ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ーネパール連邦民主共和国:ヒマラヤー
数年後……村のリーダーとなっていたハルに大きな転機が訪れる。
「ハル」
ハル「長老。何か用事?」
長老「ハルや。こちらの客人がお前に話があるそうだ。」
それは日本からやってきた男、河野秋男であった。
秋男はハルに語りだした。闘技仕合のこと、闘技者を探していること、ハルの噂を聞きつけ、ネパールまでやってきたこと。
秋男「ハル君!私と日本へ行こう!君ならば最強の闘技者になれる!君の望む物なら何でも与えよう!さあ、どうするかね!?」
ハルはその話を聞いて思った……闘技仕合……昔から思っていた。一度でいいから本気で闘ってみたいって……でも、この村を…離れる?リーダーの俺が?無理!
俺がいなくなったら誰が狩りの指揮をするんだ!?村が肉食獣に襲われたら誰が闘うんだ!?もしも突然……
ヤク「何考えてんだ、オイ。」
ハル「ヤク…」
ヤク「ガキのころからの付き合いだ。お前の考えていることぐらいお見通しだぜ。ハル、リーダーだからって遠慮することはねえぞ。ほら、見ろよ。村の皆もお前を応援してるんだ。」
振り返ったそこには子供から年寄りまで、老若男女それこそまさに村の人間全員が集まっている。
ハル「み…みんな…どうしたんだ……?」
先生「お前はここで終わる器ではない。」
ハル「先生…」
先生「ハルよ。みはやヒマラヤにお前の敵は居ない。だず世界とは途轍もなく広いものだ。井の中の蛙になるな。その目で世界をみてこい。」
ヤク「…覚えているかハル?」
ガキの頃、隣山で俺が熊に襲われたことがあったよな。熊VSガキ、勝てるわけがねぇよ。いよいよ終わりって時に救世主が現れたんだ。
ハル。お前だよ。駆け付けてくれたお前は。速攻で熊を倒しちまった。同時に確信したぜ「ああ、コイツは世界最強だ」ってな。
ハル「……」
ヤク「ハル。お前は優しすぎるからな。村を心配するのはわかる。けどよ。みんなお前に期待してんだ。勿論、俺も含めて、な。……夢だったんだろ?全力で戦うことが。今生の別れって訳じゃねぇんだ。夢から覚めたらいつでも帰ってこいよ、ハル。」
最強の戦士ハルは親友の恩師の族長の、村の皆の優しさと温かさに震えて涙を流した。そして何度も何度も礼を言いながら頷いた。
ハル「~~う゛ん゛ッ~~う゛ん゛ッッ!!!」
こうして、秋男はハルを日本に連れて帰り即座に婿養子縁組。ハルは日本国籍へと帰化した。
それは親心……というわけではなくハルをコントロール下に置くための策略であった。
……東京都心の地へと降り立ったハル。
ハル「な……なんだこれは!?」
なんて人の数!今日は祭りか!?村の何十倍も人がいる……。こ……これがビル……?まるで山だ。これ……ヒマラヤよりデカくないか!?
秋男「ハルや。そろそろ食事にしようか。」
ふふふ。驚いているな田舎者。喜べ、お前には贅沢三昧させてやろう。骨抜きにして私の傀儡にしてやる!
秋男はハルを高級寿司屋に連れていった。
「へいっ、大トロお待ち!」
秋男「これは寿司という料理だ。食べてみなさい。」
見たこともない料理だ。これ何の肉だ?
ハル「うッッ……ウメエエ!!」
この国では狩りをしなくても飯が食えるのか…しかもこんな美味い物を……日本スゲエエエッ!!
秋男「はははっ、気にいったかい?」
秋男の作戦は功を奏した。最初のうちは……。
そして現在……。
「ヴァアアアアッ!!」
叫び声とともに壁が砕け内側から外へと何かが投げ飛ばされた。恐らく大型のテレビだった者がぐしゃぐしゃの塊に壊されて投げ捨てたられたのだ。
メイド「だ、旦那様!坊ちゃんがまた!」
秋男「…………やらせておきなさい(やれやれまた修繕工事しないとな)」
満たされ過ぎた環境は、時として毒になる。贅沢という毒は、確実にハルを蝕んでいった。
「く……くッ!クソゲーの癖に馬鹿にしやがって!!クソォオ゛オ゛オ゛ッ!!」
ハルは……春男になっていた。
数年後……村のリーダーとなっていたハルに大きな転機が訪れる。
「ハル」
ハル「長老。何か用事?」
長老「ハルや。こちらの客人がお前に話があるそうだ。」
それは日本からやってきた男、河野秋男であった。
秋男はハルに語りだした。闘技仕合のこと、闘技者を探していること、ハルの噂を聞きつけ、ネパールまでやってきたこと。
秋男「ハル君!私と日本へ行こう!君ならば最強の闘技者になれる!君の望む物なら何でも与えよう!さあ、どうするかね!?」
ハルはその話を聞いて思った……闘技仕合……昔から思っていた。一度でいいから本気で闘ってみたいって……でも、この村を…離れる?リーダーの俺が?無理!
俺がいなくなったら誰が狩りの指揮をするんだ!?村が肉食獣に襲われたら誰が闘うんだ!?もしも突然……
ヤク「何考えてんだ、オイ。」
ハル「ヤク…」
ヤク「ガキのころからの付き合いだ。お前の考えていることぐらいお見通しだぜ。ハル、リーダーだからって遠慮することはねえぞ。ほら、見ろよ。村の皆もお前を応援してるんだ。」
振り返ったそこには子供から年寄りまで、老若男女それこそまさに村の人間全員が集まっている。
ハル「み…みんな…どうしたんだ……?」
先生「お前はここで終わる器ではない。」
ハル「先生…」
先生「ハルよ。みはやヒマラヤにお前の敵は居ない。だず世界とは途轍もなく広いものだ。井の中の蛙になるな。その目で世界をみてこい。」
ヤク「…覚えているかハル?」
ガキの頃、隣山で俺が熊に襲われたことがあったよな。熊VSガキ、勝てるわけがねぇよ。いよいよ終わりって時に救世主が現れたんだ。
ハル。お前だよ。駆け付けてくれたお前は。速攻で熊を倒しちまった。同時に確信したぜ「ああ、コイツは世界最強だ」ってな。
ハル「……」
ヤク「ハル。お前は優しすぎるからな。村を心配するのはわかる。けどよ。みんなお前に期待してんだ。勿論、俺も含めて、な。……夢だったんだろ?全力で戦うことが。今生の別れって訳じゃねぇんだ。夢から覚めたらいつでも帰ってこいよ、ハル。」
最強の戦士ハルは親友の恩師の族長の、村の皆の優しさと温かさに震えて涙を流した。そして何度も何度も礼を言いながら頷いた。
ハル「~~う゛ん゛ッ~~う゛ん゛ッッ!!!」
こうして、秋男はハルを日本に連れて帰り即座に婿養子縁組。ハルは日本国籍へと帰化した。
それは親心……というわけではなくハルをコントロール下に置くための策略であった。
……東京都心の地へと降り立ったハル。
ハル「な……なんだこれは!?」
なんて人の数!今日は祭りか!?村の何十倍も人がいる……。こ……これがビル……?まるで山だ。これ……ヒマラヤよりデカくないか!?
秋男「ハルや。そろそろ食事にしようか。」
ふふふ。驚いているな田舎者。喜べ、お前には贅沢三昧させてやろう。骨抜きにして私の傀儡にしてやる!
秋男はハルを高級寿司屋に連れていった。
「へいっ、大トロお待ち!」
秋男「これは寿司という料理だ。食べてみなさい。」
見たこともない料理だ。これ何の肉だ?
ハル「うッッ……ウメエエ!!」
この国では狩りをしなくても飯が食えるのか…しかもこんな美味い物を……日本スゲエエエッ!!
秋男「はははっ、気にいったかい?」
秋男の作戦は功を奏した。最初のうちは……。
そして現在……。
「ヴァアアアアッ!!」
叫び声とともに壁が砕け内側から外へと何かが投げ飛ばされた。恐らく大型のテレビだった者がぐしゃぐしゃの塊に壊されて投げ捨てたられたのだ。
メイド「だ、旦那様!坊ちゃんがまた!」
秋男「…………やらせておきなさい(やれやれまた修繕工事しないとな)」
満たされ過ぎた環境は、時として毒になる。贅沢という毒は、確実にハルを蝕んでいった。
「く……くッ!クソゲーの癖に馬鹿にしやがって!!クソォオ゛オ゛オ゛ッ!!」
ハルは……春男になっていた。