……仕置きは後だ。次は無いぞ檜山。」
檜山瞬花の唇から垂れ落ちる血を親指で乱暴に拭うと阿古谷はそのまま歩いていく。
瞬花「…………了解…」
打たれた頬に手を置いてわずかに頬をピンク色に上気させた檜山は微笑んでいた。
次の仕合の闘技者の控室の扉がノックされた。
「失礼しまーす。魏雷庵選手いらっしゃいますかー?そろそろ準備をお願いしま……ヒィィッ!」
伝えにやった来た女性が腰を抜かした。
雷庵「……へっ。騒ぐんじゃねぇよメスブタが。少し待ってろ。今、「準備をしてくる」ぜ。」
アンダーマウント社代表闘技者:魏雷庵
暗殺一家、魏一族最凶の男、出陣。
インドラと称えられた男は全身の肉をいっぱいいっぱいに包んでいたオーバーオールに隙間ができるほどの変化を遂げている。
春男「フーフー」
未だ意識ははっきりしておらず闘争心だけで動く巨人。そして、なんとか再度「間」を測り終えそうになって瞬花の声が阿古谷の耳に飛ぶ。
瞬花『お待たせ阿古谷。まもなく修正完了だよ。』
しかし、返答はたったの一言。
阿古谷「…必要ない。時間切れだ檜山。」
春男「うおぉぉっ!」
ガードの上からインドラの拳が阿古谷を叩き潰した。そのまま仰向けに倒れ、超巨拳の雨が降り注ぐ。
鞘香『あああーーー!!これは強烈!!プレス機ばりのマウントの雨あられだだァァァァ!!阿古谷選手もはや為す術なしか!?』
まだガードは崩してないもののもはやあまり意味はないだろう。止むことの無い拳の連打。瞬花はどこか力なく眺めながら伝令を続ける。
瞬花『……阿古谷……ねえ聞こえる?後15秒……いや、12秒で解析が終わるんだ。阿古谷……お願いだから……私の指示に従って……』
阿古谷「くどいぞ檜山。時間切れだといったはずだ。」
春男「ヴオオッ!」
インドラの化身は止まらない、何十発もの拳を振り降ろし続ける。しかし……阿古谷清秋の目は今だ死んでおらず冷徹に睨みを利かせていた。
阿古谷「河野春男は死ぬ。貴様の無能のせいでな。」
春男「ヌウウッ!」
トドメとばかりに右拳を振り上げた巨大な腕に筋肉がボコボコと流動し力が限界まで込めて振り降ろした。
阿古谷「河野春男。我が正義のために死ね。」
拳が振り降ろされる最中『ブチッ』とゴムが千切れるような音がした。同時に春男の身体が左に崩れ落ちる。
阿古谷「!?」
瞬花『!?』
レフリー山本「!?」
「「「「!?」」」」
阿古谷も檜山、レフリー山本、そして観客全員が息を飲んだ。
春男「イ゛ッ……イ゛ダア゛ア゛ア゛ア゛!!」
春男が左ひざを押さえて悶絶する。
限界だったのだ。超重量級の春男の膝には日ごろから尋常ならざる負担がかかっていたはず。それに加えて、阿古谷の強烈な下段回し蹴りを喰らい、膝の耐久力は限界に達していたのだ。
阿古谷は立ち上がると膝を抱えて叫んでいる春男の顔を前蹴りでかち上げた。
阿古谷「……命拾いしたな。」
口からいくつもの砕けた歯がこぼれ顔が潰れるほどの蹴りを受け、今度こそ本当に春男は意識を完全に手放した。
レフリー山本「わっ……しょっ、勝負あり!!勝者ッッ阿古谷清秋!!」
阿古谷「正義は不滅だ。」
レフリーの決着宣言に観客はうおぉっと叫びをあげた。春男の雇い主である河野秋男は泡を吹いて倒れている。
ヤク「ハル…ッ!」
長老「(ハル…このまま堕ちるか悔い改めるか道を選ぶのはお前次第じゃぞ。)」
小鳥遊グループの社長、小鳥遊兜馬が闘技者の初見泉に声をかけた。
兜馬「泉。どうだ?」
初見「ああ。相変わらずとんでもねえ。あの化け物の嵐みてえなパウンドを「全弾、芯をずらして」受けきりやがった。阿古谷清秋。鉄壁の守備力は闘技者随一。警視庁もとんだ怪物を飼ってやがるぜ。」
勝利宣言を受けた阿古谷は自分足で闘技者登場通路へと歩いていく。そこに小走りで檜山瞬花がやってきた。
瞬花「阿古谷!……ごめん。想定外の動きに動揺して、解析が遅れちゃった…」
言い終わる瞬間、パチンッと鋭い平手打ちが檜山の頬を打った。首は横へ向き唇から鮮血が零れ落ちる。
阿古谷「いいわけは必要ない。貴様は足手まといになった。それが事実だ。失望したぞ檜山。二回戦は俺だけで闘う。」
瞬花「そ……それはダメだよ阿古谷……そんなことをしたら君は……お願いだから考え直してよ…二度とミスはしないから……君が望むなら何でもするから……見捨てないで……阿古谷……」
阿古谷「…………フゥ……仕置きは後だ。次は無いぞ檜山。」
檜山瞬花の唇から垂れ落ちる血を親指で乱暴に拭うと阿古谷はそのまま歩いていく。
瞬花「…………了解…」
打たれた頬に手を置いてわずかに頬をピンク色に上気させた檜山は微笑んでいた。
次の仕合の闘技者の控室の扉がノックされた。
「失礼しまーす。魏雷庵選手いらっしゃいますかー?そろそろ準備をお願いしま……ヒィィッ!」
伝えにやった来た女性が腰を抜かした。
雷庵「……へっ。騒ぐんじゃねぇよメスブタが。少し待ってろ。今、「準備をしてくる」ぜ。」
アンダーマウント社代表闘技者:魏雷庵
暗殺一家、魏一族最凶の男、出陣。