ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】
ー大江戸学園:大江戸城天守閣ー
悠「おっさん?」
道玄「失礼。今さらながら、天の起こした騒動を詫びさせていただく。多大な迷惑を申し訳ない。」
雲水「申し訳ない。」
龍と並んで鬼も腰を折って謝罪をしめす。あまりに突然のことにさすがにそこにいる全員が面食らった。
だが、いち早く詠美がいった。
詠美「……どうか、頭を上げてください。あの事件は天だけが原因ではありません。色々な要因が絡まりあって、起きてしまったことです。九頭竜さんを始めとした方々のお力があって解決したこともあったのですから。」
道玄「しかし……」
悠「おっさん、とりあえず頭上げろよ、逆に委縮してみんなやりづらい。」
道玄「むっ…」
雲水「がはは、小僧のいうとおりだぜ。」
道玄「うむ…。」
詠美「話を戻しますが、今言った通りあの事件は我々の力だけでなく島の外の方の助力もあって解決できたのは明白です。そういった人たちを「部外者」というのは如何なものかと思い、これからは一部の来訪者の方には専用のパス、または腕章などを配布して大江戸学園で過ごしてもらえる許可書のようなものを準備しようと考えています。」
吉音「いいね、いいね。」
詠美「もちろん、誰にでも……というわけにはいきませんが、悠が関係する方々には悠の個人判断で渡せるように例外的な権限を与えます。」
悠「え、マジ?」
金剛「そもそも8.9割は悠の関係者だからな」
悠「そうかな……そうだな。」
詠美「そういうことです。」
悠「あははっ。」
詠美「では、以上で本日の議題は終了ですが。なにか報告等がある方はいらっしゃいますか?」
想「はい、ひとつよろしいですか?」
詠美「なんですか?」
想「じつは最近、妙な事、怪現象とでもいうのでしょうか……噂になっていることがありまして。」
朱金「怪現象ぁ?」
想「はい、なんでも突然ドスンッと何かが飛び降りたような音がしたり、屋根の瓦が崩れ落ちたりするらしいのですが。」
平良「風かなにかでは?」
想「その可能性もありますが、音のほうは謎のままですし何より奇妙なのはその瓦などはいつの間にか元に戻っているらしいんです。端的に言えば、まるで目に見えない何かが縦横無尽に飛び回って壊れたものは直している……とでもいえばいいのでしょうか。」
朱金「なんじゃそりゃ。」
~~
ー大江戸学園:長屋通りー
ドンッ!と背後で何かが落ちたような音がした。
男子生徒A「うぉっ?!」
ひとりの生徒が振り返るが何もない……が、今度はダダッと壁に何かがぶつかったような音。しかし、やはり何も見えない。さらにガシャン!ダッ!ドドッ!そこら中から謎の音が長屋中を反響する。
男子生徒がてんてこ舞いしているのを尻目に二つの影が屋根の上に着地する。
灯「はぁ……ふぅ……」
風魔「ククッ…」
低く笑うと特別な磁力にでも引っ張られているかのような跳躍で灯から離れていく。
灯「はぁはぁ……逃がさない!」
不気味に距離を離れる風魔に、最短の移動で距離を詰めようとする灯。屋根を、壁を、柱を、木々を駆け、跳び、登り、落下し、終わりの見えない鬼ごっこ。
滴る汗をぬぐい、目標を睨み付けた灯だったがその一瞬の隙で見失ってしまった。急ブレーキをかけて近くにあった一番高い建物の屋根に上り四方を探る。
瞬間、灯の肩を大きな手が掴んだ。
風魔「つーかまえたー」
灯「っ!?」
振り払いながら横なぎに棍を振るうが、空を切る。
風魔「くくっ、今日の鬼ごっこは……しゅーりょー。」
そう言い残すと風魔は黒い羽根をまき散らして完全に姿形、気配をロストした。
悠「おっさん?」
道玄「失礼。今さらながら、天の起こした騒動を詫びさせていただく。多大な迷惑を申し訳ない。」
雲水「申し訳ない。」
龍と並んで鬼も腰を折って謝罪をしめす。あまりに突然のことにさすがにそこにいる全員が面食らった。
だが、いち早く詠美がいった。
詠美「……どうか、頭を上げてください。あの事件は天だけが原因ではありません。色々な要因が絡まりあって、起きてしまったことです。九頭竜さんを始めとした方々のお力があって解決したこともあったのですから。」
道玄「しかし……」
悠「おっさん、とりあえず頭上げろよ、逆に委縮してみんなやりづらい。」
道玄「むっ…」
雲水「がはは、小僧のいうとおりだぜ。」
道玄「うむ…。」
詠美「話を戻しますが、今言った通りあの事件は我々の力だけでなく島の外の方の助力もあって解決できたのは明白です。そういった人たちを「部外者」というのは如何なものかと思い、これからは一部の来訪者の方には専用のパス、または腕章などを配布して大江戸学園で過ごしてもらえる許可書のようなものを準備しようと考えています。」
吉音「いいね、いいね。」
詠美「もちろん、誰にでも……というわけにはいきませんが、悠が関係する方々には悠の個人判断で渡せるように例外的な権限を与えます。」
悠「え、マジ?」
金剛「そもそも8.9割は悠の関係者だからな」
悠「そうかな……そうだな。」
詠美「そういうことです。」
悠「あははっ。」
詠美「では、以上で本日の議題は終了ですが。なにか報告等がある方はいらっしゃいますか?」
想「はい、ひとつよろしいですか?」
詠美「なんですか?」
想「じつは最近、妙な事、怪現象とでもいうのでしょうか……噂になっていることがありまして。」
朱金「怪現象ぁ?」
想「はい、なんでも突然ドスンッと何かが飛び降りたような音がしたり、屋根の瓦が崩れ落ちたりするらしいのですが。」
平良「風かなにかでは?」
想「その可能性もありますが、音のほうは謎のままですし何より奇妙なのはその瓦などはいつの間にか元に戻っているらしいんです。端的に言えば、まるで目に見えない何かが縦横無尽に飛び回って壊れたものは直している……とでもいえばいいのでしょうか。」
朱金「なんじゃそりゃ。」
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ー大江戸学園:長屋通りー
ドンッ!と背後で何かが落ちたような音がした。
男子生徒A「うぉっ?!」
ひとりの生徒が振り返るが何もない……が、今度はダダッと壁に何かがぶつかったような音。しかし、やはり何も見えない。さらにガシャン!ダッ!ドドッ!そこら中から謎の音が長屋中を反響する。
男子生徒がてんてこ舞いしているのを尻目に二つの影が屋根の上に着地する。
灯「はぁ……ふぅ……」
風魔「ククッ…」
低く笑うと特別な磁力にでも引っ張られているかのような跳躍で灯から離れていく。
灯「はぁはぁ……逃がさない!」
不気味に距離を離れる風魔に、最短の移動で距離を詰めようとする灯。屋根を、壁を、柱を、木々を駆け、跳び、登り、落下し、終わりの見えない鬼ごっこ。
滴る汗をぬぐい、目標を睨み付けた灯だったがその一瞬の隙で見失ってしまった。急ブレーキをかけて近くにあった一番高い建物の屋根に上り四方を探る。
瞬間、灯の肩を大きな手が掴んだ。
風魔「つーかまえたー」
灯「っ!?」
振り払いながら横なぎに棍を振るうが、空を切る。
風魔「くくっ、今日の鬼ごっこは……しゅーりょー。」
そう言い残すと風魔は黒い羽根をまき散らして完全に姿形、気配をロストした。