ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:茶屋小鳥遊堂ー

金剛「いくぞ?」

金剛が一枚のコインを弾いた。悠はそれを左手でキャッチする。

悠「……よし、平気だ。残り何分ある?」

久秀「30分弱。」

灯「悠君、弩躬君、来てくれましたよ。」

弩躬「急に呼び出されて何事かと思ったぞ。」

悠「どうせ暇してたんだろ」

弩躬「本当なら蟀谷(こめかみ)にぶち込んでやるところだけどお前の勇気に免じて勘弁してやるよ。」

悠「どーも」

吉音「悠、ドリンク買ってきたよ!」

想「あの、言われた品を10本買ってきましたけど……飲むんですか?」

悠「ありがと。飯食って万全の態勢にもっていける時間は無いからな。」

灯「かなり無茶ですね。」

弩躬「道玄さんに喧嘩売るっていうのが、そもそもの無茶だけどな。」

左近「あんなガチの喧嘩の売り方したひと、久々に見ましたよ。ねぇ、寅さん?」

寅「……狭い」

悠「っか、なんで左近がいるんだよ」

左近「なんでって……小鳥遊さんがとんでもない喧嘩するからでしょーが」

悠「海岸だから問題ないだろ。」

左近「ありますよ、ありまくりですよ。この島は常夏ですよ?今現在ですら泳いでる生徒だっているんですから……まぁ、道玄さんが砂浜に現れた時点で人っ子一人いなくなったって報告が入りましたけどね。」

寅「既に待ってるのか」

悠「出てった足で即向かったんだろう。そういうタイプだよ……。」

左近「まぁ、そのおかげというか周りに被害が出ないよう手の空いてる同心たちで周囲を閉鎖するのも楽でしたよ。」

悠「大げさにし過ぎなんだよ。」

左近「寅さんとの時もですけど、大げさで済んでないですからね。」

寅「大げさだ」

悠「雲水のおっさんは?」

金剛「道玄のおっさんの方へっいったぽいぞ。」

摩耶「はい、ちよっとごめんね。通らせてね。」

悠「ああ、摩耶も来てくれたか」

摩耶「金剛君からのメール見て電車の中で驚いて爆笑しちゃったよ」

左近「笑い事ですかい」

摩耶「僕からしたら悠君の行動の7.8割は笑い事だよ。それより左腕だっけ?」

悠「ああ、頼む」

摩耶「っていっても、僕の集氣法だってそんな効力は高くないからね。」

悠「十分だ。」

摩耶「ああ、それと、ここに来るまえにバッタリ会ってね。」

悠「誰と?」

摩耶「神姫さん」

悠「わぉ……」

摩耶「でも、話しとくべきでしょ。色々と」

悠「そーでもないよ」

神姫「悠がそうでもなくても、私はあるのよ。」

悠「アッハイ」

左近「ちょっと、私らは外に出てましょうか」

寅「お前は出てろ。俺は居る」

左近「えぇっ…。」
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