ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー大江戸学園:荒ら長屋街ー
荒(あば)ら長屋は大江戸学園内の長屋の中でも群を抜いて古く立地、設備、ともに最悪の場所である。なにより一番悪いのは治安だ。学園生徒の半グレやロクデナシが最後に集まるのはここだといわれているほど……。
しかし、ここ最近ではボロさを除けば昔に比べてだいぶ平和になっていた。
理由はここに住む男、右京山寅。そう彼だ。
彼がわざわざここに住みだしてからというもの、次々とここらで幅を利かせていた愚連隊を文字通り叩き潰していったのだ。
当然、正義のためなどではい。ここにいれば向かうから喧嘩を振ってくると寅は初めから目をつけていたのだ。その予感は的中、入れ食い状態で次から次へと獲物がかかり続け、それを喰らって喰らって、気がつくと喰らい尽くしてしまった……。
それからというもの、ここらで寅に逆らうものはいなくなり、むしろ恐れを抱き自ら退学したものから、頭を丸めて出家したもの、極わずかに真面目になったものなど様々だ。
もちろん、当の本人はそんなことはどうでもよく、今では愚連隊がたむろしていたボロ屋敷を占拠して好き勝手にして暮らしている。
寅「んっ……朝か。」
昨夜は結局左近が帰ってしまい。スパーリング相手がいなくなったので室内でトレーニングをして、シャワーを浴びてそのまま寝たのだ。投げ捨てている携帯を拾って時間を見てみる。早すぎるというほどでもないが遅くもない中途半端な時間……。
小鳥遊堂で飯を食ってあいつに喧嘩でも吹っ掛けるか。予定が決まり、外へと出た。
【小鳥遊堂へ向かへ】
「あ、寅さん、寅さん」
家を出て歩いてると小走りで男が近づいてきた。
寅「なんだ?」
「へっへっ、新しい賭場ができたらしいんですよ。どうです?ちょっと覗きに行きませんか?」
寅「今は興味ねぇな。その賭場でイカサマしてて、腕利きの用心棒でもいるんなら話は別だが」
「それはもう目的が別になってますって……。」
寅「今なら現場さえ押さえれば問答無用で暴れられるからな。」
「ああ、そういえば、お上から火盗改めみてーなことが許可されてるんでしたっけ?すげーもんだ。」
寅「俺は何度も断ったがしつこすぎてな。まぁ、なんにしてもやることは変わらん。」
「へっへっへっ、いやぁ、流石ですね。」
「ふんっ、ふざけやがって」
寅「あ?」
話しているといつの間にかどう控えめに見ても善良ではない奴らに囲まれている。
荒(あば)ら長屋は大江戸学園内の長屋の中でも群を抜いて古く立地、設備、ともに最悪の場所である。なにより一番悪いのは治安だ。学園生徒の半グレやロクデナシが最後に集まるのはここだといわれているほど……。
しかし、ここ最近ではボロさを除けば昔に比べてだいぶ平和になっていた。
理由はここに住む男、右京山寅。そう彼だ。
彼がわざわざここに住みだしてからというもの、次々とここらで幅を利かせていた愚連隊を文字通り叩き潰していったのだ。
当然、正義のためなどではい。ここにいれば向かうから喧嘩を振ってくると寅は初めから目をつけていたのだ。その予感は的中、入れ食い状態で次から次へと獲物がかかり続け、それを喰らって喰らって、気がつくと喰らい尽くしてしまった……。
それからというもの、ここらで寅に逆らうものはいなくなり、むしろ恐れを抱き自ら退学したものから、頭を丸めて出家したもの、極わずかに真面目になったものなど様々だ。
もちろん、当の本人はそんなことはどうでもよく、今では愚連隊がたむろしていたボロ屋敷を占拠して好き勝手にして暮らしている。
寅「んっ……朝か。」
昨夜は結局左近が帰ってしまい。スパーリング相手がいなくなったので室内でトレーニングをして、シャワーを浴びてそのまま寝たのだ。投げ捨てている携帯を拾って時間を見てみる。早すぎるというほどでもないが遅くもない中途半端な時間……。
小鳥遊堂で飯を食ってあいつに喧嘩でも吹っ掛けるか。予定が決まり、外へと出た。
【小鳥遊堂へ向かへ】
「あ、寅さん、寅さん」
家を出て歩いてると小走りで男が近づいてきた。
寅「なんだ?」
「へっへっ、新しい賭場ができたらしいんですよ。どうです?ちょっと覗きに行きませんか?」
寅「今は興味ねぇな。その賭場でイカサマしてて、腕利きの用心棒でもいるんなら話は別だが」
「それはもう目的が別になってますって……。」
寅「今なら現場さえ押さえれば問答無用で暴れられるからな。」
「ああ、そういえば、お上から火盗改めみてーなことが許可されてるんでしたっけ?すげーもんだ。」
寅「俺は何度も断ったがしつこすぎてな。まぁ、なんにしてもやることは変わらん。」
「へっへっへっ、いやぁ、流石ですね。」
「ふんっ、ふざけやがって」
寅「あ?」
話しているといつの間にかどう控えめに見ても善良ではない奴らに囲まれている。