ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー元発電施設:内部ー

悠「っ……おー、痛ぇっ。」

寅「全部お前が悪い…」

悠「なんでや?!」

寅「くっそ…。」
バッ!

悠「ちょ、手かしてくれ。」

寅「……」

悠「無視すな!」

風魔「くくくっ。灯、やはりお前は怒りの顔が美しい。」

灯「まったく褒められている気がしません。」

風魔「そうか。残念だ。さぁ、踊れ。混沌に踊れ!」

三本の機械義手が灯めがけ伸びていく。

灯「このっ!」

風魔のいう通り、怒りの表情ながらどこか美しい顔に汗を浮かべ灯も飛びかかる。

想「みなさん、灯さんを援護しま……くっ!」

想達も攻めに転じようとするが他四本の腕が棍を真上から振り下ろし、叩き付けてくる。

こんなに近いのにまるで折の外と内ように灯と風魔から切り離される。

豊久「ええい、相変わらず邪魔じゃ!」

魁人「雲山さん、もう一度」

雲山「はい、確実に一本ずつへし折っていくしかない」

悠「いいや、もっと直接的に行くべきだろ」

雲山「何か手が?」

悠「ああ、確実にいい手がな……みんな、ちょっと集まってくれ。」



風魔「くくっ、お友達は何かを始めたみたいだぞ」

灯「その前に、私が君を倒す!」

三本の棍を巧みに捌き、多節棍を緩めて風魔本体に突きのばした。

しかし、測っていたかのように寸前のところで棍は届かない。

風魔「惜しい惜しい。」

灯は即座に棍を手元に戻すも、風魔の機械義手が一手速かった。横薙ぎの一撃が足を打ち、別の腕が逆側から横腹に当たる。

灯「くっぁ…!」

華奢な身体にめり込む衝撃に灯の手から棍が落ちる。

風魔「もらった。」

悠「今だ投げろ!!」

魁人「せいっ!」
雲山「のーで!」

雲山と魁人にぶん投げられておれは機械義手の檻を突破し、風魔本体めがけ飛んでいく。

風魔「愚か」

届くと思った瞬間、四方八方から棍が突き伸びてきた。針の筵とでもいうか、おれは空中で容易に棍を突き立てられて停止する。

悠「ぐぇっ!?」

風魔「阿呆、が。」

悠「あ、アホはてめぇだ!」

豊久「悠、失礼仕る!」

悠「うっ……!」

第一投のおれは囮、本命は第二投目の豊久だ。空中に突き上げられてるおれを踏み台にして、さらに跳躍する。

豊久「とったァァァァ!」

両手で大太刀を握り、上段に振りかぶり風魔を叩き切った。
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