ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】
ー巌流島:絶命闘技会ドームー
広い広いドームから声援が溢れかえる。その様子を外の森の中からディスプレイで確認している二人が居る。
ひとりは褐色の美男子【アラブの旋風】ハサド。
ハサド「すごいな!会場の様子が鮮明に……」
そしてもう一人がだらしなさそうな中年【メディスンマン】の蕪木浩二である。
蕪木「うーん…?カメラの位置が悪いですねー。あーもしもし?もう少し近くに寄ってもらえますか?」
トランシーバーで誰かに指示を出す。
指示を受けた相手は湖山マートの社長:湖山大正だ。耳につけたインカムにぼそぼそと返事をする。
湖山「……蕪木、お前人使いが荒いぞ……大丈夫なんだろな?」
『ダイジョーブダイジョーブ。絶対バレませんて。』
スーツの襟についたバッチ風のカメラの位置を調節しながら前の方へと移動うする。同じ時にアンダーマウント社の社長である太田正彦も似たような動きをしていた。
太田「ほ、本当に大丈夫なんでしょうか?社長。」
『問題……あり……ません。いつも通りで……お願いします。それと……社長はアナタです……からね。前方に……移動して……ください。』
太田「わ……わかりました…前方に移動しますね。」
『はい……頼みます。』
湖山「前方に移動すればいいんだな?」
『OK~。よろしくで~す♪』
前へ行こうと階段を下りる湖山と階段に向かおうとする太田がぶつかった。
太田「わっ!?」
湖山「おわっ!?」
太田「し、失礼(あ…焦ったー!バレてないよな?)」
湖山「あ…いや(あ…焦ったー!バレてないよな?)」
また、そのころドーム内の廊下でGPグループ代表の倉吉理乃が笑顔である男に声をかけていた。
理乃「あら。お久しぶりですわね。お変わりありませんか?速水会長。」
東洋電力会長の速水勝正だ。
速水「……これはこれは倉吉さん。丁度よかった。貴女にひと言、いっておきたかったんだ。商売女風情が絶命トーナメントに参加するとは、身の程をわきまえた方がよろしいのではないか?」
理乃「……まあ、ご挨拶ね。片原会長の前でもそれぐらい強気でいられるといいですわね。」
速水「逃げるなら今のうちだぞ小娘。」
理乃「逃げる?それは貴方の十八番じゃなかったかしら?」
睨み合う二人の様子を遠巻きに見ていた西品治警備保障の社長、西品治明がいった。
西品治「おーコワイコワイ!さすが理乃さん。速水会長を前に一歩も引いてないですね。」
廊下に設置された灰皿にタバコの灰を落としながら皇桜学園グループ理事長の奏流院紫苑が答えた。
紫苑「そりゃそうだ。なんたってアイツは海千山千の女狐だからな。」
しかし……アイツが感情をむき出しにするなんてらしくねえな。理乃。お前も相当昂ってやがるな……。
メインドーム内ではルールなどの説明がちょうど終わるころだった。
鞘香「……というわけで、会場内の諸注意は以上です。えー最後になりましたが、司会進行は私、片原鞘香(かたはらさやか)がお送りいたします!皆さま、よろしくお願いいたします!」
闘技会イベント部片原鞘香(片原滅堂の娘)。
城「ええ!?あの人、片原会長の娘さんなんですか!?」
凛「まあ愛人の子らしいですけどね。何でもこなせる能力の高さは、闘技会でも指折りらしいッス。」
城「へ、へー……血は争えないってことですね。」
「鞘香ーー!」
「うおーー!」
「俺だ―ヤらせてくれー!」
鞘香「ありがと~、ヤらせな~い」
声援や下品な声も笑顔でいなすところは器量と度量のデカさを表している。
凛「あ、確か……片原会長にはもう一人年の離れたお子さんが居たはずですけど……。」
ドームの外ではドオオオーッと人の声が響いてくる。
「ハハハ。大した人気ですな。」
「さすがは若の姉君ですね。」
烈堂「ハッ!姉貴っつても腹違いだけどな。…まあいい。中の事は本隊に任せておけばいいさ。さて、俺たちも配置につくとしよう。願わくば出番がないことを祈るぜ。」
片原滅堂の息子、片原烈堂を中心に並ぶ男たち、羽合(はわい)、皆生(かいけ)、三朝(みさき)の三人は揃いの黒のスーツの胸元にSBというワッペンと腕章をつけている。
その意味は【護衛者別動隊:殲滅部隊】
広い広いドームから声援が溢れかえる。その様子を外の森の中からディスプレイで確認している二人が居る。
ひとりは褐色の美男子【アラブの旋風】ハサド。
ハサド「すごいな!会場の様子が鮮明に……」
そしてもう一人がだらしなさそうな中年【メディスンマン】の蕪木浩二である。
蕪木「うーん…?カメラの位置が悪いですねー。あーもしもし?もう少し近くに寄ってもらえますか?」
トランシーバーで誰かに指示を出す。
指示を受けた相手は湖山マートの社長:湖山大正だ。耳につけたインカムにぼそぼそと返事をする。
湖山「……蕪木、お前人使いが荒いぞ……大丈夫なんだろな?」
『ダイジョーブダイジョーブ。絶対バレませんて。』
スーツの襟についたバッチ風のカメラの位置を調節しながら前の方へと移動うする。同じ時にアンダーマウント社の社長である太田正彦も似たような動きをしていた。
太田「ほ、本当に大丈夫なんでしょうか?社長。」
『問題……あり……ません。いつも通りで……お願いします。それと……社長はアナタです……からね。前方に……移動して……ください。』
太田「わ……わかりました…前方に移動しますね。」
『はい……頼みます。』
湖山「前方に移動すればいいんだな?」
『OK~。よろしくで~す♪』
前へ行こうと階段を下りる湖山と階段に向かおうとする太田がぶつかった。
太田「わっ!?」
湖山「おわっ!?」
太田「し、失礼(あ…焦ったー!バレてないよな?)」
湖山「あ…いや(あ…焦ったー!バレてないよな?)」
また、そのころドーム内の廊下でGPグループ代表の倉吉理乃が笑顔である男に声をかけていた。
理乃「あら。お久しぶりですわね。お変わりありませんか?速水会長。」
東洋電力会長の速水勝正だ。
速水「……これはこれは倉吉さん。丁度よかった。貴女にひと言、いっておきたかったんだ。商売女風情が絶命トーナメントに参加するとは、身の程をわきまえた方がよろしいのではないか?」
理乃「……まあ、ご挨拶ね。片原会長の前でもそれぐらい強気でいられるといいですわね。」
速水「逃げるなら今のうちだぞ小娘。」
理乃「逃げる?それは貴方の十八番じゃなかったかしら?」
睨み合う二人の様子を遠巻きに見ていた西品治警備保障の社長、西品治明がいった。
西品治「おーコワイコワイ!さすが理乃さん。速水会長を前に一歩も引いてないですね。」
廊下に設置された灰皿にタバコの灰を落としながら皇桜学園グループ理事長の奏流院紫苑が答えた。
紫苑「そりゃそうだ。なんたってアイツは海千山千の女狐だからな。」
しかし……アイツが感情をむき出しにするなんてらしくねえな。理乃。お前も相当昂ってやがるな……。
メインドーム内ではルールなどの説明がちょうど終わるころだった。
鞘香「……というわけで、会場内の諸注意は以上です。えー最後になりましたが、司会進行は私、片原鞘香(かたはらさやか)がお送りいたします!皆さま、よろしくお願いいたします!」
闘技会イベント部片原鞘香(片原滅堂の娘)。
城「ええ!?あの人、片原会長の娘さんなんですか!?」
凛「まあ愛人の子らしいですけどね。何でもこなせる能力の高さは、闘技会でも指折りらしいッス。」
城「へ、へー……血は争えないってことですね。」
「鞘香ーー!」
「うおーー!」
「俺だ―ヤらせてくれー!」
鞘香「ありがと~、ヤらせな~い」
声援や下品な声も笑顔でいなすところは器量と度量のデカさを表している。
凛「あ、確か……片原会長にはもう一人年の離れたお子さんが居たはずですけど……。」
ドームの外ではドオオオーッと人の声が響いてくる。
「ハハハ。大した人気ですな。」
「さすがは若の姉君ですね。」
烈堂「ハッ!姉貴っつても腹違いだけどな。…まあいい。中の事は本隊に任せておけばいいさ。さて、俺たちも配置につくとしよう。願わくば出番がないことを祈るぜ。」
片原滅堂の息子、片原烈堂を中心に並ぶ男たち、羽合(はわい)、皆生(かいけ)、三朝(みさき)の三人は揃いの黒のスーツの胸元にSBというワッペンと腕章をつけている。
その意味は【護衛者別動隊:殲滅部隊】