ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【3】

ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー

神姫「回りくどいのは嫌いだから単刀直入に効くわ。絶龍結界の正体は?」

悠「超デカい定在波だ。」

神姫「定在波…」

定在波とは、波長・周期(振動数または周波数)・振幅・速さ(速度の絶対値)が同じで進行方向が互いに逆向きの2つの波が重なり合うことによってできる、波形が進行せずその場に止まって振動しているようにみえる波動のことである。

悠「あの時、道玄の巨大龍剄を碧鬼状態で受け止めて弾き返すことで無風の結界を生み出した。」

分かりやすく図で表すならば……

道玄:龍剄→→→悠(碧鬼状態)

道玄:龍剄→→←←悠(碧鬼状態)

道玄:龍剄→)…無風…(←悠

絶龍)道玄…………悠(結界

神姫「なるほどね……。っていうか、無茶苦茶ね。いくら碧鬼状態でも、いや、そもそも碧鬼状態が無茶苦茶なのよね。」

悠「鬼状態と翠龍の毒の併せはもともと実現性があった……。むしろ、併せた方がどっちかを持続的に使い続けるよりも身体への負担は大きく減る。」

神姫「そうはいうけど翠龍の毒だって並の発動じゃ無理でしょ」

悠「確かにまだ自前の発動ができないから道玄の龍剄を取り込んで(喰って)発動した。」

神姫「頭おかしいわ」

悠「そのくらいの事しないと道玄を相手に意表はつけない……くくっ、今思い出しても道玄の驚いた顔は笑えるぜ。」

神姫「それでもボロボロになってるのは悠だけどね。」

悠「……」

神姫「それでいつから構想してたの?」

悠「考えてたのは龍剄を覚えてすぐだ。それから紆余曲折して碧鬼状態からの絶龍結界に至った。正直、絶龍結界も構想だけならもうあと、一段二段うえを考えてはいるが……今はそれどころじゃないな。」

神姫「でしょうね。」

悠「まぁ、それでも致命傷じゃなければ問題ない。」

神姫「色々と言いたいことは有るけど一応同意しといてあげるわ。」

悠「へへっ」

神姫「ただ、そろそろ一番の功労者に話を聞きたいわね。」

悠「あん?」

神姫「普通に考えて鬼状態や翠龍毒を発動し続けたり連投したりするのでも代償が大きい。つまり、それに耐えられる身体を作る必要がある……だけど、どうやって?ただ筋肉や骨を鍛えるだけじゃ無理。肺や心臓、血管を加圧に耐えられるようにしなくちゃならない。そんな人間の重要機関(内臓)を作り上げることができることができるのは…………そこに居るんでしょ?駒狸」

駒狸「……」
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