ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー???ー

越後屋「商売人っちゅうのは沈む船がわかるんですよ」

御前「なにぃ?」

越後屋「だってそうでっしゃろ?しょうもない失敗ばかり繰り返して。もう御前はんの正体もバレバレですわ」

天狗党幹部C「貴様!この無礼者めがっ!」

越後屋のせせら笑いで頭に血が上った幹部の一人が刀に手をかける。

だがしかし…

目隠しの少女「二度と刀を振れないようにしてやろうか?」

天狗党幹部C「くっ……!」

目にも止まらぬ一閃に天狗党幹部の手から刀が弾き飛ばされる。

越後屋「ほな、はじめ、帰りまひょか」

目隠しの少女「うん」

越後屋と彼女からはじめと呼ばれた少女はその場を悠然と去る

御前「おのれ……忌々しい奴め」

天狗党員「ご、御前……」

越後屋たちとほぼ入れ替わりに、先刻新や桃子に倒された天狗党員たちが戻ってくる。皆一様に負傷しており、息も絶え絶え状態である。

天狗党幹部B「お、お前たち、その姿はなんとした?」

天狗党員「徳田新と小鳥遊悠の襲撃ですが失敗してしまいました」

天狗党幹部B「なんと」

天狗党員F「徳田新を襲った組は全て返り討ちにござります。」

天狗党員E「小鳥遊悠を襲った組は小鳥遊悠本人は右京山先生により負傷させたものの、小鳥遊悠本人に半壊、そして偶然にも剣豪生鬼島桃子が現れて、打ちのめされこの有り様にございます」

天狗党幹部C「ぐぐ…だらしのない。」

天狗党員E「……申し訳ございません」

御前「馬鹿な…。右京山!右京山はどうした!?」

右京山「いるぞ。」

御前「どういうことだ。お前がいながら…」

右京山「俺は小鳥遊とヤル依頼は請けたが、鬼島との依頼は請けてない。それにリンチをするのもだ。御前。」

天狗党幹部C「貴様!」

右京山「なんだ…そもそも襲撃なんて真似が気にくわねぇ。こんな真似しなくても、真っ向から潰せばいいだろ。」

御前「お前は……その襲撃も失敗しておいて、何を抜かす!黙っていわれたことをしていればいいのだ!」

右京山「そうか…。なら、お前ら天狗も小鳥遊悠に手を出すな。俺がやる。それでいいな。」

御前「くっ…勝手にしろ。ただし、全校集会の時は俺の側で警護をしろ。いいな!」

右京山「ふん、勝手にさせてもらう。」

右京山の背中を睨みながら、歯噛みする天狗御前だが大きく息をつき、気を取り直そうとする。

御前「くっ……口惜しい。っが、構わぬ全校集会での計画さえ成功すれば全てうまくいくのだ。小さな失態など全て帳消しとなる」

天狗党員幹部B「さ、左様にございます、御前」

御前「おう。この計画だけは全てぬかりなくやり抜くのだ。失敗は許さん」

天狗党幹部達「「ははぁ!」」
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