ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】
ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー
神姫「そう。悠は果報者ね。」
悠「ああ、ホントにな。」
駒狸「でも……本当に無事でよかったです。」
神姫「ここで話の腰を折るようで悪いけど、目の前の蟠りが片付いただけで本来の問題はまだひとつも解決してないからね。」
悠「そうだな。とりあえず、詠美さんに連絡を入れて改めて会議の場を開いてもらおう。ただ、今度は道玄のおっさんにはもっと協力的にするように頼んどいてくれ。」
神姫「言う必要ないでしょう。」
悠「あ?」
神姫「それを伝えるための喧嘩だったんでしょう。だつたらグタグダ言う必要ないわよ。」
悠「伝わってるかな?」
神姫「伝わってないのなら、もう一度喧嘩すれば?」
駒狸「だ、ダメですよ。今度は死んじゃいますよ!せめて間を置かないと万全で挑まないと!」
神姫「間を置いて万全になったら挑んでもいいって止めないところがずれてるわね。私は嫌いじゃないけど。」
悠「はははっ。痛ってて、あー、鎮痛剤がキレてきたか。」
駒狸「じゃあ、薬で飲んでください。錠剤が効かないなら……」
神姫「効かないなら?」
駒狸「座薬もありますし」
悠「それは最後の最後の手段にしときます。」
駒狸「なら、お薬飲んで早く寝てくださいね。」
悠「はい…」
神姫「ふふっ」
~~
大江戸学園内でも町中から離れ、住人も数も最も少なく年季が入った長屋区画。電灯の設備も整っていないため夜は煌々と松明が使われている。
その炎の下で二人の男が殴り合っていた。
寅「オラァッ!」
いや、正確に言うのなら片方が一方的に攻めて、もう一人は防御に徹していたようだ。しかし、それもすぐに崩れた。
寅はガードしている腕の隙間にめがけて拳を捩りこんで敵を粉砕する。
左近「痛たたっ、待った待った。私の負けでさぁ。」
寅「ふっふっ、ふっー……おい、真面目にやれよ。」
左近「無茶いわんでくださいよ。私は腕も知略も立つ男ですが、素手は専門じゃないんですよ?愛刀はまだ修理できてねぇんですし。」
寅「だったら適当な武器つかやぁいいだろう。」
左近「そしたら寅さん、さらに本気出すでしょ?」
寅「決まってんだろ」
左近「勘弁してくださいって……。私は荒事より内勤向き何ですから。」
寅「てめー。さっき自分で「腕も知略も立つ」ったばかりだろうが。」
左近「つまりは知略も駆使したうえで腕も立つんでさぁ。こうやって真正面からの戦いなんて……ん?」
寅「なんだ?」
左近「いえ、ちょっと空を見てください」
目を向けると何か発光して浮遊するものが夜空を過っていった。わずかに残響していたのはプロペラの音、恐らくはヘリコプター。
寅「なんだ、ヘリか」
左近「いや……なんだってことはないんですよ。」
寅「どういう意味だ」
左近「寅さんはポンポン島からでてるんでアレですが、思い出してください。ここ、大江戸学園は基本的に物資の運搬は船でさぁ。ヘリが使われることはほぼほぼありやせん。ましてやこんな時間帯、明らかに目的はこの島……。いったい、どんな御用なんでしょうねぇ。」
神姫「そう。悠は果報者ね。」
悠「ああ、ホントにな。」
駒狸「でも……本当に無事でよかったです。」
神姫「ここで話の腰を折るようで悪いけど、目の前の蟠りが片付いただけで本来の問題はまだひとつも解決してないからね。」
悠「そうだな。とりあえず、詠美さんに連絡を入れて改めて会議の場を開いてもらおう。ただ、今度は道玄のおっさんにはもっと協力的にするように頼んどいてくれ。」
神姫「言う必要ないでしょう。」
悠「あ?」
神姫「それを伝えるための喧嘩だったんでしょう。だつたらグタグダ言う必要ないわよ。」
悠「伝わってるかな?」
神姫「伝わってないのなら、もう一度喧嘩すれば?」
駒狸「だ、ダメですよ。今度は死んじゃいますよ!せめて間を置かないと万全で挑まないと!」
神姫「間を置いて万全になったら挑んでもいいって止めないところがずれてるわね。私は嫌いじゃないけど。」
悠「はははっ。痛ってて、あー、鎮痛剤がキレてきたか。」
駒狸「じゃあ、薬で飲んでください。錠剤が効かないなら……」
神姫「効かないなら?」
駒狸「座薬もありますし」
悠「それは最後の最後の手段にしときます。」
駒狸「なら、お薬飲んで早く寝てくださいね。」
悠「はい…」
神姫「ふふっ」
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大江戸学園内でも町中から離れ、住人も数も最も少なく年季が入った長屋区画。電灯の設備も整っていないため夜は煌々と松明が使われている。
その炎の下で二人の男が殴り合っていた。
寅「オラァッ!」
いや、正確に言うのなら片方が一方的に攻めて、もう一人は防御に徹していたようだ。しかし、それもすぐに崩れた。
寅はガードしている腕の隙間にめがけて拳を捩りこんで敵を粉砕する。
左近「痛たたっ、待った待った。私の負けでさぁ。」
寅「ふっふっ、ふっー……おい、真面目にやれよ。」
左近「無茶いわんでくださいよ。私は腕も知略も立つ男ですが、素手は専門じゃないんですよ?愛刀はまだ修理できてねぇんですし。」
寅「だったら適当な武器つかやぁいいだろう。」
左近「そしたら寅さん、さらに本気出すでしょ?」
寅「決まってんだろ」
左近「勘弁してくださいって……。私は荒事より内勤向き何ですから。」
寅「てめー。さっき自分で「腕も知略も立つ」ったばかりだろうが。」
左近「つまりは知略も駆使したうえで腕も立つんでさぁ。こうやって真正面からの戦いなんて……ん?」
寅「なんだ?」
左近「いえ、ちょっと空を見てください」
目を向けると何か発光して浮遊するものが夜空を過っていった。わずかに残響していたのはプロペラの音、恐らくはヘリコプター。
寅「なんだ、ヘリか」
左近「いや……なんだってことはないんですよ。」
寅「どういう意味だ」
左近「寅さんはポンポン島からでてるんでアレですが、思い出してください。ここ、大江戸学園は基本的に物資の運搬は船でさぁ。ヘリが使われることはほぼほぼありやせん。ましてやこんな時間帯、明らかに目的はこの島……。いったい、どんな御用なんでしょうねぇ。」