ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー闘技号:大ホールー
魏ホリスと魏怜一に連れられて魏迦楼羅は大ホールに向かった。カジノ程ではないにしろこちらもたくさんの人が集まって食事や談笑に勤しんでいる。
迦楼羅の姿を見つけ、杖をついた老人がいそいそと近づいて声をかけた。
恵利央「お帰りカルラ。冒険は楽しかったかの?ホホホ。」
闘技会の王の元パートナーにして魏一族の長である魏絵利央(ぎえりおう)。左右には巨体で坊主頭でひげを蓄えた40代後半の男:魏堀雄(ぎほりお)と金髪で剃り込みの入った筋肉質の男:魏雷庵(ぎいらいあん)を連れている。
迦楼羅「爺様…」
絵利央「んん?」
迦楼羅「私……好きな人ができた……。」
ほほを染め熱を帯びたような潤んだ瞳をわずかにそらした照れたような恥ずかしげな表情は間違いなく事実を語っている。
絵利央「……」
雷庵「はぁ?」
絵利央「…………そ、それは良かったのぉ~」
かなりの間をあけて絵利央はくしゃっと笑顔を作って迦楼羅の頭を撫でた。
迦楼羅「うん!」
絵利央「ホホホ……話はあとでゅっくり聞くでの。まずは食事を済ませておいで。」
迦楼羅「うん!」
雷庵「ギャハハハハッ!ガキが色気づきやがって!」
堀雄「雷庵、ひやかすんじゃない。」
礼一が迦楼羅を連れて座って食事がとれる別室に向かうのを見届けると、絵利央はいった。
絵利央「……ホリス、これはどういうことじゃ?」
ホリス「……相手は小鳥遊悠。松永商事の代表闘技者、というかあの小鳥遊弥一の孫、小鳥遊兜馬の息子だ。」
絵利央「……おお。いつぞやの。そうか……弥一の……あの男がのう…………」
雷庵「くっくっ」
ニヤニヤと笑う雷庵、ホリスと堀雄は互いに顔を見て肩をすくめた。
次の瞬間、パーティーホールに怒号が響き渡る。
絵利央「あんの糞餓鬼がァァァァ!!」
別室で食事を始めていた迦楼羅が首をかしげた。
迦楼羅「ん?爺さまの声?」
礼一「…気のせいじゃないか?」
出たな…爺様の曾孫馬鹿……。
絵利央「か、カルラはまだ高校生じゃぞ、そ……それを!フーー、フーー!た、たぶかしよった……あのド畜生めガァ…!!!」
堀雄「小鳥遊悠も高校生だと言ってなかったか?」
ホリス「だったはずだ」
雷庵「ギャハハッ、ハハッ、腹イテー!」
絵利央「……貴様、わかっておるな?小鳥遊悠を監視しろ。次に迦楼羅に近づいたら……殺せ!!毛髪一本残さず、この世から消し去れい!!」
小柄な老人とは思えぬほどの怒声と殺気、ホールには客たちは蜘蛛の子を散らすように距離を取っている。
絵利央の足元の床は亀裂が入っていた。
雷庵「クカカッ!おいおいジイさんよぉ……外れかけてるぜ?「枷」がよぉ。」
【魏】の中には、魔神が棲む……。
魏ホリスと魏怜一に連れられて魏迦楼羅は大ホールに向かった。カジノ程ではないにしろこちらもたくさんの人が集まって食事や談笑に勤しんでいる。
迦楼羅の姿を見つけ、杖をついた老人がいそいそと近づいて声をかけた。
恵利央「お帰りカルラ。冒険は楽しかったかの?ホホホ。」
闘技会の王の元パートナーにして魏一族の長である魏絵利央(ぎえりおう)。左右には巨体で坊主頭でひげを蓄えた40代後半の男:魏堀雄(ぎほりお)と金髪で剃り込みの入った筋肉質の男:魏雷庵(ぎいらいあん)を連れている。
迦楼羅「爺様…」
絵利央「んん?」
迦楼羅「私……好きな人ができた……。」
ほほを染め熱を帯びたような潤んだ瞳をわずかにそらした照れたような恥ずかしげな表情は間違いなく事実を語っている。
絵利央「……」
雷庵「はぁ?」
絵利央「…………そ、それは良かったのぉ~」
かなりの間をあけて絵利央はくしゃっと笑顔を作って迦楼羅の頭を撫でた。
迦楼羅「うん!」
絵利央「ホホホ……話はあとでゅっくり聞くでの。まずは食事を済ませておいで。」
迦楼羅「うん!」
雷庵「ギャハハハハッ!ガキが色気づきやがって!」
堀雄「雷庵、ひやかすんじゃない。」
礼一が迦楼羅を連れて座って食事がとれる別室に向かうのを見届けると、絵利央はいった。
絵利央「……ホリス、これはどういうことじゃ?」
ホリス「……相手は小鳥遊悠。松永商事の代表闘技者、というかあの小鳥遊弥一の孫、小鳥遊兜馬の息子だ。」
絵利央「……おお。いつぞやの。そうか……弥一の……あの男がのう…………」
雷庵「くっくっ」
ニヤニヤと笑う雷庵、ホリスと堀雄は互いに顔を見て肩をすくめた。
次の瞬間、パーティーホールに怒号が響き渡る。
絵利央「あんの糞餓鬼がァァァァ!!」
別室で食事を始めていた迦楼羅が首をかしげた。
迦楼羅「ん?爺さまの声?」
礼一「…気のせいじゃないか?」
出たな…爺様の曾孫馬鹿……。
絵利央「か、カルラはまだ高校生じゃぞ、そ……それを!フーー、フーー!た、たぶかしよった……あのド畜生めガァ…!!!」
堀雄「小鳥遊悠も高校生だと言ってなかったか?」
ホリス「だったはずだ」
雷庵「ギャハハッ、ハハッ、腹イテー!」
絵利央「……貴様、わかっておるな?小鳥遊悠を監視しろ。次に迦楼羅に近づいたら……殺せ!!毛髪一本残さず、この世から消し去れい!!」
小柄な老人とは思えぬほどの怒声と殺気、ホールには客たちは蜘蛛の子を散らすように距離を取っている。
絵利央の足元の床は亀裂が入っていた。
雷庵「クカカッ!おいおいジイさんよぉ……外れかけてるぜ?「枷」がよぉ。」
【魏】の中には、魔神が棲む……。