ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】

ー大江戸学園:大江戸城ー

片桐「っと、いうわけで細かいことは後で人と書類とかを用意するからよろしく頼むのぉ。詠美ちゃんと吉音ちゃんや、ひょっひょっ。」

詠美「はい…。」

吉音「えーと……はい?」

片桐「それと……小鳥遊悠」

悠「…なんだよ」

片桐「確かに見れば見るほど小鳥遊弥一に似ている、似ているが……ふふっ」

悠「なに鼻で笑ってる。ついでに爺に似てるっていわれても何も嬉しくねーんだが。」

片桐「いやいや、悪かったのう。どれだけ恐ろしくて強い男なのかと楽しみにしていたんじゃが……可愛い坊ちゃんだったもんでな。」

悠「……あ?」

片桐「確かにこれでは兜馬君が別の闘士を立てるのもしかたがないわい。ああ、もちろん悪い意味じゃ無いぞい。人には得手不得手がある。悠君もはやく父親を支えれるように頑張るんじゃぞ。」

そういわれながら肩をポンッと叩かれた瞬間、おれの頭にカッと血が上った。年寄りだからとか関係なしに胸ぐらにつかみかかったが、何者かに腕を掴まれた。

オールバック「……」

悠「なんだお前、離せよ」

オールバック「貴様から発せられる会長への不敬な態度と言動までは多めに見てやったが今やろうとした行いは見過ごせん。」

掴まれた腕がビクともしない。力がさらに込められているらしくメリメリと骨のきしむ音が聞こえる。

悠「見過ごせないとどうするっていうんだ。」

オールバック「強がるな。君では私に傷ひとつ着けることはできない。」

悠「あ?」

オールバック「難しいことは言ってないが理解ができないか?なら分かりやすく言ってやろう小鳥遊悠、貴様は弱い。」

悠「……もういっぺん言ってみろよ」

オールバック「貴様は弱い」

言い終わると同時に捕まれていた腕を振り払ってオールバックの顔面めがけて拳を放った。否、正確には放とうとした瞬間、おれの身体は弾け飛んだ。

正面から蹴り飛ばされ、天上にぶつかり、壁に跳ね返り床に転がったのだ。

悠「がっ……ぁ……ああああっ!!」

ガードどころか反応もできなかった。痙攣する身体にムチを打って立ち上がり、反射的に鬼状態を発動する。今度はこちらの番だと飛び込もうとしたそのとき首に何かが絡みついた。

髭男「……」

鉄マスク「……」

悠「ぐっ!?てめっ……らっ!!」

いつのまに背後に回られたのか髭に腕を押さえられ鉄マスクにスリーパーホールドを決められて、次の瞬間に意識がブラックアウトした。

詠美「(そんな……!?不意打ちとはいえ、悠が一瞬でオトされた!)」

鉄マスク「勝手な私闘は禁止されているだろう。大人しくしてろ加納」

加納「……私闘?「路傍の石」を蹴り飛ばしただけの事だ。」

久秀「(あの三人は?)」

柏「(三羽鳥、御前・片桐滅堂が有する最高戦力どもだ。)」

悠を蹴り飛ばした男が【滅堂の牙】と呼ばれる加納アギト、そして絞め落とした鉄マスクの男が【もっとも牙に近い男】鷹山ミノル、そして腕を押さえた髭の男が【先代滅堂の牙】森王正道、三羽鳥ともよばれている。

兜馬「会長、愚息が失礼しました。」

片桐「いやいや、構わんよ。こっちこそすまんのぉ。牙がやんちゃで。ほら、ちゃんと謝らんか」

加納「申し訳ない。」

兜馬「いえ、大丈夫だ。。」

片桐「さぁて、なにもトラブルは無いようじゃし、わしはここらで失礼するぞい。ああ、そうじゃ……わしはこの牙(アギト)を出場させる。しっかりと上がってこれる闘士を用意するんじゃぞ。ひょっひょっひょっ。」

片原滅堂と三羽鳥は出ていき、後に残ったのは微妙な空気だった。そんな中一番最初に口を開いたのは久秀だった。

久秀「小鳥遊社長、あなたが知っている他の情報を全部教えてもらえるかしら?」
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