ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】

ー闘技号:甲板ー

ハサドが海に蹴り落とされ終わると会長はひと言だけ。

滅堂「ご苦労、淀江。」

淀江「ハッ!」

鈴木「ハッ!ハサドォォォ!ハサドオォォォ!!」

慌てて船の外に目を向けて叫ぶ鈴木社長だったが今は夜の海、そしてこの規模の船からのぞき込んだところで人間が見つけられるわけがない。

城「な、なんですかあれ…。あの闘技者が一瞬で敗れちゃいましたよ……。」

凛「「護衛者」を甘く見ちゃいけないっス…。」

片原滅堂の私兵「護衛者」……「牙」が会長の矛なら「護衛者」は盾。常識外れの強さを誇る化け物軍団ッスよ。

滅堂「馬鹿者が。実力を鑑みずに跳ね返りおって。おかげで闘技者の数が32名になったではないか…ま、キリも良いし構わんか♪ほひょ!諸君、お騒がせしたの。少々遅くなったが客室に案内しよう。」

会長がそういって立ち上がって移動を始めると黒服もゾロゾロと動く。

「「「……」」」

その後を残った闘技者たちもついていく。

城「あの、さっきの人助けなくていいんでしょうか?」

悠「さすがに救助はされるだろ」

滅堂「おお、そうそう。先ほど言い忘れたことがひとつ。予選免除された闘技者28名、闘技試合での上位実力者を残した28社の代表であるが……具体的に言うと、予選を免除されたのは「闘技会企業序列」上位28社。の面々じゃ、ちなみにワシが1位ね。そんな「目利きの中の目利き」が最強と見込んだ最精鋭少なくとも「護衛者」に不覚を取るような出場者は、ひとりもおらんと思っておきなさい。」

城「き、企業序列!?そんな……本戦にはいったいどんな化け物たちが出場しているっていうんですか……。」

久秀「さっきから勝手に驚き過ぎなのよ。アンタは荷物持ちなんだから心配しなくていいのよ。騒ぐようなら船の外に落とすわよ。」

城「す、すみません…。」

凛「まぁまぁ、仲良くいきましょうよ~。」

そのときちょうど客室から一組の男女がベランダに出て滅堂一行と闘技者一行の様子を見ていた。

凍夜「補欠組がどんなものかと思ったけど……。普通にあれ小鳥遊君だね。はぁ、またひとり強敵の登場だねぇ。」

詠子「今さら引き帰せませんよ?ただでさえ雇い主も危ない人なんですから……。」

凍夜「それは分かってるんだけどね。」

【岩美重工&摩天楼ファイナンス】
・闘技会企業序列第七位
・結城・クリストファー・凍夜

詠子「それよりもさっきアナウンスが入りましたよ。午前時に中央大ホールでなにかあるらしいですからそれまでに会場に移動してくださいって。」

凍夜「ああ、そうなんだ。でも、2時っていわれるとまだ時間あるね。」

詠子「いや、すぐ行きますよ。」

凍夜「え、なんで?」

詠子「他の闘技者たちも集まってきてるわけですから色々と情報が集められるじゃないですか。それとパーティをやってますから色んな料理が食べ放題ですよ。」

凍夜「……よみちゃん、パーティの料理が目的なんじゃ」

詠子「敵情視察です。」

凍夜「アッハイ。」
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