ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【4】

ー巌流島:ビーチー

整備の行き届いたビーチに張られたネットの周りに人だかりができている。

黒い海パンに白いビーチジャケットを着て少々唾の大きい帽子をかぶった小さな男が大きく跳ねてビーチボールを相手のコートへ叩きこんだ。

摩耶「アターック!」

大屋「ウオッ!」

摩耶「えへへ、また決まったよー!茂吉さん!」

茂吉「ハハハ…参ったな。」

西品治&桜花(略)代表闘技者の摩耶とセントリー代表闘技者の茂吉・ロビンソンがハイタッチをかわす。

「ヤングチームが圧勝だー!」

エレナ「兄様~、摩耶君~頑張って~!」

茂吉「ハハハ。ありがとうエレナ。」

手を振って応援している茂吉の妹エレナは上下黒だが可愛らしいフリルが施されているビキニの水着だ。

ああ…エレナ……お前は本当に良い子に育ってくれた。兄として誇りに思うよ……。

「おい、この子かなり可愛いぞ」
「わかるわかる」
「俺もいいとこ見せたら応援してもらえるかな」

などと周りの男たちの視線を集めている。

茂吉「フフフッ。」

安心おし…お前に近づく悪い虫は、みんな兄さんがブチ殺してあげるからね…。

摩耶「茂吉さーん?うちのサーブだよー?」

ちなみに対戦相手は大屋健と船内賭け将棋の一件以来なぜか仲良くなった城の一見すると似てない親子のようなペアだった。

大屋「ゼーゼー……き……城ちゃん、ビーチバレーってこんなきついんだね……」

城「け、ケンさんが……軽く運動したいなんて言うから……そもそも闘技者に勝てるわけが……ハーハー」

摩耶と茂吉がバレーボールをしている傍らで、寅がサーパインに肩を組まれ(捕まって)一緒に写真を撮っていたり、関林ジュンと賀露吉成が銛で魚を仕留めていたりと闘技者同士の交流がいたるところで盛んにおこなわれている。

紫苑「おお……おお~…おお~……!いや~こりゃ絶景だわ~眼福眼福。……それで?大丈夫そうか、松田?」

智子「……ダメかもしれません……刺激が強すぎて……。」

皇桜学園会長と秘書の二人もしっかり水着に着替えリゾートを楽しんでいるが、若干いや、かなりお腐りな趣味を持つ智子は鼻血を垂らしながらビーチにへたり込んでいる。

刹那「どうしたの智子ちゃん?大丈夫かい?」

智子「桐生さん……!?」

代表闘技者桐生刹那はひと泳ぎしてきたのかしっとりと濡れた髪が光を反射してきらきらと輝き体躯を滴る水滴が色気を醸し出していた。それを間近で見た智子はビュッと一段強く鼻血を吹いてぶっ倒れた。

紫苑「トドメを刺したな。」

刹那「?」
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