ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー某所:廃ビルー
チーター服部55歳、レフリー歴17年。
これまで数多くの闘技者を見てきた。中には人外の強さを誇るものもいた。洪という男の強さも何度も目の当たりにしてきている。
チーター・服部「ゴクッ」
それでも寒気が止まらない。一瞬で両膝を蹴り砕く威力、速さ……どれをとってもこいつの強さの底が知れない。
雲山「……すみません。」
チーター・服部「はっ!?」
雲山「まだ続けるのですか?」
チーター・服部「あ……しょ……!勝負ありッッ!勝者!百目鬼雲山!!おい、担架だ担架!!急いで病院へ運ぶんだ!」
勝敗が決し、雲山は離れようとしたが、背後でダンッと音がして振り返る。
洪「まだだぁッ!!」
雲山「……」
理乃「あら?」
チーター服部「ほ……洪!!?」
確実に両の膝を砕かれた男が立ちあがったのだ。
洪「勝手に終わらせるんじゃねぇ……!フーッ、フーッ、勝負の途中だぜ……!フーッ!」
小刻みに震え異常なほどの汗と乱れた呼吸、どれだけ脳内麻薬を分泌させていても完全に痛みを消せてはいないのだろう。
「おいおいマジかよアイツ」
「両膝を破壊されて何で立てるんだよ!?」
チーター服部「もう止せ洪!勝負はついた!!」
レフリーが止めに入ろうとしたが、それを割って雲山が再び対峙した。
雲山「いや、まだだ。立ち上がってくる限り何度でも倒しますよ。何度でも……何度でも……。」
しかし、そこにさらに割って入ったのは何と理乃だった。
理乃「十分よ、雲山。」
洪「!??」
チーター服部「ちょっとちょっと!危ないですから!!」
理乃「ふふっ、お気遣いなく。」
雲山「……理乃さん、なぜ止めるのです?」
理乃「なぜ?このまま続けたらアナタ、彼を殺してしまうでしょ?もう勝負はついてるわ。私が彼を説得します。」
そういうと、理乃は本当に洪に近づいた。幾ら瀕死とはいえ一撃でも入れられたら彼女の方が死んでしまうほどの相手だ。
洪「ああ!?んだテメー!!退けよ女!ドロドロになるまで犯すぞコラ……!!」
理乃「可愛そうに……敗北を受け入れられないのね。でも、もう我慢しなくていいのよ。おすわり♪」
彼女は笑顔でちょんっと洪のおでこを指で突いた。瞬間、洪の身体から力が抜けてガクンッと崩れ落ちた。
洪「(い、痛えええええっ!!?の、脳内麻薬の分泌を止められた!!!)て……てめ……何をしやがった……!?」
今まで止めていたあらゆる痛みが戻ってきて、声も枯れ枯れに理乃に目を向ける。
理乃「何って?私はアナタの身体に「お願い」しただけ……それではお大事になさってね。」
何事もなかったように戻ってくる理乃に観客たちもどよめきを隠せなかった。
「やっぱりとんでもねぇな、倉吉理乃。」
如何なる超雄も従える超雌。並の闘技者なんかよりよっぽど化物じみている。
雲山「まったく……手荒なことをして、ヘタしたら痛みでショック死しているところですよ?」
理乃「フフ…闘技者ならあれくらい平気よ。そんなことより、どうだった、雲山?闘技試合デビュー戦は?」
雲山「……正直拍子抜けしている。「本番」はもう少しレベルが高いといいんだが。」
勝者たちが談笑する中、敗者である東郷とまりは担架で運ばれていく洪を一瞥する。
我が社歴代最強の闘技者小虎があっけなく……トーナメントまであと数ヶ月……回復は間に合わない。
見つけなければ……小虎に代わる闘技者を……。
とまり「上等だ。必ず見つけてやるぜ最強の闘技者をなあ。雪辱はトーナメントで晴らさせてもらうぜ、理乃ォォォ!!」
闘技絶命トーナメント開催まであと五ヶ月。
強者、参集す。
チーター服部55歳、レフリー歴17年。
これまで数多くの闘技者を見てきた。中には人外の強さを誇るものもいた。洪という男の強さも何度も目の当たりにしてきている。
チーター・服部「ゴクッ」
それでも寒気が止まらない。一瞬で両膝を蹴り砕く威力、速さ……どれをとってもこいつの強さの底が知れない。
雲山「……すみません。」
チーター・服部「はっ!?」
雲山「まだ続けるのですか?」
チーター・服部「あ……しょ……!勝負ありッッ!勝者!百目鬼雲山!!おい、担架だ担架!!急いで病院へ運ぶんだ!」
勝敗が決し、雲山は離れようとしたが、背後でダンッと音がして振り返る。
洪「まだだぁッ!!」
雲山「……」
理乃「あら?」
チーター服部「ほ……洪!!?」
確実に両の膝を砕かれた男が立ちあがったのだ。
洪「勝手に終わらせるんじゃねぇ……!フーッ、フーッ、勝負の途中だぜ……!フーッ!」
小刻みに震え異常なほどの汗と乱れた呼吸、どれだけ脳内麻薬を分泌させていても完全に痛みを消せてはいないのだろう。
「おいおいマジかよアイツ」
「両膝を破壊されて何で立てるんだよ!?」
チーター服部「もう止せ洪!勝負はついた!!」
レフリーが止めに入ろうとしたが、それを割って雲山が再び対峙した。
雲山「いや、まだだ。立ち上がってくる限り何度でも倒しますよ。何度でも……何度でも……。」
しかし、そこにさらに割って入ったのは何と理乃だった。
理乃「十分よ、雲山。」
洪「!??」
チーター服部「ちょっとちょっと!危ないですから!!」
理乃「ふふっ、お気遣いなく。」
雲山「……理乃さん、なぜ止めるのです?」
理乃「なぜ?このまま続けたらアナタ、彼を殺してしまうでしょ?もう勝負はついてるわ。私が彼を説得します。」
そういうと、理乃は本当に洪に近づいた。幾ら瀕死とはいえ一撃でも入れられたら彼女の方が死んでしまうほどの相手だ。
洪「ああ!?んだテメー!!退けよ女!ドロドロになるまで犯すぞコラ……!!」
理乃「可愛そうに……敗北を受け入れられないのね。でも、もう我慢しなくていいのよ。おすわり♪」
彼女は笑顔でちょんっと洪のおでこを指で突いた。瞬間、洪の身体から力が抜けてガクンッと崩れ落ちた。
洪「(い、痛えええええっ!!?の、脳内麻薬の分泌を止められた!!!)て……てめ……何をしやがった……!?」
今まで止めていたあらゆる痛みが戻ってきて、声も枯れ枯れに理乃に目を向ける。
理乃「何って?私はアナタの身体に「お願い」しただけ……それではお大事になさってね。」
何事もなかったように戻ってくる理乃に観客たちもどよめきを隠せなかった。
「やっぱりとんでもねぇな、倉吉理乃。」
如何なる超雄も従える超雌。並の闘技者なんかよりよっぽど化物じみている。
雲山「まったく……手荒なことをして、ヘタしたら痛みでショック死しているところですよ?」
理乃「フフ…闘技者ならあれくらい平気よ。そんなことより、どうだった、雲山?闘技試合デビュー戦は?」
雲山「……正直拍子抜けしている。「本番」はもう少しレベルが高いといいんだが。」
勝者たちが談笑する中、敗者である東郷とまりは担架で運ばれていく洪を一瞥する。
我が社歴代最強の闘技者小虎があっけなく……トーナメントまであと数ヶ月……回復は間に合わない。
見つけなければ……小虎に代わる闘技者を……。
とまり「上等だ。必ず見つけてやるぜ最強の闘技者をなあ。雪辱はトーナメントで晴らさせてもらうぜ、理乃ォォォ!!」
闘技絶命トーナメント開催まであと五ヶ月。
強者、参集す。