ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー闘技号:船内廊下ー
涼は構えを解いた。これはもう……認めざるを得んわな……。
大屋「氷川…本気になりやがった。」
涼はパチパチとシャツのボタンを外していく。
氷川「認めるぜ。お前は「強敵」だ。」
末吉「こりゃあまた、なんて圧力……。」
ジークンドーにおける最も強力な武器とは何か?関節破壊?金的蹴り?否……その答えは最速・最短の連打(コンビネーション)。
さっきまでの片手のラッシュではなく両腕のラッシュが末吉の上半身を滅多打ちにする。
『最短距離を突く』縦拳が可能にする驚異のハンドスピード。最速といわれるミドル級ボクサーの平均拳速が10m/秒なのに対し、氷川の縦拳の初速、規格外の15m/秒!!
末吉「ん゛にぃ!!」
ほんのわずかな隙間を掻い潜って金田も拳を振るうが右腕でそれをいなした。そのままスライドするように首へ一撃、更に左拳で頬を穿った。
相手の攻撃を捌きつつ、即座に攻撃に転じる。『受即攻』の無駄のなき動作は、対戦相手に実際の数値以上の速度を体感させる。
人体の弱点への二連撃を受けて金田は再びひざを折った。
氷川「うおおっ!」
思いしれ!本気の俺に死角はない!!
涼の右腕が伸びた、その手は拳ではなく貫手で人差し指から薬指までの三本が金田の目に突き刺さる。
末吉「ヴッ!」
ギリギリ頭をずらし目ではなく頬に三つの穴が開く。ビルジー(目突き)!この人、殺る気だ!
会長もこの事態についに止めに入った。
大屋「もういい氷川!!それ以上やったら金田が死んじまうぞ!!」
氷川「シィッ!!」
しかし、止まらない。もう声など聞こえていないのかもしれない。指を引き抜いて真っ正面から蹴り放った。金田の身体が「く」の字に曲がり潰れた臓腑が悲鳴を上げてせり上がった吐しゃ物をぶちまけた。
末吉「ヴェエ゛エ゛エエ゛エェッ」
これで終わりだぁァッ!!跪いた金田の顔面を渾身の一撃で殴り飛ばす。完璧ッ!!最高の感触だッ!手こずらせやがっ……。
勝利を確信した矢先、氷川の身体が速度をあげた。いや、違う引っ張られている。殴り飛ばされた金田が氷川の腕を掴んで引きずり込んでいるのだ。
氷川「なぁっ!?」
か、金田!コイツ何で!?
力いっぱい殴り抜いた勢いと腕を取られて引っ張りこまれる力で涼は金田を振り払えない。それどころか更に腕に絡みついていった。
末吉「……ありがとうございます。氷川さん、これで私の勝ちだ。」
氷川「なっ……落ち……床!?」
腕を絡め取られ、全体重をかけられながら氷川は床へとたたきつけられた。ドッ!ボゴッ!潰れた音と肘が完全に砕ける音。
大屋「おっ!折れた!!?」
普通なら想像を絶する痛みでのたうっていてもおかしくないはずだが、涼は言葉にならない唸り声をあげつつ折れておかしな方向に歪んでいる腕を押さえて立ち上がった。
完璧なタイミングだった。なぜ!?
末吉「うわあ……痛そうですねててて?それで?どうします氷川さん?まだ続けますか?」
氷川「金田ぁ…!テメェは殺す!!」
末吉「肘、外れちゃいましたねえ。勝負ありです。もう終わりにしませんか?」
金田はハァハァと息も絶え絶えにそう提案する。もはや当初の余裕も消え失せ末吉以上に息を荒げ痛みに耐えながら涼は叫んだ。
氷川「……勝手に終わらせるんじゃねぇよ!!」
涼は構えを解いた。これはもう……認めざるを得んわな……。
大屋「氷川…本気になりやがった。」
涼はパチパチとシャツのボタンを外していく。
氷川「認めるぜ。お前は「強敵」だ。」
末吉「こりゃあまた、なんて圧力……。」
ジークンドーにおける最も強力な武器とは何か?関節破壊?金的蹴り?否……その答えは最速・最短の連打(コンビネーション)。
さっきまでの片手のラッシュではなく両腕のラッシュが末吉の上半身を滅多打ちにする。
『最短距離を突く』縦拳が可能にする驚異のハンドスピード。最速といわれるミドル級ボクサーの平均拳速が10m/秒なのに対し、氷川の縦拳の初速、規格外の15m/秒!!
末吉「ん゛にぃ!!」
ほんのわずかな隙間を掻い潜って金田も拳を振るうが右腕でそれをいなした。そのままスライドするように首へ一撃、更に左拳で頬を穿った。
相手の攻撃を捌きつつ、即座に攻撃に転じる。『受即攻』の無駄のなき動作は、対戦相手に実際の数値以上の速度を体感させる。
人体の弱点への二連撃を受けて金田は再びひざを折った。
氷川「うおおっ!」
思いしれ!本気の俺に死角はない!!
涼の右腕が伸びた、その手は拳ではなく貫手で人差し指から薬指までの三本が金田の目に突き刺さる。
末吉「ヴッ!」
ギリギリ頭をずらし目ではなく頬に三つの穴が開く。ビルジー(目突き)!この人、殺る気だ!
会長もこの事態についに止めに入った。
大屋「もういい氷川!!それ以上やったら金田が死んじまうぞ!!」
氷川「シィッ!!」
しかし、止まらない。もう声など聞こえていないのかもしれない。指を引き抜いて真っ正面から蹴り放った。金田の身体が「く」の字に曲がり潰れた臓腑が悲鳴を上げてせり上がった吐しゃ物をぶちまけた。
末吉「ヴェエ゛エ゛エエ゛エェッ」
これで終わりだぁァッ!!跪いた金田の顔面を渾身の一撃で殴り飛ばす。完璧ッ!!最高の感触だッ!手こずらせやがっ……。
勝利を確信した矢先、氷川の身体が速度をあげた。いや、違う引っ張られている。殴り飛ばされた金田が氷川の腕を掴んで引きずり込んでいるのだ。
氷川「なぁっ!?」
か、金田!コイツ何で!?
力いっぱい殴り抜いた勢いと腕を取られて引っ張りこまれる力で涼は金田を振り払えない。それどころか更に腕に絡みついていった。
末吉「……ありがとうございます。氷川さん、これで私の勝ちだ。」
氷川「なっ……落ち……床!?」
腕を絡め取られ、全体重をかけられながら氷川は床へとたたきつけられた。ドッ!ボゴッ!潰れた音と肘が完全に砕ける音。
大屋「おっ!折れた!!?」
普通なら想像を絶する痛みでのたうっていてもおかしくないはずだが、涼は言葉にならない唸り声をあげつつ折れておかしな方向に歪んでいる腕を押さえて立ち上がった。
完璧なタイミングだった。なぜ!?
末吉「うわあ……痛そうですねててて?それで?どうします氷川さん?まだ続けますか?」
氷川「金田ぁ…!テメェは殺す!!」
末吉「肘、外れちゃいましたねえ。勝負ありです。もう終わりにしませんか?」
金田はハァハァと息も絶え絶えにそう提案する。もはや当初の余裕も消え失せ末吉以上に息を荒げ痛みに耐えながら涼は叫んだ。
氷川「……勝手に終わらせるんじゃねぇよ!!」