ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー絶命号:船内(下層)ー
紅が手についた鮮血を払っていると背後から妙にかん高さのある男の声がとんできた。
「ずいぶんとむさ苦しい戦いかたねぇん…。」
紅「あん?なんだ……こいつ。」
【マーダーミュージック】沢田慶三郎がやたら身体をくねらせしなりしなりと近づいてくる。
沢田「ふーん、見た目はなかなかだけど優雅さが足りないわねぇ」
目を細めて値踏みするように視線でなぞってくる。
紅「闘技者……なんだよな?」
沢田「そうよぉ。ちょっともったいないけど引導を渡してあげるわぁ。」
紅「なんかキショイな。悪いけどホモに興味はないぞ。」
ピタッと動きが止まった。カッと目が見開かれ野太い声が放たれた。
沢田「だ……!だ…………だだだ……誰がホモじゃクソガキャャアッ!!アンタ、舐めた口きいてると殺すわよオ!!」
なにか地雷みたいなものを踏み抜いたらしくブチ切れる。
紅「ハァっ!!やってみろやカマ野郎!」
という戦いも勃発する中とりわけ城の目を引いたのは、この戦い。
【いずみ食品】
・代表闘技者:後田武郎
・討議試合戦績:7勝0敗
・企業獲得資産:110億5000万円
【鹿王院建設】
・代表闘技者:アキ斎藤
・闘技試合戦績6勝0敗
・企業獲得資産:32億2800万円
二名の闘技者に挟まれたインド装束を着た褐色の男。アキ斎藤が仕掛けようとした矢先、ガコンッと鈍い音がして顎が80度ほど曲がった。
城「!??」
褐色の男がいつの間にか間合いを詰めて顎を打ち抜いたのだ。崩れ落ちる斎藤を無視し、もうひとりの闘技者のほうへと向き直る。
後田「うおおおおっ!」
雄たけびをあげて突っ込んでいく後田だったが褐色の男が両手を大きく広げて高速の突きを放つとズババババッと機関銃のような音とともに後田が痣まみれになって倒れ伏した。
あまりの突きの速さに食らった相手は攻撃されたことに気づかないまま倒れる。試合開始わずか2秒で決着という討議試合最短決着記録を打ち立てた男、人呼んで【アラブの旋風】ハサド。
ハサドの視線が城に向かう。
城「!?
ハサド「…案ずるな危害を加えるつもりはない。君の連れの男……なかなか良い闘士だ。本線で彼と戦ってみたくなった。」
城「ゆ、悠さんと……?」
ハサド「もうじき茶番は終わる。残るのは真の闘士のみ。」
そして最後の戦いを繰り広げている一組。原田猛ラシュを浴びせられ続けている賀露が徐々に前に突き進んでくる。
原田「(なぜ倒れない)」
その一瞬の隙が命取りだった。賀露は巨大な腕を振り上げ原田の顔を力任せにたたきつけた。バチイィィッンと音とともに吹き飛んだ原田、顔の縫い跡が裂けて開き切り前歯も砕け散ってもう起き上がれなかった。
賀露「ゴフッ」
【あじろ水産】の賀露吉成の口から血がこぼれる。ハラトクラッシュを一身に受け続けたダメージはあったが、それでも憮然と立ち誇る姿は強さを物語っている。
『それまで!!ただ今をもって予選を終了します。勝ち残った闘技者の皆様には、速やかに甲板までの移動をお願いいたします。なお、試合会場には戻りませんので、お忘れ物のないようお気を付けください。』
沢田「ハァハァ」
紅「ゼェゼェ……もう、終わりかよ?」
これが予選の全貌だった。
悠「なるほどな。紅は当然としてアイツラか……」
城「はい、悠さんと本戦に進む4名です。」
悠「終了の合図なんて聞こえなかったぞ?
「……戦いに熱中しすぎですよ。私のこと完全に忘れてましたよね。」
悠「忘れてたのは置いといて、一つ違うぞ」
城「え?」
悠「ようやく始まるんだよ「本当の戦い」がな。」
解放された扉から出ていく五名。ただ紅と沢田だけは最後までいがみ合っていた。
紅が手についた鮮血を払っていると背後から妙にかん高さのある男の声がとんできた。
「ずいぶんとむさ苦しい戦いかたねぇん…。」
紅「あん?なんだ……こいつ。」
【マーダーミュージック】沢田慶三郎がやたら身体をくねらせしなりしなりと近づいてくる。
沢田「ふーん、見た目はなかなかだけど優雅さが足りないわねぇ」
目を細めて値踏みするように視線でなぞってくる。
紅「闘技者……なんだよな?」
沢田「そうよぉ。ちょっともったいないけど引導を渡してあげるわぁ。」
紅「なんかキショイな。悪いけどホモに興味はないぞ。」
ピタッと動きが止まった。カッと目が見開かれ野太い声が放たれた。
沢田「だ……!だ…………だだだ……誰がホモじゃクソガキャャアッ!!アンタ、舐めた口きいてると殺すわよオ!!」
なにか地雷みたいなものを踏み抜いたらしくブチ切れる。
紅「ハァっ!!やってみろやカマ野郎!」
という戦いも勃発する中とりわけ城の目を引いたのは、この戦い。
【いずみ食品】
・代表闘技者:後田武郎
・討議試合戦績:7勝0敗
・企業獲得資産:110億5000万円
【鹿王院建設】
・代表闘技者:アキ斎藤
・闘技試合戦績6勝0敗
・企業獲得資産:32億2800万円
二名の闘技者に挟まれたインド装束を着た褐色の男。アキ斎藤が仕掛けようとした矢先、ガコンッと鈍い音がして顎が80度ほど曲がった。
城「!??」
褐色の男がいつの間にか間合いを詰めて顎を打ち抜いたのだ。崩れ落ちる斎藤を無視し、もうひとりの闘技者のほうへと向き直る。
後田「うおおおおっ!」
雄たけびをあげて突っ込んでいく後田だったが褐色の男が両手を大きく広げて高速の突きを放つとズババババッと機関銃のような音とともに後田が痣まみれになって倒れ伏した。
あまりの突きの速さに食らった相手は攻撃されたことに気づかないまま倒れる。試合開始わずか2秒で決着という討議試合最短決着記録を打ち立てた男、人呼んで【アラブの旋風】ハサド。
ハサドの視線が城に向かう。
城「!?
ハサド「…案ずるな危害を加えるつもりはない。君の連れの男……なかなか良い闘士だ。本線で彼と戦ってみたくなった。」
城「ゆ、悠さんと……?」
ハサド「もうじき茶番は終わる。残るのは真の闘士のみ。」
そして最後の戦いを繰り広げている一組。原田猛ラシュを浴びせられ続けている賀露が徐々に前に突き進んでくる。
原田「(なぜ倒れない)」
その一瞬の隙が命取りだった。賀露は巨大な腕を振り上げ原田の顔を力任せにたたきつけた。バチイィィッンと音とともに吹き飛んだ原田、顔の縫い跡が裂けて開き切り前歯も砕け散ってもう起き上がれなかった。
賀露「ゴフッ」
【あじろ水産】の賀露吉成の口から血がこぼれる。ハラトクラッシュを一身に受け続けたダメージはあったが、それでも憮然と立ち誇る姿は強さを物語っている。
『それまで!!ただ今をもって予選を終了します。勝ち残った闘技者の皆様には、速やかに甲板までの移動をお願いいたします。なお、試合会場には戻りませんので、お忘れ物のないようお気を付けください。』
沢田「ハァハァ」
紅「ゼェゼェ……もう、終わりかよ?」
これが予選の全貌だった。
悠「なるほどな。紅は当然としてアイツラか……」
城「はい、悠さんと本戦に進む4名です。」
悠「終了の合図なんて聞こえなかったぞ?
「……戦いに熱中しすぎですよ。私のこと完全に忘れてましたよね。」
悠「忘れてたのは置いといて、一つ違うぞ」
城「え?」
悠「ようやく始まるんだよ「本当の戦い」がな。」
解放された扉から出ていく五名。ただ紅と沢田だけは最後までいがみ合っていた。