ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー大江戸学園:新設大船着き場ー
光陰矢の如し、ついにXデー、闘技会絶命トーナメントの期日を迎えた。それと同時に異変、日本を代表する大企業の経営者たちによる「同時多発臨時休暇」は経済に大きな混乱をもたらした……。
「皆さまー、大変お待たせしておりますがもうしばらくお待ちくださーーい!」
「乗り遅れますと、その時点で闘技会員のかたは参加資格を失いますのでご注意くださーーい!」
何度も大声で注意喚起が響く人で埋め尽くされた埠頭。おれたちはほぼ最後尾で積まれているコンテナに背を預けながら遠巻きに様子を見ていた。
城「す、すごい人数ですね。1000…2000…いや、もっといますよ!」
久秀「今回、絶命トーナメントにエントリーしたのは151社。すなわち、151人の闘技者が頂点を目指し競うわけよ。」
城「ひゃく…」
つまり、この人ごみの中に他の闘技者たちや親父たちもいるということだ。それにしても結局、おれの地獄の鍛錬の間も今も城はついてきた。ただし、もはやカメラ小娘兼久秀の小間使いポジションになってしまっている。少しはましになったとはいえ、戦力としては論外なのでコイツが居ることも不安である。
「皆さま、長らくお待たせいたしました。」
一段と大きな声が響いた。まわりもシンと静まり視線を越えの方へ向けてみるとピッチリとクロスーツ姿の人間が船の前で逆△の形で列をなしている。
「これより「乗船」の手続きに移らせていただきます。」
城「黒服の集団?」
久秀「彼らは「護衛者」。文字通り片原会長を護衛する私兵よ。」
悠「牙の野郎はいないな。」
「まずは……こちらの招待状をお持ちの皆さまお、お集まりください。」
一番前に居る黒服の男が一枚の紙をかざした。「闘」と書かれた印が押されている。
兜馬「これか…」
初見「機能、突然送りつけられてきたって紙かい?」
兜馬「ああ…」
招待状というものを持っているグループと思っていないグループがある様子だ。
悠「久秀?」
久秀「そんなものは届いてなかったわね。」
「招待状をお持ちの皆さまにはこちら「闘技号」に乗船していただきます。」
映画にでも出てきそうなとにかくバカでかいクルーズ客船がゴォッと点灯した。乗り込む人間の数も膨大だがそれをもってしてもあり余る広さだろう。招待状を持っているグルーブが順々に乗りこんでいく。
城「それにしても大きい船ですね。」
久秀「全長380メートル重量25万トン、世界最大級の客船だそうよ。」
悠「氷山にぶつかって沈まないといいけどな。」
などと冗談を言っていると招待状グループは乗り終えたらしく、また黒服が声を張った。
「お待たせいたしました。これより、残りの皆様に乗船していただきます。」
「おーやっとかあ…」
「待ちくたびれたぜ」
「何でアイツらだけ先に乗せたんだよ?」
「ったく差別だぜ…」
後回しにされた文句を言いながら船に向かおうとしたが、それを制された。
「お待ちを皆さまに乗船していただくのはアチラ「絶命号」でございます。」
「「「「なっなにいぃぃぃぃっ!!」」」」
もう一隻巨大な船がやってきた。同じように映画に出てきそうな船ではあるが、ホラーの部類の、だ。
「あんなボロ船に乗せる気か!」
「マジかよ!」
「差別だ!!」
不満が続出するが乗らない者はいない。おれたちも乗りこんでいく人の波に混ざって進んでいく。
闘技号から双眼鏡で様子を見ていた初見が言った。
初見「あれ?残りの連中、別の船に乗っていくぜ?」
兜馬「まぁ、そんなことだろうと思ったよ。このトーナメント、何が起きてもおかしくない。我々も気を抜かずにいるとしよう。」
豪華な客室で兜馬はソファーにかけて氷とウィスキーの入ったグラスを静かに揺らした。
光陰矢の如し、ついにXデー、闘技会絶命トーナメントの期日を迎えた。それと同時に異変、日本を代表する大企業の経営者たちによる「同時多発臨時休暇」は経済に大きな混乱をもたらした……。
「皆さまー、大変お待たせしておりますがもうしばらくお待ちくださーーい!」
「乗り遅れますと、その時点で闘技会員のかたは参加資格を失いますのでご注意くださーーい!」
何度も大声で注意喚起が響く人で埋め尽くされた埠頭。おれたちはほぼ最後尾で積まれているコンテナに背を預けながら遠巻きに様子を見ていた。
城「す、すごい人数ですね。1000…2000…いや、もっといますよ!」
久秀「今回、絶命トーナメントにエントリーしたのは151社。すなわち、151人の闘技者が頂点を目指し競うわけよ。」
城「ひゃく…」
つまり、この人ごみの中に他の闘技者たちや親父たちもいるということだ。それにしても結局、おれの地獄の鍛錬の間も今も城はついてきた。ただし、もはやカメラ小娘兼久秀の小間使いポジションになってしまっている。少しはましになったとはいえ、戦力としては論外なのでコイツが居ることも不安である。
「皆さま、長らくお待たせいたしました。」
一段と大きな声が響いた。まわりもシンと静まり視線を越えの方へ向けてみるとピッチリとクロスーツ姿の人間が船の前で逆△の形で列をなしている。
「これより「乗船」の手続きに移らせていただきます。」
城「黒服の集団?」
久秀「彼らは「護衛者」。文字通り片原会長を護衛する私兵よ。」
悠「牙の野郎はいないな。」
「まずは……こちらの招待状をお持ちの皆さまお、お集まりください。」
一番前に居る黒服の男が一枚の紙をかざした。「闘」と書かれた印が押されている。
兜馬「これか…」
初見「機能、突然送りつけられてきたって紙かい?」
兜馬「ああ…」
招待状というものを持っているグループと思っていないグループがある様子だ。
悠「久秀?」
久秀「そんなものは届いてなかったわね。」
「招待状をお持ちの皆さまにはこちら「闘技号」に乗船していただきます。」
映画にでも出てきそうなとにかくバカでかいクルーズ客船がゴォッと点灯した。乗り込む人間の数も膨大だがそれをもってしてもあり余る広さだろう。招待状を持っているグルーブが順々に乗りこんでいく。
城「それにしても大きい船ですね。」
久秀「全長380メートル重量25万トン、世界最大級の客船だそうよ。」
悠「氷山にぶつかって沈まないといいけどな。」
などと冗談を言っていると招待状グループは乗り終えたらしく、また黒服が声を張った。
「お待たせいたしました。これより、残りの皆様に乗船していただきます。」
「おーやっとかあ…」
「待ちくたびれたぜ」
「何でアイツらだけ先に乗せたんだよ?」
「ったく差別だぜ…」
後回しにされた文句を言いながら船に向かおうとしたが、それを制された。
「お待ちを皆さまに乗船していただくのはアチラ「絶命号」でございます。」
「「「「なっなにいぃぃぃぃっ!!」」」」
もう一隻巨大な船がやってきた。同じように映画に出てきそうな船ではあるが、ホラーの部類の、だ。
「あんなボロ船に乗せる気か!」
「マジかよ!」
「差別だ!!」
不満が続出するが乗らない者はいない。おれたちも乗りこんでいく人の波に混ざって進んでいく。
闘技号から双眼鏡で様子を見ていた初見が言った。
初見「あれ?残りの連中、別の船に乗っていくぜ?」
兜馬「まぁ、そんなことだろうと思ったよ。このトーナメント、何が起きてもおかしくない。我々も気を抜かずにいるとしよう。」
豪華な客室で兜馬はソファーにかけて氷とウィスキーの入ったグラスを静かに揺らした。