ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー元発電施設:内部ー

風魔「ふふっ、はははは!」

寅「なに、笑ってやがる」

風魔「くくっ、我の話を聞け」

寅「てめーと話すことなんかねぇよ」
バッ!
風魔「貴様の戦いたい相手は本当に我か?それとも悠か?」

寅「……」
ピタッ
風魔「我は確かに天に組みした……だが、奴の目的はどうでもいい。我の目的は混沌と混乱。そして灯との闘争。」

寅「……」

風魔「我とここで戦って徒労とするか、外に行き戦いたい相手と戦うか……どっちが有意義だ?右京山寅よ」

寅「…………」

風魔「何も迷うことはない。本能のままに……」

寅「オラァ!」
バッ!

風魔「おぉっと……」

寅「テメーは……次に会ったら殺す。」

風魔「くは、くはははっ。それは、恐ろしい恐ろしいなぁ。はははははっ!」

不気味な笑い声だけを残して風魔の姿は消えた……。



ー大江戸学園:工場跡地前ー

工場の周囲に陣を組んでいた同心は、それを囲うように現れた大量の木偶人形と混戦状態。

さらに、それの背後から援軍に駆け付けた火盗改も交じって戦場は控えめに言って大混乱だ。

悠「おいおい、酷いなこりゃ」

豊久「戦じゃ!!」

悠「はい、そこの薩摩が生んだキリリングマシーン君はテンション上げないでください」

灯「ですが、さすがにただの木偶人形なので押してますね。」

悠「指揮は久秀がやってるし、朱金と想も合流してるだろうし、あとは残党処理だけだろ」

雲山「消化試合ですね」

灯「……」

雲山「灯君、体のほうは?」

灯「大丈夫です。私たちも木偶人形の処理に手分けしてあたりましょう」

悠「そうだな」

寅「……」

悠「お、寅。ちょうどよかった片っ端から木偶を……」

寅「オラァ!」

寅の右こぶしが高速で放たれる。冗談とか威嚇ではなく、当てに来てる力の籠ったパンチ。

悠「ぐっ!!」

間一髪でガードが間に合うも大きく後退した。

寅「……」

悠「っ……寅!いきなりなにする!!」

寅「……勝負だ」

悠「は?何言ってんだ。今はそれどころじゃ……」

寅「いいや、関係ない。今だ。今、決着つけるんだよ」

地面をトットッと蹴り戦闘態勢に入る。どうやら……本気らしい。

悠「……お前、本気か」

寅「本気だ。テメーも構えろ。」

悠「チッ。」

豊久「なんじゃ。寅と戦うのか」

悠「なんか知らんが……そういう流れらしい。」
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