ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:大江戸城天守閣ー

大江戸学園で生活する生徒のうちでもほんの一握りしか入れない天守閣。右、左将軍の吉音と詠美を筆頭に、副将軍の光姫、北と南の奉行である想と朱金っと、ここまでは当然の顔ぶれであるが……まだ顔を出していない平良を除いて左近、久秀、そしておれこと小鳥遊悠が席についている。

そしておれの背後で仁王のように立っている道玄と雲水……。今回は緊急会議で集まったわけだが、その内容に関係するので同席してもらった訳だが……背中が重い。

「失礼いたします。」

ひとりの女子生徒が入ってくると、ささっと詠美のところに移動して何かを耳打ちした。

詠美「……わかりました。下がってくれて構いません。」

「はい。御用があればお呼びつけください。」

女子生徒が出ていくの見送ると凛っとした声で詠美が告げた。

詠美「長谷河さんは所用が入ったので少し遅れるそうです。なので先に始めたいと思います。まずは皆さま、忙しいなかお集まりありがとうございます。」

吉音「ありがとうございます」

朱金「んな固く話さずにもっとフランクにいこうぜ」

想「遠山さん」

朱金「あんだよ」

左近「まぁまぁ、とりあえず話をききましょうや」

詠美「はい、皆さんも分かっていると思いますが今節は色々なことが起こり大江戸学園は各方面でかつてない危機に直面しました。もちろん、皆様の努力、そして学園全体の努力で持ち直しが図れてきました。ですが、まだまだ手が回りきらないところが多くあります。今回はそこを補うため、松永さんと御伽ヶ島さんのお二方には特務の奉行として役職についていただこうと考えています。」

悠「久秀を?」

久秀「なにかいいたいことでも?」

悠「言いたいことはたくさんある。でも、怖いから口にしない」

久秀「……」
ピッ、ころっ…
悠「あ?小石」

久秀「着火」
ダンジョー『ジョゥッ!』

BONNっ!
悠「ぎゃっ!?」

久秀「どうぞ、話を進めてくださいな。」

悠「あっちちっ!なにすんじゃい!」

久秀「……」

悠「無視をするな!吉良義景って呼ぶぞ!」

久秀「バイッアダスト(負けて死ね)より、久秀は勝って生きるわ」
ポイッ、コロッコロッ…

悠「その小石みたいなものをばら撒くなっ!」

久秀「爆弾にしたのはひとつだけよ…………着火」
ダンジョー『ジョゥッ!』

BONNっ!
悠「ぎゃっ!!」
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