ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】

ー巌流島:ホテル内フロアー

義武「手前の露出女が皇桜学園の奏流院紫苑、もう一人は知らない。そして!奥の爽やかイケメンが西品治警備保障の若きスーパー社長!西品治明さんよ!」

城「(なんだか女性の紹介に悪意を感じる……。)」

義武「女の方はどうでもいいとして!西品治さんは見た目も性格も経営手腕も非の打ち所がない完璧な人なのよ!目の保養になるわねー。ホホホ!」

クネクネと身体をよじる義武社長のおかげで少しずつわかってきた。闘技会の勢力図。思っていたよりずっと複雑だ。

そのとき、また別の誰かが入ってきたのか扉があいた音がした。

「おう、久秀の姉さんと城の子ネコちゃん」

元気のいい声に振り返る。

義武「おやおや?もう一人のルーキーさんのお出ましね。」

紅「あれ?アンタは確か……義武社長だったよな。」

理乃「義武さんお久しぶり。」

紅と一緒に入ってきたのはゴールドプレジャーグループの代表倉吉理乃だ。しかし、義武は理乃を無視して何故か紅に絡んでいく。

義武「社長兼闘技者ですって?笑わせないでちょうだい。私は見つけたのよ…あんたなんかとは、比べ物にならない最強の闘技者をね!覚悟しておきなさい!私に大損をさせたアンタは必ず血祭りにあげてやるわ!!地獄の苦しみを味わいなさいホホーッッホホホホホッッッ!!」

紅「……あのよぉ…何勘違いしてんだお前?アンタの闘技者をボコボコにしたのは敵だったからだろ?それにアンタは雇用主でも何でもねぇあかの他人だ。まぁ……そんなわけでょぉ。あんまり調子こいてると削ぐぞ……?」

義武「ッ~~……ふんっ!今のうちに粋がっておきなさい!」

紅の迫力に負けたのか顔色を青くして内またで逃げていった。

紅「あ、逃げた。何がしたいんだアイツは?」

城「あ…いろいろ教えてもらったお礼を言いそびれちゃった。」

理乃「ふふっ仲良しさんね。」

久秀「というか、あのオカマと何かあったの?」

紅「代表闘技者として雇用したいといわれたんだが、あのおっさんが気持ち悪かったからそれを蹴ったんだ。そのあと二回ほどあのおっさんのところの闘技者を再起不能にしたぐらいかな。」

城「そりゃ怨まれますよ…。」

久秀「ああいうのに絡まれるとねちっこいわよ?」

「皆の衆、待たせたの。」

「「「!!!」」」

その声を聞いて全員の視線が集まった。その先には片原滅堂と小鳥遊兜馬が一緒に入ってきた。

するとボスバーガーの社長ピエロメイク(正装の場なのだが)のロナルド原口が兜馬に近づいてオーバーな動きで話しかけた。

原口「小鳥遊さ~~ん♪遅かったですねー?心配しましたよ~~??もしかして逃げちゃったのかな~なんてーー」

兜馬「おい、少し黙っていろ青二才。」

原口「グッ…」

紅「おお……悠のオヤジさん気合入ってんなぁ~。」

理乃「うふふ、当然よ。負けたら会社が「消滅」してしまうんですものね。気合の入り方が違って当たり前だわ。」

「「……消滅?」」

久秀「どういうことかしら?」

理乃「あら、みんな知らなかったのね?このトーナメント、小鳥遊さんが敗れた場合、小鳥遊グループは即解散しなければいけないのよ?」

紅「!?」

城「解散!!?」

久秀「へぇ……背水の陣で挑んでるわけ、ね。ふーん……。」

するとパンッパンッと二度大きく手を打つ音がした。

滅堂「諸君、覚悟は良いか?これより、トーナメント組み合わせを決定する!!!」

理乃「あらあら?相変わらず元気なおじいちゃまね。」

紅「うおおー!燃えてきたぜー!」
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